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うやむやにできない放送法解釈2023年04月02日 20時16分26秒

放送法の政治的公平性に関する解釈変更に関して、国会で議論が深まっていません。
なぜでしょうか?
理由は2つあります。1つは岸田首相が無責任にも総務省に対応を丸投げしていることです。もう1つは、高市早苗さんが行政文書を捏造だと言い切ったからです。

彼女はいったんは捏造という言葉は強すぎたと引っ込めましたが、また捏造という言葉を使うようになりました。
行政文書には(高市)大臣に対してレクチャーを行った内容が書かれていますが、そういうレクはなかったと無理な主張をしています。

官僚の作る行政文書は、行政に関する国の歴史ですから、それが捏造であれば、日本は国家として機能していないことになります。
そんな主張を信じる国民はほとんどいないでしょう。
そして何より、官邸が総務省にメチャクチャな圧力をかけて、当時大臣だった高市さんがそれに乗っかって電波停止などの国会答弁を実際にやっているわけです。
そのシナリオがどこにあったのかと言えば、それは行政文書にすべて書かれています。

ときの政権が放送・報道に圧力をかけるなんてあってはならないことです。
まるで、ロシアや中国じゃないですか。
日本も同じようなことをずっとやってきたわけです。
今回、国会でこの問題が取り上げられて、議論が進まなかったとき、ぼくが一番驚いたことは、各放送局の報道部が他人事のように傍観していたことです。
呆れるじゃないですか。

権力を監視しない報道なんて、ジャーナリズムとは言えません。たんなる情報産業です。
それで構わないと思っているんでしょうか。
新聞はそれでもこの問題をうやむやにしないように論説を出しています。
しかしちょっと納得いかないのは、今日の朝日新聞の社説です。

高市さんを批判したあとで、返す刀で行政文書を公開した小西洋之参院議員を批判しています。
こっちは憲法審査会をめぐるオフレコの失言から始まったフジテレビに対する報道批判です。
これはいくら何でもテーマが別でしょう。
これが政治的公平性というやつなんでしょうか。

小西さんは野党の議員で高市さんのようには権力を持っていません。
放送に対する介入なんて言葉はまったく筋違いです。
フジサンケイグループは、民主党が政権を取ったときに「われわれが下野する」と述べたように、誰がどうみても自民党の側に立った政治的公平性のない情報産業です。
それを批判して一体何が悪いんでしょうか。
朝日新聞はよく反省してほしいと思います。