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ルポ 思想としての朝鮮籍(中村 一成)2017年11月18日 16時27分04秒

ルポ 思想としての朝鮮籍(中村 一成)
これは重い本でした。
どういうふうに感想を言っていいか、かなり迷う本ですね。
「朝鮮籍」って何だか知っていますか?
これは「北朝鮮」の国籍ではないんです。
太平洋戦争が終わった時、朝鮮半島出身の人たちは、臣民でなくなった。かといって日本国籍ももらえなかった。
朝鮮半島は政治的に混沌としており、まだ国家は存在していなかった。
だから「地域」としての「朝鮮」という戸籍を作った訳です。「朝鮮」とは国家ではなく、地域なんです。

その後、大韓民国が成立して、「韓国籍」を取得した人もいます。
しかし、「朝鮮籍」のままの人もいる。そうした人たちは、言ってみれば祖国が無い訳です。

在日2世は、日本人から差別され、朝鮮語を話せないことから朝鮮人からも差別されるんですね。自分が帰属する祖国がないから自分の根がない。そういう苦しみを私たちはなかなか理解することはできません。
本屋さんに行くと、韓国や中国を嫌った本が山積みになっていますが、日韓・日中の大元に何があったのか、それを学ばなければ私たちは真の意味で東アジアと友好の絆を結ぶことはできないと思います。
相手の国を尊重することこそが、自分の国に誇りを持つただ一つの道だと僕は信じます。