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クリニックはガラガラ2009年01月10日 20時12分17秒

何人かの友人から「ザ!世界仰天ニュース」の影響で、クリニックは混んでいるでしょう? と聞かれます。
まさか。
まったくそんなことはありません。
うちはファミレスじゃありませんから、子どもが元気ならば誰も来ませんよ。
1月、4月、8月は1年の中でもクリニックが最も暇。
今日もガラガラでした。

しかし、昨日、一人だけ、テレビを観て来院した患者さんがいました。
13歳の女の子です。

うちのクリニックは幼稚園以下の小さいお子さんばかりが来ますから、13歳はかなり珍しい。
で、その子の既往歴を見ると、「腸重積」と書いてあります。

その子の順番が来て、診察室に招いてどうぞと呼びかけると、お母さんとじっと視線が合いました。
・・・・
どっかで見た気が。
・・・・
カルテをもう一度見ると、「腸重積」の文字が気になります。

お母さんは開口一番、「先生! うちの子の腸重積を!」

思い出しました。
忘れようがありません。
あれは今から13年前、僕が千葉県こども病院で勤務していた時。

生後4ヵ月の赤ちゃんが真夜中に発熱と血便で、こども病院へ搬送されたんです。
それを診たベテランの小児科の先生は、「腸炎」ではなくて「腸重積」を疑ったんですね。
そこで、小児外科の研修医が呼ばれました。
超音波検査をしても「腸重積」ははっきりしません。
では、何の病気だろうということで、今度は僕が呼ばれたんです。

僕はその生後4ヵ月の赤ちゃんを一目診て、言いました。
「あ、診断なんてどうでもいいから、ICUに入れて挿管!」
赤ちゃんはすぐさまICUで人工呼吸管理。
もう数時間遅れていたら、この子の命は持っていかれていたかもしれません。

この子の腸重積は、重積腸管がS状結腸までもぐっているという(専門的な話ですみません)、僕がこれまでに診た中で最強・最悪の腸重積でした。
治療は困難を極め、何度も手術を行ないましたが、この子は無事に命をつなぎ止めました。
医者の腕が良かった、、、というより、この子の生命力が強かったのかもしれません。

13年ぶりに再会してみれば、赤ちゃんの時の面影なんてどこにも感じられません。
立派なお嬢さんです。

テレビを観て、僕のことを思い出して受診してくれたんだそうです。
こうして訪ねて来てくれて本当に嬉しく思います。

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