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映画を愉しむ2009年01月01日 20時53分10秒

せっかくの年末年始の連休ですからね。
DVDで映画を愉しんだりしています。
僕はこう見えても、かつてはバリバリの映画少年。
けっこう詳しいですぞ。

で、ここ数日観た映画の中である作品について悪口を。
それは、『ダイハード4.0』という映画です。

ダメなところがたくさんあって、なかなか書き切れないのですが、一番ダメなのが、CGです。
これはおそらく今のハリウッド映画にすべて共通してしまっているのでしょう。
とくにかくどんな激しいアクション・シーンが出てきても全然驚かない。
それどころか、ギャグに見えてしまう。
たとえばね、1968年に作られた『ブリット』という映画。
スティーブ・マックイーンですね。
あのサンフランシスコでのカーチェイスのシーンなんか、永遠不滅の迫力ですよ。
だって本当にやっているんですからね。

それが現代の映画ではCGが全部裏目に出ています。

誰か若い才能が出てこないと今の状況は変わらないのかな?
たとえば、スピルバーグは映画『ジョーズ』でただの張りぼて一つで歴史を変えたんですよ。

ブルース・ウィリスも1作目と比べてずいぶん老けましたね。
でも、それがあんまり良い老け方にみえません。
僕には役者として衰えたように見えてしまいます。

僕もそうならないように、精神は若くいたいものです。
何と言っても今年は「Change」の年。
Yes, we can! ですからね。
同じ丑年のオバマさんに張り合うつもりでがんばりましょう。

レインマン2009年01月02日 21時51分43秒

そのかわり、面白かった映画が『レインマン』です。
主演のダスティン・ホフマンの演技が圧倒的でしたね。

でもこの映画の何がすごいって、それは監督の演出力だと思います。
だって、ストーリーは、一言で言えば、「自閉症の兄との心の交流」でしょ?
それだけのテーマで2時間以上を見せ切るのは、やっぱり監督の力ですよね。
で、これを小説で読まされても絶対に面白くないと思いますよ。

つまり映画としてのできが良かったということです。
アカデミー賞主要4部門をとったことだけはあります。

拍手です。

野村進『救急精神病棟』2009年01月03日 18時49分52秒

野村進さんの『救急精神病棟』を読みました。

千葉の海浜幕張にある「千葉県精神科医療センター」を3年間にわたって取材したルポですね。

僕はこの病院に入ったことがありますよ。
患者ではなくて、医学生としてね。
今から20年以上前。
医学部の6年生の時ですね。
あの時は、学生の僕たちに対して、ここが24時間対応の救急精神科という説明は無かったような記憶が。
あったのかもしれませんが、僕は単に普通の精神病院として見学していました。

入院中の躁病の女性患者に大きな声で話しかけられたことを今でもよく憶えています。
まるで女優さんのように話していました。

さて、本書ですが、まずなんと言っても野村さんの筆力がすごい。
この人は本当に文章がうまいと思います。
才能なんでしょうね。
そういう意味では大変面白く読みました。

ただ、精神科医の言っていることが僕にはよく理解できない。
たぶん、普通の知的レベルの人にはよく分からないと思うのです。
ここが精神科の弱点かな?

僕は元々精神科医を目指して医学部に入学した部分があったのですが、やはり精神医学って難解なんですよね。
小児外科みたいに、生まれつきの奇形を手術で治してその後の80年の人生を作ってあげる・・・みたいな単純さが無いんですね。

ただ、本書によって精神医学の薬物療法や「無けいれん通電療法」が進歩したあたりはよく分かりました。
また統合失調症(昔で言う分裂病)が100人に1人の病気であると言うことも十分に強調されていて良かったと思いました。

僕たちだって心の中に闇みたいなものを持って生きていますよね。
もちろんノー天気に幸せって人もいるでしょうけど、悩みがあるから人間なんだと思いますし、ちょっとそれがショートしてしまえば、誰だって統合失調症や鬱病になるんだと僕は思っています。
僕だって、あなただって。

良書です。

放映時間が決まりました2009年01月04日 22時43分05秒

1月7日(水)の「ザ!世界仰天ニュース」ですが、僕が出演するコーナーの時刻が決まりました。

午後8時40分ころから開始。
ですから、8時30分にチャンネルを合わせておけば、まずOK。

そして、約30分のビデオに途中CMが2回。
スタジオでの様子も流れますから、合計でおよそ40分くらいだそうです。

すごいじゃないですか!?
まさにゴールデンタイムです。
再現VTRが終わってスタジオに行くときに、僕の本もばっちり紹介されることになっています。

僕のメッセージは「希望」です。
ぜひ、観てみてください。

http://www.ntv.co.jp/gyoten/yokoku/index.html

撮影にも気合いが入って2009年01月05日 22時39分37秒

撮影現場
明後日の1月7日(水)に放送がせまった「ザ!世界仰天ニュース」。
ディレクターはKさんと言いますが、Kさんのこの番組にかける気合いは相当なものです。

再現ドラマの一部はうちのクリニックで撮影したことは前にブログで書きました。
5〜6時間かけていたんじゃないでしょうか?

