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コンビニオーナーぎりぎり日記(仁科 充乃)2023年09月23日 19時17分36秒

ベストセラーの「職業〜〜日記」シリーズです。
今回はコンビニ。
大変楽しく読みました。
しかし大変なお仕事ですね。これでは、経営するより、コンビニでバイトする方が儲かるのでは?
その過酷な勤務は、会社員であれば明らかな労働基準法違反だし、過労死しても不思議のない働き方です。

大資本がいかに庶民から搾取しているか大変よく分かります。
ま、しかし生きていくって本当に大変なことです。
この世には資格があれば、それを活かして生きていく方法がありますが、そういうものがないと本当にしんどいですね。

この本にはおもしろいエピソードがたくさん出てきますが、ぼくにとって本当に興味深く読めたのは、名もない庶民が懸命に生きる、その姿でした。
プロレタリア文学じゃないでしょうか?

読んでいて胸が痛かったのは、カスタマー・ハラスメント。
要はクレーマーですね。
客の中にある「お客様は神様」の心理です。
これは経営者にはしんどいですよね。とてもよく分かる。
うちのクリニックには年間に延べ16,000人くらい患者さんが来ますが、中に数人、開業医を見下す人がいます。
ぼくが大学病院に働いていたときには絶対に経験しなかったことです。
ぼくは、「医者だから敬え」とは言いません。還暦を超えているんだから、少しは敬ってほしいと思います。

さて、この本は筆者が自分で書いたのでしょうか?(そういうことは普通はない)
大変文章がうまいと思いました。
あとがきの、ご両親の話もしみじみとした思いで読みました。
本を書くという夢が叶って良かったですね。

ぼくもまれにコンビニに行きます。次回はもっと丁寧に、商品を受け取ったら「ありがとうございます」と頭を下げようと思います。
(念のために言っておくと、本屋でも何んの店でも、ぼくは買い物をすると、ありがとうございますと礼を言います)

いい本でした。おススメします。