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「運命の子 トリソミー」増刷!2018年07月05日 23時21分34秒

2013年12月に出版された「運命の子 トリソミー」が、いま、このタイミングで3刷りになりました。
何かきっかけがあった訳ではなく、どういう理由で増刷になったのか不明です。
ただ、この本は、今でも反響が少なからずあり、今年の1月にはNHKラジオ深夜便に出演するきっかになりましたし、明日もある出版社からインタビューを受ける予定です。
決してベストセラーではありませんが、長く、細々と、そしてささやかな反響を呼んでいくという売れ方は、著者にとっては本当に幸せです。

ノンフィクション冬の時代と言いますが、本当にそう思います。実はこの本も、講談社から出したかったのですが、当時、講談社はノンフィクションから撤退することを決めてしまった時期でした。
講談社の編集者が、損得抜きで、この本に対してたくさんのアドバイスをしてくれて、ノンフィクションの賞に応募することまで提案してくれました。

幸い、本書は小学館ノンフィクション大賞を受賞。
原稿を応募した段階で作品としてはほぼ100%完成していましたので、小学館の編集者は、一切何も足さず、何も引きませんでした。つまり、講談社の編集者が無償でこの本の編集をしてくれた訳です。ちょっと稀な本の誕生のしかただったのです。

ノンフィクションは大して売れませんが、読者の心を動かすことが可能です。
その人の人生を変えてしまうことだって可能です。そこが、フィクションとの違いではないでしょうか?
13 / 18トリソミーに対して偏見を持っている医者はまだまだたくさんいます。この本はそういう状況に対して一石を投じるものです。
しかしそんなものは、太平洋に向かって小石を投げるようなもので、大勢に何の影響もないかもしれません。
しかしながら、雨垂れ岩をも穿つと言います。
世界を変えることをできると信じる人間のみが、世界を本当に変えると言います。
ぼくのやっていることなど蟷螂の斧に過ぎませんが、自分のできることを一生懸命やり続けたいと思います。
明日の Abema TV も、たった一人で良いですから、視聴者の心に波紋を投げかけることができれば本望です。

「運命の子 トリソミー」。ぼくは良い本だと思っています。生命について関心のある人は、ぜひ、読んでみてください。