パニくる!? パニック障害、「焦らない!」が効くクスリ。(櫻日和鮎実)2018年08月01日 19時26分12秒

パニくる!? パニック障害、「焦らない!」が効くクスリ。
パニック障害はほんとうに難しい病気です。
決定的な治療方法が無く、完治するまでにとても時間がかかります。
あるいは完治しないこともあります。
病気とうまく共存共栄するしか方法は無いのかもしれませんね。
誰にでも起こる病気ですが、予期する人は誰もいないでしょう。
専門家の話も重要ですが、体験者の話にも耳を傾けた方がいいですね。

10倍速く書ける 超スピード文章術 (上阪 徹)2018年08月06日 23時05分08秒

10倍速く書ける 超スピード文章術
なるほど、こう来ましたか。
10倍速く書けるというので、作文術かと思いましたが、筆者によれば書く前に本は完成している(それに近い)ということですね。
大事なポイントは読者を想定すること、その読者に何を伝えたいか目的を明確にすること、そしてそのために素材を集めるということです。
大変納得することができました。

文章術に関しては、目の前の相手に語りかけるように分かりやすく書くと述べていますが、そもそも上坂さんは語るのがうまいのではないでしょうか?
作家さんという人種は必ずしもみんながそうではありません。
以前、講談社g2でノンフィクション作家にインタビューを行いましたが、ほとんどの人は「フツー」に喋るんです。
ところが文章になるとものすごい「冴え」を見せるんですね。
文章も喋りも同様にうまかったのは、佐野真一さんかな。
彼はまさに語るように書いていたのだと思います。

一般的には語る力と書く力は少し違うんじゃないかなと思います。
ぼくも歳を取って本当に喋る力が落ちました。患者さんに対してもそうだし、インタビューを受けるときでもそうです。「いい言葉」が出てこないんですね。
しかし書くことに関しては決して衰えたとは思っていません。
ま、進歩もしていませんが。

しかし上坂さんの書く力は本当にすごい。
5日間で10万字、1冊の本を書くなんて、とても実感できません。才能のある人が羨ましいな。

いのちは輝く〜障害・病気と生きる子どもたち(23)2018年08月09日 13時48分21秒

第23回目連載を書きました。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180713-OYTET50021/

時間がありましたならば、ご覧になってください。

ハタチになったら死のうと思ってた AV女優19人の告白(中村 淳彦)2018年08月10日 21時53分55秒

ハタチになったら死のうと思ってた
別にアダルトヴィデオに興味があるわけではありません。
ぼくの興味は「人間」です。
人間にとって最大のミステリーは人間ではないでしょうか?
また人間にとって最大の敵は人間です。
ウイルス(たとえば天然痘)によって滅ぼされた文明もありますが、人間がもっとも大量死した理由は、戦争を含む政治による殺戮です。
なぜ、人間とはこんなに分かりにくい生き物なのでしょうか?

したがってぼくの読書傾向も、人を描いたものに集中する傾向があります。
AV女優などは、ぼくが絶対にやらない(当たり前か)仕事なので、なぜそういう仕事につくのか、とても興味があるわけです。

ぼくの書く本もそうです。人間とは何かということを知りたくてインタビューするのですね。
決して有名人に話を聞く必要はありません。
沢木耕太郎さんの「無名」だってまったく無名の人を主人公に据えています。
しかし、人の生き方を深く深く掘っていくと、そこに何か真実の光みたいなものが、突き抜けた向こう側に見えてきたりするのです。
そういう経験をしたいから、本を読んだり、書いたりしているのだと思います。

「ハタチになったら死のうと思ってた」なんて、若い女の子がなかなか言える言葉じゃないと思います。

ブルーザー・ブロディ 30年目の帰還(斎藤 文彦)2018年08月15日 11時03分40秒

ブルーザー・ブロディ 30年目の帰還
世界最強のプロレスラーという評価もありましたが、人気ではスタン・ハンセンを超えることができませんでした。
なぜでしょうか?
ブロディには「インテリジェント・モンスター」というキャッチフレーズがありましたが、彼のファイトスタイルはインテリが陥りやすい、ある種のステレオタイプになっていた面があると思います。

新日本プロレスでハンセンとダイナマイト・キッドが大人気だった理由は、「そんなことをしたら怪我しちゃうよ!」というファイトスタイルにあったと思います。つまり「過激なプロレス」ですね。
一方でブロディは、モンスターを演じていたように見えてしまうのですね。
チェーンを振り回して、「ウォ、ウォ、ウォ」を叫ぶのは、プロラスの枠内のショーだったように思えます。

結局、猪木との間でも名勝負を作ることができなかった。
すべての試合が未決着と言ってもいいような内容でした。彼のプライドが負けを許さなかったのでしょうか?
ハンセンは、猪木と勝ったり負けたりしていましたが、それで人気が上がった部分があります。
消化不良の試合を続けたことが、一流であってもナンバーワンになれなかった理由なのではないでしょうか?

