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産まなくても、育てられます 不妊治療を超えて、特別養子縁組へ(後藤 絵里)2023年04月26日 22時43分16秒

産まなくても、育てられます 不妊治療を超えて、特別養子縁組へ
かなり前に読んだ本ですが、再度勉強したくなって読み直してみました。
2016年の本ですが、内容は古くなっていないと思います。
変更点は、特別養子縁組に迎えられる子どもが、2020年から15歳未満に引き上げられたことくらいでしょうか。

民間の養子縁組の事業所って、2022年の時点で全国にわずか23施設なんですよね。
国などからの支援はなく、団体は外部から寄付を募ったり、養親から実費を受け取ったりしているそうです。
慈善事業といってもいいのではないでしょうか。

特別養子縁組というと、どうしても不妊治療とセットで語られることが多いのですが、この制度は、子どもが欲しい親が子どもを探すものではありません。つまり選ぶことはできません。
実の親が育てられない子どもがいて、その子どもが親を探すための制度です。

児相と民間の団体と2つのルートがありますが、民間の場合、産婦人科が関わっていることも多く、望まない妊娠に母親が悩んでいる場合に特別養子縁組を斡旋する例が多いようです。
児相の場合、乳児院(0〜2歳)の子や、児童養護施設にいる年長の子が養子の対象になりますが、民間の場合、新生児であることが多くなります。

日本では欧米のように特別養子縁組はまだまだ多くはありません。
でもぼくは、血が繋がるとかDNAが繋がるということに、あまり意味を見出していません。
やはり、育ての親が実の親だと思っています。
不妊治療を否定する気は全然ありませんが、不妊治療にのめり込むと全体の状況が見えなくなるとも言います。
家族の形は多様です。いろいろな家族があります。
うちのクリニックにも新生児を委託された養親が受診することがあります。
慈しむように赤ちゃんを抱っこする母の姿は、ほかの母子と何ら変わりません。
そういう母子の姿を見ると、なにかこう応援したくなります。何もできないのですが。

『発達障害に生まれて』で書きましたが、
人は育てる中で親になります。
特別養子縁組とはそういうものだと思うのです。