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歳を取ると許せない2009年10月15日 21時11分20秒

先日、大学の同級生と話をしていたら、あと1回、暦が回ってくれば還暦だという話になりました。
うーん、そうですか。
12年なんてあっと言う間ですから、僕の人生も完全に後半戦。
いえ、晩秋の黄昏ですかね。

歳を取ったと実感するのはやはり体調が常に悪いこと。
目も見えないし、体のあちこちが痛い。
つい数年前まではテレビでイチローの「レーザービーム」を見ると、凄いなあと感嘆しましたが、最近では見ると何だか自分の肩が痛くなってしまいます。

体調以上に老化したのは、精神面です。
若い頃には「許せた」ことが、歳を取ると「許せなく」なるんです。
人生の残り時間が少なくなったからでしょうか?

クリニックを経営していて、腹が立つことは殆どありません。
しかしプライベートでの他者との付き合いとか、過去の人間関係とか。
昔、上の人間にこういうことを言われたとか、下の人間からこういうことを言われたとか。
大学の時にあんなことがあったとか、高校・中学でどうだったとか。

老人は怒りっぽいと言いますが、今の僕はそうなりつつあるのかも知れません。

しかしこういった喜怒哀楽が薄れてしまうと、「人間力」まで衰えてしまうと思うのです。
許せない時は、大いに怒って、人間としての力を損なわないように生きていきましょう。

でも好々爺2009年10月16日 19時21分36秒

歳をとって怒りっぽくなるのと同時に、好々爺にもなります。
人に対する感謝の念が深くなってくるのです。
これも人生の残り時間が少ないからでしょうか?

あの時、恩師の先生にこんなことをしてもらったとか、後輩のだれそれに優しくしてもらったとか。
長年の友の友情に感謝するとか、仕事での付きあいの知人を恩義を感じるとか。

そういった様々な出来事を、感謝の念と共に思い起こすことが増えているように思えます。

一番感謝しなくてはいけないのは、うちのクリニックに来てくれる患者さんでしょう。
僕の体調が悪くて、だらしない姿勢で診療をしていても、嫌な顔も見せずに診療を受けていく患者さんの姿を見ると、短い時間でもきちんとした診療をしようという気持ちが改めて湧いてきます。

人に対する感謝の気持ちを失ったら、人間、終わりですよね。
僕は買い物をして代金を払う時に、必ずお礼を言います。
代金は品物に対する対価。
お礼は、店員さんのサービスに対する感謝の気持ちです。

子どもには関係ない、肺炎球菌ワクチン2009年10月18日 21時48分39秒

肺炎球菌ワクチンを接種すれば、肺炎にならない、、、、ま、大雑把に言うとそんな記事が新聞やネット上に散見されると思います。

細かい話をすると却って分かりにくくなると思うので、ポイントだけ単純に言うと、「肺炎球菌ワクチンは子どもにはまったく効果はありません!」
あれは、ご老人の話です。

こういう情報をちらっと耳にして、クリニックに電話をかけてくる人がいますが、「肺炎球菌ワクチン」の話は子どもには関係無いと憶えてくださいね。

新型インフルエンザワクチンの最新情報も、現時点ではまったく何もありません。
分かり次第、ホームページやブログで告知します。

何度も書きますが、新型インフルエンザワクチンは、「感染を防ぐ」ためではなく、「重症化を防ぐ」ものです。
重症化が危惧される妊婦さんや基礎疾患のある人が優先的に接種されるのは、あったり前の話です。
インフルエンザの治療にあたる「小児科医」や「内科医」が優先的に接種されるのも当たり前の話。

インフルエンザの治療に関係ない医者が、自分にも接種せよと主張するのは、倫理的に間違っていると思います。

たじろぐ・・・・行列のクリニック2009年10月19日 21時08分08秒

今朝、クリニックに到着してみると、かなりの人数の方が並んでいました。
先週の金曜日、土曜日が比較的空いていたので、今日もあまり混まないだろうと、実を言うと、ま、高を括っていたのです。

診療を開始してみると、あっという間にカルテが山となり、その勢いに正直たじろぎました。

お見えになった患者さんはほとんどの方が発熱しています。
そしてインフルエンザの検査をしてみると、ほとんど全員が陽性です。
結局、午前中の受付けだけで60人を越えるお子さんがお見えでした。

