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児童養護施設という私のおうち(田中れいか)2024年02月04日 21時00分07秒

児童養護施設という私のおうち(田中れいか)
うちのクリニックには、児童養護施設から患者さんが時々受診します。
理由は定かではありませんが、単純に距離が近いということかもしれません。
子どもには(当然ながら)職員さんが付き添ってきますが、不思議なことに、一目で親子ではないなと分かってしまうんですよね。
雰囲気なんでしょうか。
保育園で子ども怪我があったとき、保育士さんが子どもをクリニックに連れてくることが多々あります。
こういう時は、付き添っているのが保育士さんなのか、母親なのか区別がつかないんですよね。
どこが違うのかよく分かりません。

さて、児童養護施設で暮らす子はどういう生活をしているのでしょうか。
この本には、それが具体的に書かれています。
また、現在進行形で、子どもたちの生活(例えばスマホを持てるかどうか)も変化しつつあることも書かれています。

そして18歳の壁。
施設の子も、里親に育てられた子も、18歳になると自立しなければなりません。
大学進学は至難の業です。進学するとなると、奨学金をもらって授業料に当て、生活費はアルバイトで稼ぎ出さなければなりません。
したがって進学する人はかなり少なく、また進学しても辞めてしまう人がけっこういるそうです。

養育しない親をいくら非難したところで、何の解決にもなりませんから、18歳で社会に出ていく子ども(法律上は大人)たちを、われわれが支えなければなりません。
そのためにはどうすればいいのでしょうか?

施設の卒業生を支援する団体はけっこうあります。そういう団体に寄付などをして応援するのも一つの選択肢でしょう。
ぼくも実施しています。
でもそれだけでいいのでしょうか?
そもそも、なぜ個人が寄付しないと回っていかないのでしょうか?
国は子どもたちのために何をしてくれるのかな。

ぼくの人生も後半戦ですから、何が自分にできるか、じっくり考え、また実行していきたいと思っています。
みなさんもこの本を読んでみてください。