「だから、あなたも生きぬいて」 (講談社文庫) 大平 光代2010年11月17日 19時31分41秒

だから、あなたも生きぬいて
講談社のHPに「このイチ」というコーナーがあります。
講談社の社員が、自分だけのこの一冊を紹介するというコーナーです。

するとそこに「だから、あなたも生きぬいて」という本が紹介されていました。
はい、確かに僕もタイトルは聞いたことがあります。
記事を読んで見ると200万部も売れたそうです。

で、早速買って読んでみました。
薄い本で、1時間くらいで読了しました。
なるほどこれは200万部も売れるのは当然かと思いましたし、僕も途中で何度か涙ぐみました。
良い話です。

しかし敢えて言いたい。
この本は、売れるために書かれたのではないでしょうか?
文字の量のとか、表現の浅さとか。

大平さんは自分の父親を足蹴にしたことがあるそうです。
それってすごいことですよ。
普通、自分の親を足蹴にできますか?
それがあっさり書かれている。
実際はものすごく深くて辛くて耐えきれない爆発するような感情があって、それで父親を足蹴にしたのだと思います。

だが、その理由が全然書かれていない。
「文学」として深く掘り下げられていないのです。

そういう意味で、この本は、普段読書をしない人にまで読まれて200万部になったのでしょう。
だけど、「文学」としては歴史に残らないと思います。

そして僕が強く言いたいことは、講談社がHPで勧めておきながら、この本は現在、絶版状態にあるということです。
僕も中古で買いました。
中古の本を買うのは悲しい。

それは無いんじゃないですか?
200万部も売ったんだから、細々とでもいいから、再版を続けて欲しいです。
それじゃあ、本があまりにも可哀想です。

講談社といえば日本一の出版社。
日本の文化を背負っているのですから、ぜひこういうことも考えて頂きたいと思います。