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日本辺境論(内田 樹)2020年05月05日 14時36分59秒

日本辺境論
大型連休は読書三昧と思っていましたが、Amazonの物流が滞っているらしく、注文した本がすぐには届きません。
そこで書棚をぐるりと見渡して本書を再読しました。
2009年に書かれた本ですから、もう11年前になります。
当時はすらすら内容が頭に入ってきたのですが、今はもたもたしながら読みました。
老眼のせいもあるでしょうが、やはり頭が老化したせいでしょう。
しかしそんなことを言っても、内田先生がこの本を書いたときは59歳。
現在の僕とほぼ似たような年齢です。
いや、僕はダメ人間だな。
もともと僕は大して才能のある医者ではなかった。でも努力だけは惜しまずやってきたし、サイエンスに関してもすごい閃きは無かったものの、朝から晩まで考え続ける集中力・持続力はありました。
人生いよいよ黄昏期に入って、ここでもう一回ネジを巻き直し、Stating Over してみたいなという気持ちが湧いてきました。
死ぬまで努力を続けること、いや、続けようと頑張ることが僕の人生の目標ですし、また、それがわが子に対する親としてありたい姿と思っています。

ちょっとがんばってみようかな。

核大国ニッポン(堤 未果)2020年05月05日 23時07分23秒

核大国ニッポン
堤 未果さんの作品の魅力は、驚異的な取材力とその独特な(良い意味です)文体にあります。
アメリカという国家を描いたり、核問題を描いたりする際に、個人へのインタビューをもとに全体像を帰納していくという手法は決して簡単ではありません。
堤さんのセンスと努力のたまものでしょう。
そして文体に関して言うと、女性ジャーナリストやノンフィクション作家さんは、けっこうこうしたクールで贅肉をスパスパ切り落とした文章を書くんですよね。
男の方が書きすぎるような気がします。

さて、日本と核の問題はこんがらがった糸のようなもので、どこに出口を求めればいいのか分かりません。
いや、それは日本だけじゃないかもしれませんね。
いろいろなことが矛盾の構造を抱えていて正義はどこにあるかよく見えません。
私見を述べていくと、本書を上書きするようなことになってしまいますので、詳しくは書きませんが、僕が思う最大の欺瞞はオバマ前大統領のプラハ演説とノーベル賞受賞だと思います。
ま、違う意見もあるでしょう。

アメリカとロシアで合わせてどれだけの核兵器を持っているのか知りませんが、どれだけ巨大な軍事力が地球上にあっても、たった一人の感染から始まったウイルスの世界的蔓延が国力を麻痺させてしまうというのは本当に皮肉だと思うし、軍拡競争の愚かさを証明していると思います。
世界のリーダーたちはそのことを十分理解していると思いますが、もはや舞台から下りられないというのが実際にところでしょう。