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体調管理をしっかりと!2006年07月11日 21時26分15秒

開院の疲れが出て来たのでしょうか?
今週は患者さんが少ないわりに疲れがたまります。体のリズムが大学病院と違うんでしょうね。慣れません。
不十分な体調で患者さんに接するのは失礼です。気合いを入れて診療しましょう。
今日は朝から暑い一日でした。午前と午後の診療が終わっても患者さんは10数人。少し、医学書でも読みながらソファーに横たわりましょう。こんな時は、体調回復につとめるのが一番です。
あら?看護婦さんが呼びに来ました。夕方の診療が始まっています。
う。。。待合室に子どもがあふれている。。。終わってみれば夜7時半。集中力を切らさないように、一生懸命、診療しました。
一言、言っていいですか??
疲れた〜〜!!

娘と遊びました。2006年07月12日 21時17分48秒

今日の診療は、第2水曜日なので午前中のみです。
お昼にはぴったりと診療を終えて帰宅しました。
午後の時間をどう使うのか非常に迷いました。水曜日の午後に仕事をしないというのは、どうにもしっくりきません。大学病院の子どもたちも気になるし、僕のクリニックに今日の午前中に来てくれた子どもたちも気になります。あの子の咳は鎮まっただろうか、あの子の熱は下がっただろうかと、子どもとママの顔が次々に目に浮かびます。大学在職中は、気になる子どもはすべて入院している訳ですから、僕は自宅にいても安心でした。しかし、こうやってクリニックをやっていると、患者さんはみんな自宅にいるので、どうにも落ちつきません。
とはいえ、何か出来る訳でもないし、疲れもたまってきているので、、思い切って3歳の娘と一緒の時間を過ごすことにしました。
3歳の娘は、肝っ玉がすわった『いじめっ子』タイプと思っていました。僕の父からは「将来はゼネコンの女社長!」と言われていたくらいです。しかし、いざ幼稚園に通い始めたら、僕の細かい性格が遺伝しているのか、『いじめられっ子』タイプでした。現在も、園で問題を抱えていて幼稚園に行こうとしません。幼稚園の先生方はとても良くしてくれるのですが。。。
僕も娘も気分転換になるだろうと思い、一緒にお風呂に入り、その後も本を読んだり手遊びをしたりしました。この子の笑顔を見ていると、すべてのママたちは我が子が可愛くて可愛くてしかたがないんだろうなと、思います。
さて、今日は心身共にリフレッシュしました。明日からも、クリニック・大学病院でやらなければならないことが山ほどあります。集中力をさらに高めてがんばるぞ〜〜!

お腹がすきます2006年07月13日 20時57分12秒

夕方になるとお腹がすきます。
大学に勤務している時は、こんなことはありませんでした。
開業医は開院するとすぐに太ると聞いていましたが、なんか分かる気がします。とにかく歩く距離が圧倒的に少なくなりました。ところが、朝から晩まで頭をフル回転させてお話しをします。これがブドウ糖を大量に消費するのです。で、夕方になると低血糖になるのでしょう。先日のお昼休みは無性にこってりしたものを食べたくなりました(結局はおにぎり1個)。
皆さんは僕のことを見てグルメだと思っているかもしれませんが、僕は食にほとんど興味が無い上、非常に小食です。あまり食べません。その僕が、低血糖になって夕方になるとお腹が空いてしまうのです。。。だからといって、これ以上、食べたら太るだろうな〜。。
きみのもりクリニック http://www.kiminomori-clinic.jp/ の平井先生はばりばりに自転車に乗って体調管理をしているようですが、僕にはとても真似できません。あんなことをしたら、健康を害してしまいます!平井先生は同じラグビー部とはいえ、医学生のレベルを超越したスーパープレーヤーでした。だから今でもあれだけ自転車に乗れるのでしょう。
僕は楽して、食べて、太らない方法を探しましょう。誰かいい方法があったら教えて下さい。

おはようございます!2006年07月15日 07時51分27秒

昨日は帰宅が遅くなり、ブログが書けませんでした。
遊んでいたのではありません。クリニックが終わってから大学病院へ、『僕の患者』のために行って来たのです。
クリニックにも大学にもたくさんの『僕の患者』がいます。医者は患者を診てなんぼ、です。疲れたとか言ってられないですよね。
でも、大学から戻る直前に、入院中のK君のママとお話しをして元気をもらいました。K君ママは長期の闘病でも疲れた顔は決して見せずいつでも笑顔です。励ますつもりで会いに行くのですが、いつも最後は僕が励まされてしまいます。
よ〜し、今日も気合いを入れて診療するぞ〜。

