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鯨人 (集英社新書) 石川 梵2011年06月25日 19時19分01秒

鯨人 (集英社新書) 石川 梵
鯨を銛でついて捕鯨を行うインドネシアのある島のドキュメントです。

大変興味を持って期待しつつ読みましたが、読了するのに案外時間がかかってしまいました。
筆者の本業はプロのカメラマンだそうです。
ですから、この時に撮影した写真集も存在し、その作品は非常に高く評価されているようです。

そうなると、本書は何のために書かれたのかと思ってしまいます。
そして実際に、ルポルタージュとしての焦点が若干フラフラしていたようにも感じます。
また、作品の舞台が13年前というのも、ちょっとルポとしてどうなのかと。
こういったルポを読むと、つい本多勝一さんの「秘境三部作」と比べてしまいます。
そうなると、どうしても評価が辛く・・・・。

集英社の雑誌「Kotoba」に、石川さんの写真が掲載されていましたが、あの「画」は本当に良かったと感動しました。
その写真を見て過剰に期待してしまったのかも知れませんね。

良書であることには間違いありませんが、ご自身の傑作写真集の舞台裏を13年経過してから発表しているようで、そこはノンフィクションという分野自体が軽く見られているような気がします。

追記)石川さんの写真集「海人」は現在、入手困難なようです。
ヤフーオークションを見たら、14500円の値段が付いています。
ほ、欲しい。