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病理医ヤンデル先生の医者・病院・病気のリアルな話(市原 真)2022年02月19日 16時10分06秒

病理医ヤンデル先生の医者・病院・病気のリアルな話
こういう表現の仕方があるのかとかなり驚きました。
病理医ヤンデル先生が、病理のことを・・・ではなく、医療全般について語っていきます。メディカル・エッセイですね。
本の構成がおもしろくて、章ごとに編集者からお題がでます。
たとえば、「大学病院と町のお医者さんの違いは?」とか。
それにどう答えるのかも一つの見どころです。

ヤンデル先生の答えは、半分ひねったくらいの凡人の答えではありません。1回転ひねったような嫌味な解説でもありません。
3 / 4 回転くらいの絶妙の味が出ているんです。
いや、こんな発想はちょっと湧かないな。
だいたいぼくは凡人のどんじり医なので、ヤンデル先生のようには言葉が豊潤に出てきません。
先生はトクトクと湧水が溢れるようにマジックワードが出てきます。
「開業医は一言でいうならば野心に満ちあふれている」そうです。そうか、ぼくは野心満々であるべきなのか。どうやらぼくは、開業医としても、どんじりのようです(笑)。

医者に限らずたくさんのコメディカルがヤンデル先生の医療シアターに登壇しますが、先生は誰も傷つけないで書くんですよね。変に茶化したりしないんです。
素顔の先生のことは知りませんが、優しい人なんだと思いました。

もたもたしながら読んでいるうちに、だんだんヤンデル節に乗せられて、ぼくは本の中で踊っていました。
世の中には才能のかたまりみたいな人がいるんだと発見しました。
ぼくにはとても書けない本でした。
(そもそも依頼が来ない)
みんさんもどうぞ楽しんでください。おススメします。