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不死身のひと 脳梗塞、がん、心臓病から15回生還した男 (講談社+α新書) 村串 栄一2017年07月23日 16時09分05秒

不死身のひと
脳梗塞を患ったことをメインに書いておられますが、それよりもインパクトが強いのは、舌〜咽頭〜食道〜胃にくり返し癌が発生して治療していることです。
原因は明らかにお酒とタバコ。
ダメですよ、やめないと。

それにしても、くり返す癌に対して筆者は「うんざり」した気持ちを綴っていますが、本当はもっともっと苦しみ悩んだのではないでしょうか?
最初の癌のあとで、自分の余命は2年と表明している箇所がありましたが、生と死に関してどういうふうに思いを突き詰めていったのか、それがもう少し知りたいと思いました。

ぼくは40歳の時に解離性脳動脈瘤に倒れました。あの時は確かに死を意識したものの、どこかで死なないとも思っていました。
生きることの意味を究極まで追求したとか、死ぬことの絶望感を心底感じた訳ではありません。
しかし歳をとっていくと色々と考える。
それはなぜでしょうか? 
理由はいろいろとあると思います。一つは、自分の子どもが成長して、自立(就職・結婚)が見えてきたからでしょう。
だけど、実際に自立できるかどうかは分からない。
小学生を育てるよりも、自立を目前に控えて子どもを育てる方が、親の肩にのしかかる負担は大きいと思います。

闘病記がなぜ面白かというと、病という非常にプライベートなことを描いていても、死生観とか幸福観といった普遍的なことが論じられることが多いからです。

不死身のひと、いつまでもお元気に。
しかし不死身の人は存在しません。秦の始皇帝も聖路加国際病院の日野原先生もお亡くなりになりました。
人生をどうやって終わりにするか、これはすべての人の課題です。