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泣くな、我が子よ2013年06月17日 21時57分27秒

第二子が生まれた時、ぼくは解離性脳動脈瘤でひっくり返っていた。
だから出産には立ち会えず、産院から退院してきた我が子とようやく対面したという感じだった。

長女が生まれた時はぼくも若かった。だけど、お前が生まれた時、ぼくは40歳だった。
最初に考えたことは「お前が二十歳になる時、オレは還暦か」ということだった。

ぼくは50歳を越え、我が子は10歳を越えた。
小学校の低学年まではよく一緒に遊んだものだが、ある日を境に急に遊ばなくなった。
母親には今でもべったりだけど、基本的には一人で本を読んでいるのが好きな子。
それも個室にこもって、部屋を暗くして、毛布にくるまって。
身長も体重もクラスで一番大きい。
そんな個性的な子。

ぼくはうまく説明できないのだけれど、この子には不思議な人間的な魅力を感じる。
可能性と言ってもいいかもしれない。
ぼくがこれまでの人生で思いもつかなかったこと、まったくやろうともしなかったこと。
そういうことをやってしまうような力が潜んでいるような気がする。
人として可愛い。こんな魅力的な子どもがよくぞ、ぼくたち夫婦から生まれてくれたものだと嬉しくなってしまう。

そんな子が昨日泣いた。
塾のテストで、思うような点数を出せなかったからだ。
悔しくて泣いたのだろう。
中学受験まで、まだまだ時間はあるよ。
いや、中学受験をしなくたっていい。
ぼくのように地元の中学・高校に進む道だってある。
学問は一生続くから、ある意味、大学だってどこでもいいのだよ。

我が子に泣かれると親は辛い。
どうもこの心理は、祖父と孫の関係に近いのかも知れないな。
ま、歳が離れているのだから仕方ないじゃないか。
悲しい時は母親に甘えてくれ。
ぼくは遠くから見ているよ。
泣くな、我が子よ。ぼくまで泣けてくる。
親子で泣いていたら、ちと、かっこわるい。