ところが、その出来栄えに満足できなくて、他の病院をロケ地に撮影のやり直しをしたそうです。
立派じゃないですか?
さすがにプロですよね。

どんな再現ドラマに仕上がっているか、これはワインでも飲みながら家族で見ましょう。
楽しみですね。
午後8時40分頃からです。

http://www.ntv.co.jp/gyoten/yokoku/index.html

7日(水)、放送2009年01月06日 20時30分24秒

7日(水)放送の「ザ!世界仰天ニュース」ですが、出演を決めるまで1ヵ月以上、悩みました。
やはりバラエティーなので、小児がんが「消費」されることが嫌だったからです。

しかし結局出演することにした理由は3つあります。

まず、彼らが制作した「アレックスとレモネードスタンド」という再現ドラマに感動したから。
よくできていて、僕は不覚にも泣きそうになりました。

http://www.ntv.co.jp/gyoten/oa/080409/07.html

http://nakeru.blog23.fc2.com/blog-entry-1710.html

そして次に、麻衣ちゃんの闘病は必ず同じ病気に人たちに勇気を与えられると思ったから。
僕の患者さんたちは、麻衣ちゃんを「希望の星」と言っているのですよ。

最後は、宣伝。
「小児外科」という医療分野の宣伝になるし、拙著「命のカレンダー」の宣伝になります。

ただ、スタジオで、たとえばお笑い芸人が笑いを取ろうとふざけたコメントを入れることだけは我慢なりません。
そこは、日テレさんにしっかり釘をさしておきました。
そうしたら、ちゃんと調整をつけてくれるとのことですから、そこは安心してお任せしましょう。

うちのチビちゃんは21時に就寝ですが、明日はちょっとオーバーしてテレビを観ましょう。
20時40分から、40分放映します。

放送されました2009年01月07日 22時42分49秒

第一位
「ザ!世界仰天ニュース」、観て頂いたでしょうか?
9月の「朝ズバッ」の時と違って、放映が終わった後から、色々な方からメールが届いています。
今回はドラマですから、ある意味、脚色も入っていますので、観ている人の感動はより大きかったと思います。

今、日本中で小児がんと闘病している10,000のご家族に勇気が与えられればとても嬉しいです。

また、同時に、麻衣ちゃんという僕にとって一人の患者に、このドラマが良い思い出になってくれれば嬉しいです。

拙著は一瞬、紹介されただけでしたが、そこはマスメディアのすごいところで、Amazonのランキングはあっという間に急上昇。
書籍全体の64位に。
「ノンフィクションの闘病記」や
「医学一般」というジャンルの中では共に1位になってしまいました。
これにはびっくりです。

友人からのメールで、このTVのせいで、クリニックが混むのでは? というお便りがありましたが、そんなことは絶対にあり得ません。
これは断言できます。
明日からも一人一人、ていねいに地味に診療するだけです。
「普通の町医者」として。

でも、もし、拙著「命のカレンダー」に興味を持ってくれる人が増えてくれるなら、とても嬉しいです。
麻衣ちゃんをふくめ、小児がんと闘った子どもたちのストーリーをぜひ、日本中の人たちに読んで欲しいと思います。

22.8%2009年01月08日 22時30分56秒

昨夜の放送からおよそ丸一日がたった「ザ!世界仰天ニュース」。
その反響はやはり大変なものがありました。

まず視聴率。
今日の夕方、日テレのKさんから連絡があって、番組4時間半の平均視聴率は、17.6%と。
そして最高視聴率を記録したのはやはり麻衣ちゃんのコーナーで、その視聴率は22.8%だったそうです。

今日のクリニックにお見えになった患者さんはわずかに62人(1月の最初は毎年空くんです)でしたが、1/3くらいの患者さんに「観ましたよ!先生」と声をかけられました。

このブログは毎日150人から200人くらいのアクセスがありますが、昨日は放送終了後にアクセス数が急上昇。夜24時の時点で、2106アクセスに到達しました。

ブログへのコメントは8件。
友人・知人からのメールは32通。
わざわざ悪口を言ってくる人はいませんので、みなさん、一様に「良かった! 感動した! 先生、昔、痩せてた!」と言ってくれました。
一生懸命、返信を書いていますが、まだ全員に書き切れません。

拙著「命のカレンダー」のAmazonのランキングも、今現在、239位と上位をキープ。
「ノンフィクション」の分野では4位。
「闘病記」では1位です。
ちなみに、奥田英朗さんの「オリンピックの身代金」も上回っています。

