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地域医療って何?2006年07月17日 09時02分50秒

新たにクリニックを始める先生方は、ほとんどの方が『地域医療の発展のため、皆様のお役に、うんぬん、、、』とおっしゃります。僕は逆に『抱負は無い』などと言っていました。しかし、「地域医療」の意味が最近になっておぼろげながら分かって来た気がします。
自宅で動けないほど重症だったA君は現在、某病院で徐々に快方に向かっています。本当に良かったです。
実は僕はA君の顔を知りません。具合の悪いA君をどうしたら良いか、A君のお父様が僕のクリニックに相談にお見えになったのがすべての始まりだからです。その後の展開は数日前のブログに書いた通りで、A君が入院できるように色々と骨をおりました。A君のお母様にも一度もお会いしていませんが、何回か電話で打ち合わせの話しをするうちに、声だけはおぼえてしまいました。
A君の相談を受けた後は、A君の家から僕に電話がかかってきたことも、僕のほうから電話をかけたこともあります。なぜ、顔も見たことも無い子にそこまで僕は深く関わるのでしょうか?
理由のひとつは、A君の家が僕たちのクリニックのすぐ近くだからです。ご近所のお子さんが具合が悪いのです。これは気になります。というか、気になって気になって仕方がありません。うちのクリニックの周囲1Kmくらいの子どもたちがみんな元気でないと心が落ち着かないのです。あ、これが「地域医療」なんですね。そんなふうに納得しました。
もうひとつの理由は僕が小児外科医だからでしょう。小児外科医って、ほんと〜〜にどんな病気でも診ます。自分の専門を持った上で、子どもの全身を広く診ますので、各科の境界領域の診断のつかないような病気を診ることをいとわないのです。でも、だからこそ、各科の専門家は自分にしか分からない専門性の高い病気はきちんと診断して欲しいのです。今回のA君も、見るに見かねて僕が千葉大小児外科にひきとっていたら、、、診断が遅れてしまったかもしれません。それを思うと少し怖い思いをしました。善意だけでは良い医療にならないのですね。
いずれにしても、A君は日々元気になっています。早く退院してみつわ台に帰れると良いですね。

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