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『夏から夏へ』佐藤多佳子2008年09月07日 21時51分44秒

佐藤多佳子さんの『夏から夏へ』を買って読みました。
2007年に大阪で開催された世界陸上の、男子100m×4のリレーを描いたノンフィクションです。

本の前半は、アジア新記録を出したレースのドキュメント、後半は各選手へのインタビューなどで構成されています。

まあ、本としては面白かったのですが、題材がちょっと弱かった気が。
確かにレースはアジア新記録かもしれませんが、勝負としては5着だった訳ですから、、、。

後半の各選手の描写は、ちょと陸上競技に興味の無い人には面白くないかもしれません。
なぜならば、一人一人が「普通の」人だからです。
これが『凍』に出てくる山野井夫婦のように、「普通でない」人だったら、登山に興味の無い読者だって引き込まれて読んでしまいます。
そういう意味では僕が読むような本ではなかったのかもしれません。

出版のタイミングもどうだったのでしょうか?
北京オリンピックの直前ですよね?
北京オリンピックまでを取材する「勇気」が、著者にも編集部にも無かったのかな?
銅メダルという結果が本に入っていたら、また、全然別の本になっていたかもしれないですね。

陸上競技が好きな人には、ぜひどうぞ。

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