また全国の紀伊国屋書店で今日一日で、200冊以上が売れたそうです。

ある意味、怖いですよね。
これは日テレのKさんも言っていました。

しかしこれまでのところ、皆さんの反応は大変好意的。
なぜでしょう?
番組が成功した理由は「麻衣ちゃんの性格の良さ」にあると僕は思っています。
この子は明るくて前向きで、素直な子です。
麻衣ちゃんは闘病生活を振り返って、全然辛くなかったと明るく語ります。
この明るさが、今の彼女の幸せにつながっていると僕には思えるのです。

さて、これから「命のカレンダー」を手にするかもしれない人たちに一言コメント。
この本は、麻衣ちゃんを含めた11人の小児がんの物語りです。
麻衣ちゃんのことだけを書いた本ではありません。
その11人の結末はほとんどが悲しいものです。
でも、この子達は「可哀想な子」では無いんです。
それによって命の素晴らしさが輝くと僕は思っています。
ぜひ、読んでみてください。

ちょっとカッコ良過ぎた2009年01月09日 19時50分22秒

結局、昨夜は友人・知人から40通くらいのメールが来て、返信を書き終わったのは夜の1時過ぎでした。
ブログに寄せられたコメントには返信しきれませんでした。
申し訳ありません。

さて、どのメールも大変好意的で、みなさん感動したと言ってくれました。
しかし敢えてその中から、「僕」役の俳優さんについてコメントを。

まあ、誰がどう見てもこの役者さんは僕よりイケメンで長身でカッコいいのですが、少し違った意見もありました。
もちろん、これは笑い話として書いているので、日テレさんも俳優さんも笑って読んでください。

大阪母子保健センター小児外科の米田先生は、あれはカッコ良過ぎると。
もっと、大阪で言うところの「濃い」キャラの方が僕には合っていると指摘されました。
なるほど、僕も、まあ、そう思わないではありません。
そして、千葉県がんセンター研究局長の中川原先生からは、あの役は、僕が髭を剃って自分でやれば良かったと。
せ、先生、それって究極の自己再現ドラマですよね?
僕にはとてもできません。

みなさん、テレビをご覧になっていて「僕」役の俳優さんが常に「腕まくり」していたことに気付きましたか?
あれは僕の助言です。
よく医療ドラマを観ると、医者が白衣の袖をまくることなく診療をしています。
あれはNGです。
内科系の医者にはそういう人もいますが、外科系の医者で白衣の袖をまくっていなければ、それだけのその医者は二流です。
なぜって、不潔だからです。
僕が指導した千葉大小児外科の後輩は全員、ちゃんと袖をまくっていますよ。

そこで、リアル感を出すために俳優さんに袖をまくってもらった次第です。

クリニックはガラガラ2009年01月10日 20時12分17秒

何人かの友人から「ザ!世界仰天ニュース」の影響で、クリニックは混んでいるでしょう? と聞かれます。
まさか。
まったくそんなことはありません。
うちはファミレスじゃありませんから、子どもが元気ならば誰も来ませんよ。
1月、4月、8月は1年の中でもクリニックが最も暇。
今日もガラガラでした。

しかし、昨日、一人だけ、テレビを観て来院した患者さんがいました。
13歳の女の子です。

うちのクリニックは幼稚園以下の小さいお子さんばかりが来ますから、13歳はかなり珍しい。
で、その子の既往歴を見ると、「腸重積」と書いてあります。

その子の順番が来て、診察室に招いてどうぞと呼びかけると、お母さんとじっと視線が合いました。
・・・・
どっかで見た気が。
・・・・
カルテをもう一度見ると、「腸重積」の文字が気になります。

お母さんは開口一番、「先生! うちの子の腸重積を!」

思い出しました。
忘れようがありません。
あれは今から13年前、僕が千葉県こども病院で勤務していた時。

生後4ヵ月の赤ちゃんが真夜中に発熱と血便で、こども病院へ搬送されたんです。
それを診たベテランの小児科の先生は、「腸炎」ではなくて「腸重積」を疑ったんですね。
そこで、小児外科の研修医が呼ばれました。
超音波検査をしても「腸重積」ははっきりしません。
では、何の病気だろうということで、今度は僕が呼ばれたんです。

僕はその生後4ヵ月の赤ちゃんを一目診て、言いました。
「あ、診断なんてどうでもいいから、ICUに入れて挿管!」
赤ちゃんはすぐさまICUで人工呼吸管理。
もう数時間遅れていたら、この子の命は持っていかれていたかもしれません。

この子の腸重積は、重積腸管がS状結腸までもぐっているという(専門的な話ですみません)、僕がこれまでに診た中で最強・最悪の腸重積でした。
治療は困難を極め、何度も手術を行ないましたが、この子は無事に命をつなぎ止めました。
医者の腕が良かった、、、というより、この子の生命力が強かったのかもしれません。

13年ぶりに再会してみれば、赤ちゃんの時の面影なんてどこにも感じられません。
立派なお嬢さんです。

テレビを観て、僕のことを思い出して受診してくれたんだそうです。
こうして訪ねて来てくれて本当に嬉しく思います。