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うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 (先崎 学)2018年07月27日 22時35分32秒

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
プロ棋士のうつ病闘病記です。
あまりの面白さに一気に読みました。
面白いというのは、愉快という意味ではありません。興味深くて引きつけられてしまうのです。
ぼくは将棋についてまったく素人ですので、先崎さんという名前も知りません。
もし将棋ファンの読者が読んだらもっと面白かったでしょう。

うつ病の闘病記はたくさんあります。しかし大半は、ここまで重いうつ病の世界を描いたものではありません。
うつ病と言うと、気分が沈む病気と思っていましたが、脳の思考回路も切れてしまうんですね。
プロ九段の先崎さんが、7手詰めの詰め将棋が出来なくなってしまう場面は、実に象徴的で、うつ病の何たるかを見事に表現していたと思います。

この本には実はものすごい特徴があって、章立てが無いんですよね。
つまり目次がない。前書きも後書きもない。
最初から最後まで一つの文章で成り立っているのです。
ぼくにはこんな本を読んだ経験はありません。
なぜこういう本が書けるのか実に不思議です。うつ病と関係あるのでしょうか?
それとも普段からこういう本を書く人なんでしょうか?

ぼくは本を書く時に目次をまず作ります。次に小見出しを考えます。
すると書くべき文章が頭の中に思い浮かぶので、頭の中で文章を完成させてしまいます。あとはタイプするだけです。こういう一つながりの文章は絶対に書けませんね。

現在、大ベストセラー中です。文句なしにオススメです。