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朝が来る(辻村 深月)2023年04月29日 20時26分48秒

朝が来る
珍しく小説を読みました。
一気読みです。
面白いから・・・というよりも筆運びがうまいから一気に読んだという感じです。
やっぱり小説家は文章がうまいとつくづく感じます。
え? そんなことは当たり前?
当たり前かもしれませんが、ノンフィクションとか実用本のジャンルでは、もうちょっと文章をどうにかしてほしいという本がたくさんあります。
そういう意味でいうと、小説家の文章は本当のプロの文章だと思います。

ぼくは小説をあまり読みませんので、あまり偉そうに書評を書くことはできません。
ですが少しだけ触れておきます。
本の解説で映画監督の河瀬直美さんが、二つの良い点をあげていました。
一つは、途中に子どもの視点の章が入ること。
もう一つは、ラストのシーンにリアリティがあること。

ぼくはこの二つに関して意見が180度反対です。
視点をどうするかという問題は、小説でもノンフィクションでも大変難しい問題です。
6歳の子の視点で語るというのは、かなり無理があると思います。
ラストはある種のファンタジーで、絵にはなっていなくて文学になっています。
ノンフィクションを書いてきたぼくの立場からすると、このシーンにリアリティを感じるのは厳しいです。
なぜ二人が出会えたのか・・・そんな偶然はありえないと思います。

だからといって、ラストシーンが悪かったという意味ではありません。
これぞ小説というエンディングだと思います。
ノンフィクションではちょっとあり得ない、、、良い意味であり得ないと思います。

やっぱりノンフィクションばっかり読んでいたらダメですね。
文章が上手くならない。
本作を読んで本当にそう感じました。
またときどき読んでみようかな。