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ある行旅死亡人の物語 (武田 惇志, 伊藤 亜衣)2023年02月26日 17時20分09秒

ある行旅死亡人の物語
行旅死亡人という言葉を知っていますか?
これは身元不明で亡くなった人のことをいいます。
孤独死という言葉が広く使われるようになっている現代において、行旅死亡人は毎年数百人います。
この本も、官報に載った一人の女性、行旅死亡人を新聞記者が目に止めたことが発端でした。
彼女はいったい何者なのか?
2人の記者が半年をかけて彼女の身元を突き止め、その人生をあぶり出していきます。

これはちょっと稀有なノンフィクションです。
謎を解くという面と、新聞記者の執念みたいなものと、両方が描かれています。
ネタバレで結論を言うと、彼女の身元は明らかになり、親戚関係もはっきりします。
ところが、彼女がどういう人生を歩み、なぜ亡くなった時に3400万円もの現金を持っていたのかは明らかにできませんでした。

彼女はそっとしておいてほしかったのか、それともちゃんとした墓地に埋葬してほしかったのか・・・それは誰にも分かりません。
しかし2人の記者の執念によって、彼女の生きてきた道のりに意味づけがされたことは、よかったと思います。ぼくの感想は、お節介かもしれないけど。

なかなか読めない傑作でした。
ノンフィクションとしてそうとうレベルが高いと思います。みなさんもぜひ、読んでみてください。おススメです。

異次元金融緩和を続けるのか?2023年02月26日 21時01分24秒

新しい日銀総裁候補・植田和夫さんが所信を表明しました。
当面は現在の金融緩和を続けるそうです。
ま、やめるなんていったら総裁になれませんから、それは当然でしょう。
しかし、現在の金融政策がこのまま続くなんていうことはありません。
金融緩和によるデフレからの脱却は完全に失敗しました。
大企業は大儲けですが、一般の人々は給料も増えず、ほとんど何の恩恵も受けていません。

自民党政治家や日銀は「道半ば」と言っていますが、永久に「道半ば」じゃないですか?
こういうのを「雨乞い理論」って言うんです。
雨乞いしているのに、雨が降らない。それは祈りが不十分だから、もっと一生懸命雨乞いすれば、いつか雨は降る。
これが「雨乞い理論」です。

黒田総裁は選挙で選ばれたわけでもないのに、いったい何の権限があって、硬直した金融政策に拘泥し続けたのでしょうか?
もうこれはメンツだけとしか言いようがありません。
絶対に自分の非を認めない。どこかの政党と同じです。

欧米は金利を上げたため、円を売ってドルを買う動きになり、超円安になりました。
結果、輸入にお金がかかり物価が大きく上昇しました。
日銀が、日本国民を苦しめてどうするんでしょうか?

植田和男さんは、学者だそうです。
学者であれば、メンツにこだわらず科学的な金融政策をお願いしたいものです。
たぶん、出口を探るのではないでしょうか?

しかしそれにしてもタチが悪いのは、自民党の中のある派閥です。
絶対に失政を認めたくないから、今後も金融緩和の継続に圧力をかけてくるでしょう。
日本国民の民意と乖離した政策が、一つの派閥のプレッシャーで行われている状況は、本当に許しがたいことだと強く感じます。