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いじめで死なせない: 子どもの命を救う大人の気づきと言葉(岸田 雪子)2018年10月01日 21時12分16秒

いじめで死なせない: 子どもの命を救う大人の気づきと言葉
この本はあまり集中して読むことができませんでした。
つまらないから? いえ、そうではありません。切なすぎて胸が痛くなるからです。
いじめ問題には関心を持っていますので、これまでにも専門書みたいなものは何冊も読んできました。
したがって、いじめがなぜ起きるかという解析の部分に関しては、特に驚きはありませんでした。
ですが、やはりいじめられ、自殺した子の遺書とかを読むと本当に辛くなります。
裁判で、加害者がまったく反省しておらず、あれは遊びだったと答える場面では何とも救いがないなと悲しくなります。

ぼくは小学生の頃にいじめられたこともあるし、いじめに荷担したり傍観者になったこともあります。
そのいずれもが今になっては忌まわしい思い出です。
大人の世界にもパワハラというものがありますが、子どもはやはり未熟ですので、いじめの構造が簡単に成立しやすいのでしょう。
そうなると教師の役割は実に重要で、大変難しい職業だなとつくづく感じます。
重い内容の本ですので、みんさんにオススメという感じではありませんが、いじめに関する本の入門書としては秀逸です。
関心のある方はどうぞ。

いのちは輝く〜障害・病気と生きる子どもたち(27)2018年10月04日 08時54分28秒

連載第27回目の記事が掲載されました。今回から出生前診断の話になっていきます。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180910-OYTET50000/

時間のある方は、ぜひ読んでみてください。

おとちん(こだま)2018年10月08日 10時00分44秒

話題の書が講談社から文庫化されたので読んでみました。
面白くて2時間くらいで一気に読んでしまいました。
作者のこだまさんは物語る表現が豊穣で、ユーモアもあり、ペーソスもあり、どうやったらこれだけ豊潤に語れるのだろうかと羨ましくなりました。
ただ、プロットには苦労したのではないでしょうか?
この本は、おとちんとして話が始まりますが、そのうちに、こだまさんの仕事の苦悩に軸足がうつります。
この間、夫は全然出てきません。
きょうだいのように仲のよい夫婦だからこそ会話がないのか、仲がよくても仕事の話はしないのか、それはよくわかりませんでした。
普通の夫婦だったら会話がないということはちょっとあり得ない気がしました。

気が付けば、物語が始まって20年の歳月が経っています。こうなるともう大河ドラマという感じです。
最後まで読むと、これは私小説と書かれています。え? そうなんですか?
ぼくはてっきり実話=ノンフィクションだと思っていました。

しかしこだまさんは本を書いていることを家族にも言っていないそうです。先日講談社でエッセイ賞の授賞式があったとき、こだまさんは仮面をつけて登壇したそうです。
覆面作家か。
今後の執筆活動に注目が集まりますね。

精神障害とともに(南日本新聞取材班)2018年10月08日 10時18分31秒

精神障害とともに(南日本新聞取材班)
これは大変良質な本でした。
精神医学が内科や外科と根本的に異なるのは、患者対医者という関係性だけで医療が完結しないことにあります。
イタリアの例を見てもわかるように、医者の役割は、急性期の救急精神科しかないかもしれません。
あとは患者を支える地域の支援体制をしっかりと作って、患者たちを支援していくことが、医療よりも重要なのかもしれません。

精神障害というのは、まだまだ未解決な部分が多く、やるべきことは山積しています。
これからの日本では労働力不足がますます深刻化していきますので、精神障害者をサポートするネットワークがきめ細かく構築されるのか、ちょっと心配な部分もあります。

