ルポ 「トランプ信者」潜入一年 (小学館新書) 横田 増生2025年02月02日 22時20分16秒

ルポ 「トランプ信者」潜入一年 (小学館新書) 横田 増生
『ルポ 「トランプ信者」潜入一年』が新書になりました。
筆者は潜入取材の第一人者である横田増生さん。
2022年に単行本ですでに読んでいますが、やはりおもしろい。
ユニクロやアマゾンの潜入記もおもしろかったのですが、今作はちょっとスケールが違うし、取材の深みも違うように感じます。

昔、アメリカンニューシネマの代表作で『イージーライダー』という映画がありました。
自由を求めて若者がバイクに乗ってアメリカ中を走るという作品です。
ラストシーンは大変衝撃的で、南部を走っていた主人公は地元の白人に銃で打たれて死んでしまうのです。
なぜでしょうか?
それは、保守的な人間から見ると、自由を求めてバイクで旅する人間なんて邪魔者だからです。

アメリカは自由と民主主義の国と思っていたぼくは、大変ショックを受けて、アメリカには2つの顔があるなと思ったものです。

トランプがここまで支持される理由の中に、陰謀論と彼のウソがあります。
日常的にウソをつき続けると、それを信じてしまう人たちが生まれて来るんですね。
ナチスと同じ論理です。

横田さんは、陰謀論が広く信じられる理由として、キリスト教の考え方が背後にあると指摘していました。
なるほど、それは十分ありそうですね。

では、日本はどうでしょうか?
兵庫県知事選では何が起こったのでしょうか。
いわゆるオールドメディアを信用せずに、ネット・SNSの中に真実があると考えた人たちは、陰謀論ではないかもしれませんが、デマに惑わされた可能性はないでしょうか。
そんなことを考えさせられました。

強烈におもしろい作品です。みなさんにぜひ、おススメします。