しかしこれほどインフルエンザが急激に広まるとは。
1日に見たインフルエンザの患者さんの数としては、今日が開院以来最高に多かったかもしれません。

さて、20分ほど、お昼休みをとって、午後の予防接種、そして一般診療の開始です。
やはり患者さんの列は途切れない。
100人をはるかに越える患者さんの来院でした。

そういう訳ですから、症状が軽く来院を躊躇っている患者さんは、自宅で様子を見ている方がいいと思いますよ。

現在流行しているのは・・・2009年10月20日 08時38分04秒

現在流行しているインフルエンザは、ほとんどすべてが新型インフルエンザと言われています。
言われている、、、と書いたのは、厳密には分からないからです。

季節型のA型インフルエンザか、新型のA型インフルエンザかを区別しようと思ったら、PCRという遺伝子増幅装置が必要になります。

PCRは、保健所や研究所にはおいてありますが、通常、医療機関にはありません。
1人の検体を解析するのに、半日はかかります。

つまり、こうやってインフルエンザが大流行すると、季節型か新型かを区別するのは事実上不可能なんです。

それでもサンプル調査を行ってみると、大部分が新型と言われています。

季節型インフルエンザが今後どういう流行を示すか、正直予測がつきません。
一番無難な接種の仕方は、11月までに季節型ワクチンの接種を済ませてしまうことです。

さて、いま現在インフルエンザにかかった人は、新型インフルエンザのワクチンを受けなくてもいいかという疑問もあるでしょう。
これに対する明確な答えはありません。
いまかかっているインフルエンザが絶対に新型と言い切れないからです。
もし季節型ならば、今後、新型にかかる可能性があります。
そうであれば、新型のワクチンも接種した方がいいということになります。

うちのクリニックでも新型インフルエンザワクチンを接種することになりそうです。
しかし、大人には接種しません。
対象は「小児だけ」です。
今からこれは予告しておきます。

何を言っているか分からない2009年10月21日 19時58分02秒

今朝の朝日新聞の17面に、竹中平蔵さんの大型インタビュー記事が載っていました。
民主党が政権を取り、自分が小泉政権でやってきたことが批判されてよっぽど悔しいのか、うらみつらみを爆発させています。
よくもまあここまで言うなあと、まるで学者ではなく、政治家みたいな態度に正直驚きます。

彼が民主党を批判する総論の部分。
ミクロ経済には良い部分もあるが、マクロの調整機能が無いという指摘は、分からない訳ではありません。
しかし本当に無いかどうかはこれからです。
今の段階で断定して批判するのはちょっと早いでしょう。

ではどうすれば良いか?
竹中さんは、「歳出カット」「成長による増収」「増税」と言っています。
こんなことは僕でも言えます。
それに「増税」と言うなら、なぜ小泉政権で消費税を上げなかったのか?

問題は「成長による税収」でしょう。
その具体的な方法は、「規制緩和」と主張し、例として挙げているが、医療分野での「自由な選択の幅」を広げる事としています。
竹中さんによると、「100万円でも1000万円でも払って名医の治療を受けたい人はいる」そうです。
一体どこの誰が、何の病気の時に、1000万円払って、どこの名医に治してもらいたいと言うのでしょうか?
名医ってなんのことですか?
誰のこと?
もしかして、大学病院の教授先生とか、とくに竹中さんが所属する慶応大学の教授先生のこと?

ブラックジャックみたいな先生?
「神の手」みたいな先生?

こうも言っています。
「世界的名医と言われる人が風邪の治療もしている」
大学の教授を世界的名医と言っているならば、そんな事実はありません。
大学の教授なんか風邪の治し方を知りません。

こういう事実と完全に遊離した空想の話をして、だから規制緩和が必要だと言っても何の説得力もありません。
と言うかただの妄想を聞かされているだけ。

こんな人が経済財政担当相をしていたのですから、日本の貧困率が先進国の中でも悪いのは、ま、必然の結果でしょう。
私たち国民は、自らの民意で、恐ろしい政権を持ってしまいましたね。

日経キッズプラスの取材を受ける2009年10月22日 21時30分53秒

日経キッズプラスという雑誌をご存知でしょうか?

http://kidsplus.nikkeibp.co.jp/index.html

4歳から9歳までの子どもを持つ親のための雑誌です。
コンセプトは、親子でoffを楽しむための雑誌、単なる育児雑誌とは一線を画しているようです。

昨日、その日経キッズプラスから取材を受けました。
Kid's Newという連載コーナーで、「人物」や「本」などを紹介するのが目的のようです。

取材を受けた理由はもちろん、僕の本、「命のダイアリー」に関連してです。
僕が本で訴えたかったことを1時間にわたって、じっくりと説明させて頂きました。
またカメラマンの方もお見えになって、僕の写真を何十枚も撮っていきました。
僕の人生の中で、こんなに短時間の中で、これほどたくさん写真を撮られたのは初めてです。

