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人生は、背中を向けると、逃げざるを得ない2011年06月21日 20時56分09秒

今日は診療をやっていて、ちょっと考え込んでしまいました。

すべて千葉大小児外科に関連する患者さんに関することです。

最初の患者さんは・・・・・話が長くややこしいので、割愛。

次の患者さんは、小児がんを克服した子ども。
拙著「命のダイアリー」にも書きましたが、お腹の傷や、もろもろの後遺症を、からかう同級生がいる。
いや、からかっているのではなく、単に「それ何?」と興味本位で聞いているのかもしれません。
しかしこういうことは、周囲に伝染し、集団のいじめに発展しないとも限りません。

がんを克服した子どもは、「選ばれし人間」なのですから、おおいにそれを自慢して欲しい。
傷を、恥ずかしいものだと思って、背中を向けて隠そうとすると、暴こうとする人間はかさにかかって迫ってきます。
そうすると、逃げざるを得なくなります。

人生は、逃げるか、闘うか、どちらかしかないのです。
口の軽い軽率な人間、何でも思ったことを口にしてしまい、人を傷つける人間。
こういう人間は、子どもにも大人にもいます。

社会の中で生きていくと、そういう人間に時々出会います。
ぼくは、逃げるか、闘うかと聞かれれば、闘う人間ですから、妥協はしないことにしています。

最後の患者さんは、現代の医療でも治せないお子さん。
自宅で酸素を使って6歳まで元気でした。
この4月からは、特別支援学校に行くことも決まっており、本人はそれをとても楽しみにしていたそうです。
それが3月に急変して、急逝。
あまりにも悲しすぎて涙も出ません。
お母様からは、大学時代にはお世話になりましたと、頭を下げられましたが、いや、ぼくなどは何も出来ませんでした。
魂が安らかに天国に昇っていくことを、それだけを祈っています。