名古屋からのお客様2006年07月15日 20時20分52秒

まさかクリニックを始めてから、小児がんのセカンドオピニオンを求めて来る患者さんがいるとは思っていませんでした。
大学在職中は日本各地から患者さんがお見えになりましたが、今日のお客さんは名古屋からでした。今日、お見えになった患者さんは治療がうまく行っていない訳でも、難問を抱えている訳でもありません。ただ、お母様がいくつかの点に関して頭を少し整理したいというふうでした。そういう意味では、これまで僕が行なったセカンドオピニオンの中ではもっとも、僕が力を発揮できなかったケースとも言えます。わざわざ名古屋からお越しいただいてご満足いただけでしょうか??保険診療の枠内で行ない終了まで職員を1人拘束しましたので、当初の約束は30分以内で、、でしたが、やはり僕には無理なようで大幅に延長してお話ししました。
大学時代に行なったセカンドオピニオン外来では1人のママに3時間面談したこともあります。九州から予約なしで突然現れた親御さんと無料で1時間話したこともありました。民事・刑事で訴訟になっても不思議ではないケースでママの涙を見ながら黙って2時間、話しを聞いたこともありました。その他にも日本各地のドクターから画像やデータを送ってもらい治療方針の相談を受けた回数は枚挙にいとまがありません。
可能ならばこれからも、こんな僕で良ければ僕の経験や知識をがんの子どもたちに役立てたいと思います。どうやって十分な時間を確保するかが今後の課題でしょうか。もちろん、今後も千葉大病院小児外科に積極的に関わって最新の治療知識をリファインすることも大事です。

連休ですね!2006年07月16日 22時42分27秒

クリニック始まって以来の連休です。
有り難いことです。心身ともにやすまります。
クリニックでの診療がこんなにも大変だとは、正直思っていませんでした。神経も知力も本当に消耗します。明日が休みと思うと本当に気が楽です。リラックスして気力・体力の回復に努めましょう。
今夜は、マイルス・デイヴィスの『フォア・アンド・モア』を聞きながら、大好きな奥田英朗の『真夜中のマーチ』読むことにします。

地域医療って何?2006年07月17日 09時02分50秒

新たにクリニックを始める先生方は、ほとんどの方が『地域医療の発展のため、皆様のお役に、うんぬん、、、』とおっしゃります。僕は逆に『抱負は無い』などと言っていました。しかし、「地域医療」の意味が最近になっておぼろげながら分かって来た気がします。
自宅で動けないほど重症だったA君は現在、某病院で徐々に快方に向かっています。本当に良かったです。
実は僕はA君の顔を知りません。具合の悪いA君をどうしたら良いか、A君のお父様が僕のクリニックに相談にお見えになったのがすべての始まりだからです。その後の展開は数日前のブログに書いた通りで、A君が入院できるように色々と骨をおりました。A君のお母様にも一度もお会いしていませんが、何回か電話で打ち合わせの話しをするうちに、声だけはおぼえてしまいました。
A君の相談を受けた後は、A君の家から僕に電話がかかってきたことも、僕のほうから電話をかけたこともあります。なぜ、顔も見たことも無い子にそこまで僕は深く関わるのでしょうか?
理由のひとつは、A君の家が僕たちのクリニックのすぐ近くだからです。ご近所のお子さんが具合が悪いのです。これは気になります。というか、気になって気になって仕方がありません。うちのクリニックの周囲1Kmくらいの子どもたちがみんな元気でないと心が落ち着かないのです。あ、これが「地域医療」なんですね。そんなふうに納得しました。
もうひとつの理由は僕が小児外科医だからでしょう。小児外科医って、ほんと〜〜にどんな病気でも診ます。自分の専門を持った上で、子どもの全身を広く診ますので、各科の境界領域の診断のつかないような病気を診ることをいとわないのです。でも、だからこそ、各科の専門家は自分にしか分からない専門性の高い病気はきちんと診断して欲しいのです。今回のA君も、見るに見かねて僕が千葉大小児外科にひきとっていたら、、、診断が遅れてしまったかもしれません。それを思うと少し怖い思いをしました。善意だけでは良い医療にならないのですね。
いずれにしても、A君は日々元気になっています。早く退院してみつわ台に帰れると良いですね。

