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評判の悪い開業医2015年11月30日 19時59分50秒

風邪とは上気道(鼻・喉)へのウイルス感染です。
粘膜に炎症が起きるので、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・咽頭痛・痰・咳が出る訳です。
ウイルスは生物ではありませんから、抗生物質はまったく効きません。それどころか、有害です。飲んではいけません。

では風邪に効く薬はあるかというと、ほとんどありません。
ウイルス感染は、患者さんの免疫力によって自然と治っていきます。
「効いたよね、早めの何とか・・・」というのは、日本が資本主義社会だから商品を売ろうとして宣伝しているだけです。
風邪はいったん始まると、自然に治るまで数日を要します。
早めに薬を飲もうが、何もしなくて様子を見ようが、結局は何の変わりもありません。

では、何のために風邪薬があるのか?
これは「おまじない」程度の効果しかありません。痰を切って、咳を少し減らせることはできるかもしれません。
しかし、鼻水・鼻づまりには解決策はありません。
医者は必ず「抗ヒスタミン剤」を処方しますが、これはアレルギー止めです。
風邪はアレルギーではなく、感染症ですから、何の効果もありません。
ではどうするか?
それは洟をかむことです。これに尽きます。
3歳半を過ぎると、たいていのお子さんは洟をかめるようになります。
では、それ以下の子どもはどうするか?
お母さんが鼻吸い器などで、洟を吸うことです。
そうすれば、風邪の治りは早いし、お母さんも自分でわが子の風邪を治したという達成感を得られるでしょう。

だからぼくは、風邪に対してごく少量の薬しか出しません。まったく出さないこともあります。
その代わり、説明はします。

だけど、患者家族が医者に求めることは、薬を出してもらうことなんですね。説明ではない。
したがって、大量に薬をどんどん出してくれる開業医が「腕の良い、良医」と評判になる。
おまけに、診療が終わったらやさしい言葉の一つもかければ、「あの先生は優しくて腕が良い」と評判になる訳です。

その反対は、薬を出さない医者、くどくどと説明をする医者、愛想の良くない医者。母親に自宅での風邪の治し方を教える医者。
こういう医者が「評判の悪い開業医」になります。
あ、ぼくのことですね。

面倒な説明などはしないで、どんどん薬を処方して、最後にニコッと笑えば、たくさん患者さんが来院して、楽してお金儲けができるのですが、ぼくにはとてもそういう真似はできません。プライドがありますので。
では、医者の仕事とはなんでしょうか?
それは、「自然に治る風邪」と「それ以外の病気」の区別を付けること、そして、風邪には「余分な薬」を出さないで、子どもの自然治癒力を引き出すことと、両親に自信を付けさせることです。

こんな方針をかかげていれば、患者数はどんどん減っていくでしょう。ま、患者さんが来ない時間帯はゆっくりと本でも読んでいましょう。

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