ぼくは医師として精神医療に直接関わることはできません(知識も経験もない)が、日本の精神医療の発展をこれからも注視していきたいと考えています。

ここは、おしまいの地(こだま)2018年10月10日 19時26分46秒

ここは、おしまいの地(こだま)
こだまさんのエッセイです。
ぼくはエッセイを年に数冊しか読まないため、エッセイの価値を評価する力はありません。
しかし彼女には体験があって、感性があって、表現力があることがとてもよく分かります。
ブログを使って誰もがエッセイを書ける時代ですから、こうして紙の本としてエッセイを出版するだけでもすごい。
そして講談社の賞を取るのだから、並の才能ではないと思います。
この本はカバーデザインも優れています。
写真はこだまさんが撮ったようですが、デザインは鈴木成一デザイン室ですね。なるほど、道理で。
エッセイ好きな人には、文句なしにオススメです。

わが家の母はビョーキです(中村ユキ)2018年10月10日 19時38分41秒

わが家の母はビョーキです(中村ユキ)
統合失調症の自分の母親を描いた漫画です。
15万部のベストセラーですから、けっこう有名な本かもしれません。

切ない、切ないお話で、本当に読んでいて辛くなります。
作者は反省点として統合失調症について勉強が足りなかったことをあげていますが、その間、一体医者は何をやっていたのでしょうか?
医療で一番重要なのは「診断」です。そしてその次が「予後」を説明することです。(治療は一定レベル以上の医者であれば差は出ない)
患者の見通しを家族に可能な限り正確に伝えないと、家族は出口の無いトンネルを延々と這いつくばることになり、本当に辛いと思います。

この本は最後になってようやく「救い」が出てきますが、言ってみればそれは偶然のようなものです。
医療をする側の力不足をものすごく感じる作品でした。

心の病は本当に苦しい病気です。
本書のお母さまが少しでも元気になられることを心の底から祈っています。

統合失調症はよくある病気ですから、みなさんもぜひ読んでみてください。

読売新聞の書評に登場2018年10月15日 12時55分06秒

読売新聞の書評に登場
↑ クリックで拡大できます。

拙著「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」の書評が、昨日、読売新聞に掲載されました。
評者はジャーナリストの森健さん。
本当にありがたいことです。
ネット書店では在庫が少なくなってきているようです。未読の方は、もしよったら手にとってみてください。

重版決定!2018年10月15日 19時39分24秒

楽天ブックスで買えます。
拙著「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」の重版が決まりました。
発売から35日での重版は、自著の中で最短の記録です。
これも多くの方々のご支援があればこそです。
本当にどうもありがとうございました。

重版はうれしいのですが、ほとんどのネット書店で、入手困難になっています。
その中で、現時点で購入可能なのは、楽天ブックスです。

https://books.rakuten.co.jp/rb/15602158/?s-id=top_normal_browsehist&xuseflg_ichiba01=19286576

在庫がどれだけあるのか僕にはわかりませんが、本書を読んでみようと思われる方は、上記URLからお買い求めください。
早く2刷りが完成すると良いですね。

サンデー毎日に書評2018年10月16日 20時10分51秒

サンデー毎日に書評
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本日発売のサンデー毎日に、「発達障害に生まれて」の書評が掲載されています。
書いて頂いたのはノンフィクション作家の工藤美代子さん。
すばらしい書評です。書評というか、名エッセイになっています。
ぜひ、お読み下さい。

現在、本書は楽天ブックス以外ではほとんど入手できません。2刷りが登場するのは10月29日頃だと思います。
引き続き、ご支援よろしくお願い致します。

マルコとパパ ダウン症のあるむすことぼくのスケッチブック, グスティ (著, イラスト), 宇野 和美 (翻訳)2018年10月18日 22時58分39秒

マルコとパパ ダウン症のあるむすことぼくのスケッチブック
ダウン症のあるマルコが生まれる

パパは受容できない

絵を破り捨てるように、破りたい
でもそれはできない

ママは受容する
兄も受容する

気が付いてみたら
パパも受け入れていた

マルコとパパの毎日は、愛でいっぱいだ
いっぱいの愛がイラストとコラージュに溢れる

愛には限界も条件もない
それを教えてくれるのがマルコ


心がやせてしまった人はこの本を読むといい
必ず太ります