僕のインタビュー記事は、1月号に載るそうです。
発売は11月18日。
全国で6万部売れている雑誌だそうですから、どこの本屋さんでも入手可能でしょう。
どんな出来栄えになるでしょうか?
写真は正直恥ずかしい。
小さく載せて欲しいです。

さて、今日もクリニックは大変混雑しました。
午前に60人、午後に60人がお見えでした。
依然として発熱しているお子さんが非常に多い。
うんと軽症のお子さんは、自宅で様子を見ている方が良いかも知れませんね。

けっこう多い、喘息2009年10月23日 20時41分55秒

新型インフルエンザが爆発的に流行していますが、実はその影に隠れて、今年の秋は喘息のお子さんがけっこう多いようです。
黄砂の影響とも言われていますが、正確な理由はよく分かりません。
昨年の秋よりも、調子の悪いお子さんが圧倒的多いような気がします。

さて、喘息にインフルエンザが重なれば、大変危険、、、そんな風に皆さん認識しているかもしれませんが、実際には僕の診ている範囲ではそういった重症のお子さんはいません。

そもそも、新型インフルエンザは従来からの季節型インフルエンザに比べて軽症例が多いのではないでしょうか?

タミフルやリレンザを使うと、すぐに解熱してしまうケースがとても多い。
いや、もしかしたら無治療でもかなり早期に解熱するのではないでしょうか?

その一方で、親御さんたちの不安感は大変強いようです。
それはもちろん、報道のせいです。
報道している人間が自分の書いている記事の意味を分かっていない。
だから、恐怖が恐怖を呼んでいるように思えます。
人が感じる不安の総和の負のコストを、報道の人間はどうやって弁済するのでしょうか?

橋都先生の「痛快!総長ブログ!」2009年10月24日 16時49分24秒

東京西徳州会病院総長の橋都(はしづめ)先生からメールをもらいました。
橋都先生は、東大小児外科の前教授で、僕がもっとも尊敬する先生のお一人です。
先生の近況をメールで知ると同時に、先生が書いているブログの最新記事にも目を通してみました。

するとそこには、東京オリンピックの招致の失敗について、厳しい記事が。
http://blogs.yahoo.co.jp/hashi_wineclub/33511491.html
都知事のことを痛烈に批判していますが、これは痛快なブログです。
僕もまったく同じ意見です。
それにしても橋都先生、よくここまで書けますね。

僕のブログは何でもかんでも、遠慮会釈無く書いていると、人から揶揄されたり、からかわれたり、批判されたり、怒られたりします。
ところが面白いことに、人から批判を浴びるブログを書いた時って、必ず別の人から「よくぞ言ってくれた!」とメールやコメントがつくのです。

東京都知事のことは、これまでに何度か書こうと思いましたが、はっきり言って書けない。
それは反響が怖いからです。
ネットの世界には思慮の足りないウルトラ右翼がたくさんいて、僕のこういうブログにまで嫌がらせのコメント送り付けてきたりします。
僕の友人の新聞記者が、「私たちはなぜ許すのか」と、この知事の暴言を許す我々の態度を問題提起した記事を書いたところ、抗議の葉書が山ほど来たと言います。

ですからそういう話を聞くと自己規制してしまうのですね。

何でもかんでも僕のブログは自己規制だらけです。
しかし人生の残り時間は短い。
橋都先生を見習って、僕も言いたいことをどんどん言っていきましょう。

朝から混雑、土曜日のクリニック2009年10月25日 19時47分06秒

土曜日のクリニックは朝から混雑していました。

結果として11時30分の時点で、受付を終了し、すべての患者さんを診察することはできませんでした。

もちろん、圧倒的に多いのが、発熱のお子さん。そしてその大半は新型インフルエンザ。

クリニック周囲のインフルエンザの流行状況は、かなり激しくなってきました。

熱があっても「元気がいい」ならば、「早めの受診」には意味がありません。
発熱して12時間以上経たないと、インフルエンザの診断はできません。
熱を出したお子さんが再度クリニックに来なければならないし、他の重症のお子さんの診察の機会が減るおそれがあります。

ま、このブログを読んでいる方は十分知っているでしょうから、ここでこういうことを書いてもナンセンスかもしれませんね。

月曜日からのクリニックも混雑するでしょう。
出来る限りたくさんのお子さんを診察したいと思っていますが、僕たちにも時間的・能力的限界があること分かってもらえると嬉しいです。