ハンセンと並び立つと、ブロディの方が一回り大きいんですよね。
しかしその大きさを感じられなかったのはちょっと不思議です。

こころの病に挑んだ知の巨人(山竹 伸二)2018年08月15日 22時45分09秒

こころの病に挑んだ知の巨人 (ちくま新書)
著者は精神科医でも心理士でもなく、評論家。
そういった立場の人が、よくぞここまで書けたと感嘆します。
知の巨人は次の5名。
森田正馬・土居健郎・河合隼雄・木村敏・中井久夫。
ぼくも一応医者なので、この5名の名前は知っています。
土居健郎の「甘えの構造」も読んだ経験があります。しかしながら、それ以上のことはあまり知りません。
ぼくが知っているのは、森田先生の「あるがまま」とか、河合先生の「箱庭療法」とか、中井先生の「絵画療法」くらいです。
筆者は、深く細かく分かりやすく彼らの治療方法や人間論を解き明かしていきます。
最もクリアカットに描かれていたのは森田先生の森田療法です。大正から昭和初期にこのような大きな仕事を成し遂げたというのは驚異的です。まさに知の巨人ですね。
それぞれの先生の人間観も大変興味深く、人間を論じることは日本文化を論じることにもなっています。

それにしても精神科医というのは、難しい仕事とつくづく感じました。ぼくは外科医を選んで良かったのかもしれません。
オススメの1冊です。

2018年インフルエンザ・ワクチン よくある質問集2018年08月18日 16時45分34秒

質問「ワクチンの効果は本当にあるんですか?」
答え「大人に比べると、子どもでは免疫が付きにくいことが分かっています。しかし、接種すればインフルエンザにかかることが少ないことは間違いありません。かかっても軽症で終わるという意見も小児科医の間に以前からあります」

質問「インフルエンザ脳症は、防げるのですか?」
答え「インフルエンザで一番怖いのは、小さい子どもに見られる脳症です。脳症を100%防げる訳ではありませんが、脳症にかからない最大の防御はワクチンということになります」

質問「ワクチンをうって、どのくらいで免疫が付くのですか?」
答え「2回接種した後に、2週間くらいで免疫が上がり、5ヶ月くらい効果が持続します」

質問「卵アレルギーがあるのですが大丈夫でしょうか?」
答え「卵でアナフィラキシー・ショックを起こしたことがありますか? あればやめたほうがいいです。軽い湿疹程度なら可能ですが、アレルギーが起こる可能性があることを了解しておいて下さい」
(アレルギーが起こった場合は、一般外来を受診して治療します)

質問「何才から接種を受けたほうがいいですか?」
答え「生後6ヶ月以上です。アメリカでは生後6ヶ月から24ヶ月のお子さんに最も重点的に接種を行っています。」

質問「生後6ヶ月なのでまだ卵を食べたことがありません。アレルギーがあるか分かりませんが大丈夫でしょうか?」
答え「大丈夫とは断言できません。アレルギーが起こる可能性があることを了解しておいて下さい」
(アレルギーが起こった場合は、一般外来を受診して治療します)

質問「では、卵を食べたことが無いのでやめたほうが良いでしょうか?」
答え「接種した時のリスクはゼロではありませんが、インフルエンザにかかってしまった場合に症状が強く出るのも小さなお子さんです。アレルギーの可能性があることをご了解していただけるなら、うった方が良いと思います。」

質問「大人はうってもらえますか?」
答え「子どもに付き添って来るお父さん、お母さんにはうちます。大人単独ではうてません。付き添いのお祖父さん、お祖母さんにはうてません」

質問「妊娠しているのですが、大丈夫ですか?」
答え「妊娠20週以上で、なおかつ、担当の産科の先生の許可があれば接種します。インフルエンザ・ワクチンは、不活化ワクチンですので胎児に対する影響は無いと考えられています。アメリカでは積極的にうっています。しかし、念のために20週未満は、当クリニックではうたない方針です」

質問「何回うつのですか? 料金はいくらですか?」
答え「13歳以上は1回です。13歳未満は2回が原則です。料金は1回につき3600円です」

質問「今年の変更点はありますか?」
答え「ありません。A型2種とB 型2種の4価ワクチンになっています。効果が少しでも高くなることを意図しています。接種料金も昨年と同じです」

質問「どうやって予約するのですか?」
答え「携帯電話またはパソコンからのみの予約になります。電話や窓口では予約できません。キャンセルも携帯電話またはパソコンから行ってください。2回まとめて予約をとりますが、無断キャンセルすると自動的に2回目の予約は消失し、今後、当院の予防接種をお断りします」

2018.8.17
松永クリニック小児科・小児外科
松永正訓

我が家のヒミツ (集英社文庫) 奥田 英朗2018年08月20日 16時18分05秒

我が家のヒミツ (集英社文庫) 奥田 英朗
来週夏休みを取るので、そのときにゆっくり読もうと思って購入しました。
しかし、読みたくて読みたくてがまんできず、読んでしまいました。
面白い。
本当に面白いです。
文章はある意味でパターン化されていますが、題材の見つけ方とか、人の心の機微の見つめ方とか、本当にこの人は天才だと思います。

