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「ボッコちゃん」 (新潮文庫) 星 新一2011年09月03日 21時01分11秒

次女に読ませようかと思って、「ボッコちゃん」を買い求めました。
まずは自分で読んでみたのですが、もう一つ面白いとは言い切れない。
その理由の一つは「オチ」を知っているからでしょう。
だけどそれだけではないような気もする。

星 新一の作品が「文学」なのか否かは文壇で常に議論されてきたことです。
ぼく自身は「SF」というジャンルは立派な「文学」と思っているし、SFの日本の草分けである星新一さんは真に偉大な作家だと思う。

だけど手塚治虫さんの漫画を文学と言わないように、星さんの作品もちょっと違うかなと。
誤解のないように言っておきますが、「文学」が偉いなんてことは微塵も思っていません。
あくまでジャンルの定義の問題です。

「ショートショート」は「ショートショート」だし、「本格ミステリ」は「本格ミステリ」です。
文学ってやはり、単語一つひとつにそれがそれである理由が込められていると思うのです。

ま、「賞」なんて所詮「ショー」と本多勝一さんは言いましたが、星新一さんの作品はやはり「直木賞」のジャンルとはちょっと違うのでしょう。
ある人が、「アンデルセンやグリムだってノーベル文学賞を取れなかった、星新一もそれと同じだ」と言いましたが、そういった評価の仕方が一番的を射ているのだと思います。