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「道程:オリヴァー・サックス自伝」 オリヴァー・ サックス, 大田 直子 (翻訳)2016年01月17日 16時06分38秒

道程:オリヴァー・サックス自伝
400ページを超える長編でしたがあっと言う間に読んでしまいました。
彼は神経内科医であり、エッセイ作家です。
ロバート・デ・ニーロ主演で映画化された「レナードの朝」で有名ですが、面白い作品はほかにも多数あります。

先日、彼は82歳で亡くなりました。その直前に自伝を残していたのですね。

この自伝には(当然と言えば当然ですが)私たち読者が知らないことがたくさん含まれています。
彼がバイク乗りのスピード狂だとか、ウエイトリフターであるとか、そしてゲイであるとか。
また彼は「過剰」な人であると同時に、内気で孤独がちな人でもあったのです。
しかし、こういった特性・個性はどんな人にも見られるでしょう。
オリヴァー・サックスが特異だったのは、書くことへの偏執的な愛着です。
これはやはり才能と言うべきでしょうね。
ぼくみたいな凡人にはとても真似できません。

先日、日本で「知の巨人」と謳われたノンフィクション作家が、「死」に関する本を出版しました。
ところがその本は、内容に乏しく、新しいことには触れておらず、分量もわずかで、ぼくはびっくりしました。
「知の巨人」と言われた人でも75歳になるとこういう本しかつくれなくなってしまうのかと悲しくなったのでした。
一方の、オリヴァー・サックスの自伝は彼が80歳を過ぎてからの作品です。
まるであぶらがのりきった作家のように、書き上げています。

人間には「書きたい」とか「表現したい」という欲があります。
そういう欲を高次元で実現していて、ぼくは勇気をもらったように感じました。
ぼくは名も無き市井の人ですから、ぼくが自伝を書いてもどの出版社も相手にしてくれません。
でも、65歳くらいになったら、ぜひ自伝を書いて「オンデマンド」の発売で自費出版したいと考えることにしました。

ぼくが2007年に本を書き始めたとき、ぼくの友人は「日本のオリヴァー・サックスを目指せ!」と元気づけてくれました。
天才と凡人の差は埋めようがありませんが、ぼくももう少し著述活動は続けていくつもりです。
オリヴァー・サックス氏のご冥福をお祈り致します。

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