ぼくは純文学と大衆文学に分けるというのは、性に合いませんので、あらゆる現代作家をまとめて評価すると、梁石日さん、花村萬月さん、西村賢太さん、奥田英朗さんは、最高の作家さんだと思います。
文学を書いている作家さんは、当たり前とはいえ、どの方も本当に文章がうまいですよね。
奥田さんの文章も、目がつり上がったようなシャープな文体を駆使するわけじゃないんですけれど、考え抜かれた表現だと思います。
ベースにあるのは、人を見る目なんでしょうね。観察眼かな。
人間が好きなんだと思いますよ。

面白い小説を読みたい人! どうぞこれを読んで下さい。

緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」2018年08月20日 22時44分30秒

緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」
先日閉会した国会で、内閣不信任決議案を提出した野党を代表して演説をおこなった枝野さんの発言記録が本になりました。
枝野さんの演説は3時間近くに及び、記録が残っている衆議院では最長のものだそうです。
しかし、ただ長いだけではありません。
安倍政権の政治的劣化を論難するだけにとどまらず、立憲主義、民主主義、理想の国会、理想の政治について語っています。

この本を出版したのは、扶桑社です。ご存じの方も多いと思いますが、この会社はフジサンケイグループです。つまり自民党の側、政権の側について擁護の論陣を張って報道をおこなう会社です。
その扶桑社が、言ってみれば宿敵にあたる枝野さんの演説を本にしたというのは、立場を超えて政治の理想に何か感じるところがあったからでしょう。

この本を読んで最も驚いたことは、3時間の演説にあたって枝野さんは原稿を作っていなかったということです。
項目立てをしたレジメだけで、憲政史に残るような演説をしたということは、彼の普段からの政治家としての軸がいかにしっかりとしていたかを表しています。

一時の勢いはないとは言え、安倍政権は今でも50%くらいの支持率を誇っています。
この日本人の心情って一体何だろうと不思議に思います。
「美しい国」とはほど遠い姿をさらけ出した先の国会にあって、枝野さんの演説は一筋の光明だったとつくづく感じます。
みなさんも読んでみてください。
現在、Amazonで大ベストセラー中です。

木村政彦 外伝(増田俊也)2018年08月29日 23時04分33秒

木村政彦 外伝(増田俊也)
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」と同じように上下二段組で700ページあります。
タイトルがこれでいいのかよくわかりませんが、本の中身のほとんどが増田さんの対談集です。
角幡さんとの対談などはあまり柔道に関係がないようにも読めますが、基本的にこの本は、増田さんの柔道への愛、そして木村政彦への愛で溢れています。
ノンフィクションを書く上で最も重要なことは、取材対象者に対する思い入れと、ある編集者から教わったことがあります。
ええ、そう思います。相手を尊重しないと、いい文章は書けません。
増田さんは心の奥底から木村政彦を尊敬しているのでしょう。

日本人の中で木村政彦の名前を知っている人はどれだけいるでしょうか? そんなにすごい数ではないでしょう。
しかしマニアは熱烈によく知っている。だから「マニアの心に深く刺さらないと一般に広く受け入れられない」と増田さんは説きます。
現に「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」は大ベストセラーになりましたし、この言葉には深い真実が含まれていると感じます。

さて、話は脱線しますが、実はぼくは講道館柔道の黒帯を持っています。まじですよ。
講道館の昇段試験を受けて、初段・黒帯を取ったのです。
ぼくは都立白鴎高校というところに通っていましたが、この高校の柔道の先生が山本先生という方でした。お爺ちゃん先生です。
身長は170cmもない小柄な先生でした。太ってもおらず、むしろ痩せている感じでした。
しかし! 山本先生は柔道界では高い地位にいたようです。
テレビで日本選手権を見ていると、山下泰裕が入場して来るときに、山本先生は山下を先導していました。

で、山本先生の柔道は強かったのかと言うと、人間業とは思えないくらい強かったです。
ぼくは時々、乱取りをやって頂きましたが、あるときに、先生が「ちょっと本気」でぼくと稽古をしてくれました。
すると・・・ぼくは2秒くらしか立っていられないんです。先生に触った瞬間に投げ飛ばされて背中から畳に叩きつけられてしまうんです。
で、立つ。2秒経過する。また投げられる。これを20回くらいくり返しました。
最後は胴締めをされて、失神しそうになったところで、力を抜いてくれました。
ぼくの同級生の185cm, 90kgくらいの奴も背負い投げで吹っ飛ばされていましたから、この人がストリートファイトで闘ったら、素人なんか一発で殺されると思いました。
(アスファルトに頭から落としたら死にますよね)

結局ぼくは大学に進んでラグビーを始めてしまい、柔道はやめてしまいました。
だけど柔道で培ったフィジカルの強さは、ラグビーのタックルで役立ちました。
ぼくのタックルはけっこう強烈で、6年生のときにはフルバックをやっていましたが、タックルを外されてトライを奪われたことは1回もありませんでした。

ま、男は格闘技と自動車に憧れる生き物です。歳をとっても変わりませんね。