『「東京電力」研究 排除の系譜 』(講談社)斎藤 貴男2013年02月15日 19時54分41秒

「東京電力」研究 排除の系譜

以前に読んだ斎藤さんの「梶原一騎伝」がとても面白かったので、この作品も読んでみました。
するとテイストが全然違うんですね。
斎藤さんの経歴を見てみると、経済ジャーナリストなんだ。
ですので、分厚い取材と資料に基づいた分析は、経済オンチのぼくにはちょっとわかりにくい部分もいくつかありました。
ぼくにはレベルが高すぎたという感じでしょう。

一番面白かったのは「叙勲」の話。
人間って本当に俗な生き物ですよね。
勲章をもらうことがそんなに嬉しいんですね。
拒否する振りをしながらもらったり。
本当に下らないと思います。
貧しい家に生まれ、低学歴のままに、額に汗して懸命にコツコツ働いて一生を全うした人間には、絶対に勲章など与えられません。
こういうシステムをおかしいと思わない人間こそが、最も勲章を与えられるべきではありません。
新聞も報道をやめればいい。

経済の世界を広く知ると、ああ、医者って本当に狭い世界に生きていると思います。
医療のことしか知らない訳ですから。
経済人は大したものですよ。
私たちの生活は経済の上に成り立っているので、経済を大きな部分で支えている人たちの使命は本当に重いと思います。
何千人、何万人という組織を動かしていくリーダーとは、実に大変だと思います。
その決断力。実行力。

その点、医学部の教授なぞは零細企業の社長さんという感じでしょう。
いや、それが悪いというのではありません。
それに気付かず勘違いしている人がいるということです。
「裸の王様」ですね。

開業医にもね、「臨床教授」という肩書きがあるんです。
医学教育に協力をすればそういう肩書きを得ることも可能なんですね。
ぼくは、千葉大医学部のある実力者から、「臨床教授」の肩書きを差し上げられますよと言われたことがあります。
まったく興味も関心もありません。

本書を読んで、自分の基礎的な知識が足りないことがよく分かりました。
残された人生は長くないけど、「経済」のことも少し勉強したいですね。