12年ぶりの手紙2006年07月18日 22時02分50秒

今から12年前のことです。
僕の目の前に現れた女の子はおしゃまで利発で目のくりくりした可愛い子でした。今、考えてみると、年齢は現在の僕の長女とほぼ同じではないでしょうか?顔まで何やら似ている気もします。
その女の子、Mちゃんはお腹の腫れを訴えて僕の外来にママと一緒に来たのです。僕には一目で分かってしまいました。小児がんです。Mちゃんを外来の廊下へ出して、ママと対峙しました。あの12年前のママの目が忘れられません。驚きとか不安とか恐怖とか、そういったネガティブな感情をすべて封印するような、凛とした、きちんとした眼差しでした。
すぐに入院して手術をしました。術前に気になったのは腫瘍と他臓器の境界がはっきりしなかったことです。摘出できない可能性も頭を横切りました。
開腹してみると悪い予感はあたりました。一緒に手術に入ってくれた他科の先生が、「どうするの?一緒に取らないと腫瘍の摘出は無理だよ」と途中で手を止めました。他臓器合併切除なんて、子どもには絶対に許されません。僕は生検だけにとどめてお腹を閉じました。
検体を持って行った時の病理の先生も忘れられません。一線をリタイアした年配の先生でした。病院には非常勤で来ていたと思います。おそらく小児がんの検体なんて見たことが無いと思います。僕はMちゃんの年齢を説明し、病理診断がこの子の命を分けると説明しました。
おじいちゃん先生は顔色が変わりました。ご自分のお孫さんと、Mちゃんの年齢が同じなのだそうです。時間をかけて丁寧に標本を見て頂き正確な診断がつきました。
Mちゃんに待っていたのは過酷な化学療法です。もちろん、髪の毛もすべて無くなります。でも、いつでも笑顔で頑張っていました。3回の化学療法のあと、僕はもう一度、Mちゃんのお腹を開けました。今度は原発巣をすべて摘出しました。術後も3回の化学療法を行ない、Mちゃんは元気に退院して行きました。毎年、Mちゃんから年賀状が届いて、元気であること、結婚したことは知っていました。
で、今日。Mちゃんママから長文のEメールが届きました。僕のホームページを人づてに聞いてメールしたそうです。その後のMちゃんの人生が書かれていました。結婚して、妊娠して、前置胎盤で帝王切開でお腹を開けて子どもを産んで、もう一度妊娠して、4度目のお腹を開けて2人目の子どもを産んだそうです。4度目はさすが癒着がひどく出血も多かったそうです。
がんばったね。Mちゃん。
君はどれだけ偉いことをしてるか分かってるかな?君のがんばりを見て、これから治療に挑む子どもたち、ママたちは勇気をもらうんだよ。僕はこれまでに、「うちの子は将来、子どもを産めるんでしょうか?」って何人ものママたちに聞かれて来ました。そんな時に僕はMちゃんの話しをします。Mちゃんは神様がつかわした『ガイド』です。
僕もMちゃんに本当に感謝しなければいけません。子どもを2人も産んでくれて。僕の治療から3つの命が生まれた、、、って思わせてくれるMちゃん。。君は本当にこの世を照らす光だね。

時代の流れって何?2006年07月19日 22時49分56秒

今日は大学病院で外来診療を行なってきました。
遅い昼食を菱木先生と一緒にとっていた際、大変驚くようなことを聞きました。先日の秋田での日本小児外科学会評議員会で、学会の認定する施設基準から剖検率が削除されたとのことです。剖検とは一般の方にはなじみの無い言葉かもしれませんが、治療の甲斐無くお亡くなりになった患者様のご遺体を解剖して、その死因を解明することです。これまで学会は、ある一定以上の剖検率を施設基準として定めていたのです。
しかし、時代の流れ、、、剖検のお許しをいただくことが全国的にできなくなってきて、このルールがあると施設基準を満たせなくなるとの事のようです(議事録を読んでいないので完全には正確ではないかも知れませんが)。
こんな大事なことが決まったなんて知りませんでした。時代の流れとは、、つまり理念を捨てて現実に妥協したということですね。
では、我が国の小児外科の世界では、もう剖検はご両親にお願いしなくなるのでしょうか?各大学病院の教授先生たちや子ども病院の小児外科部長の先生たちはどう考えているのでしょうか?これからは剖検に立ち会った事の無い若手小児外科医がどんどん増えていくのですね。
間違いなく医療の質が落ちます。
剖検で学ぶことは本当にそれこそ山のようにあります。その知識は必ず次の治療に生きます。
若手小児外科医のみなさん、施設認定基準としての剖検率なんてどうでもいいです。精一杯の良い医療をして、出来る限りの良い医療をして、、それでも力が及ばなかった時には、誠意を持って、執念を持って剖検をお願いしてみて下さい。それが必ず、次の良い治療に結びつきます。

ちょっと濃いかも。2006年07月20日 20時56分10秒

昨日、大学病院に外来診療に行った際、何人かの小児科の先生方から「先生のクリニック、患者さん、多いでしょ?」と口々に言われました。
は? なんでそう思うんですか?理由を聞くと、僕のクリニックからの紹介患者を外来や病棟でたくさん、見かけるからだそうです。
ええと、、患者さんはそんなに多くありません。待ち合い室はそれなりに混んでいますが、行列ができるというほどではありません。でも。。
ちょっと内容が濃いかも。難しい患者さんが多いのです。ごく普通の住宅街の中の小児クリニックです。なぜ、こんなに診療内容が濃いのでしょう??一番、難しいのは、やはりNot doing well、何となく元気の無い子、ミルクを飲もうとしない赤ちゃんです。この子は大丈夫と思っても、もし万が一何か病気が潜んでいたら、、、と思うと診療も説明も長くなります。
本当に奥が深いです。小児外来。