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アリス・ミラーを翻訳した人 山下公子さん2011年06月02日 22時08分52秒

才能ある子のドラマ
アリス・ミラーは、人間社会の暴力の根源性を、幼児期に加えられた暴力にあると分析した高名は心理学者です。
数多くの著作があり、「才能ある子のドラマ」もそのうちの一つです。
この本は古典と言ってもいいし、児童心理学を学ぶ上では必須の本と言ってもいいし、それくらい世界中で読まれています。

ぼくの職業と直接は交わらないけど、若干関係はあるので、いずれ読もうとは思っていました。
内容については、専門家がいろいろと論評していますから、ぼくが何かを言わなくても良いでしょう。

実は今回、この本を購入しようと思い立ったのは、本の翻訳者の方に関心があったからです。
山下公子さん。
アリス・ミラーの本を数多く翻訳しています。
山下さんは、本名を村上公子さんと言います。
そう、ぼくが千葉大学で一般教養課程にいた時、ドイツ語を教えてくれた先生なのです。

ご主人は、科学史で高名な村上陽一郎さん。
この方の本も、ぼくは学生時代に何冊か読みました。
そして村上公子先生は、当時、千葉大の非常勤講師でした。
大変美しい女性で、年齢はぼくら学生とそんなに変わらなかったと思います。
村上先生は無駄話は一切せずに、てきぱきと授業を進めるスタイルでした。
そしてそれが大変分かりやすく、ぼくはメキメキとドイツ語の力を伸ばしていきました。
今でもぼくの本棚には当時使ったドイツ語の教科書があり、細かい字でみっちりとぼくの書き込みがあります。
この教科書を捨てずに今でも持っているのは、村上先生に対する感謝の念が今でもあるからです。

30年前にドイツ語を教えてくれた先生。
一体、村上先生は今どうしているのだろうと、ネットで検索してみると、現在は早稲田大学の教授をしておられ、そしてアリス・ミラーの翻訳を手がけていることを知った訳です。

当然のことながら、村上先生はぼくのことなど、まったく憶えていないと思いますが、ぼくからすると、本当に忘れがたい恩師です。
この教科書は、ぼくが大学院へ進学する時にも、スイスの国際会議に行く際にも再読して勉強したものです。
間違いなく、死ぬまで捨てない1冊でしょう。