バブル兄弟 ‶五輪を喰った兄〟高橋治之と〝長銀を潰した弟〟高橋治則(西﨑 伸彦)2025年08月06日 08時51分25秒

バブル兄弟 ‶五輪を喰った兄〟高橋治之と〝長銀を潰した弟〟高橋治則(西﨑 伸彦)
大宅賞受賞作です。
ちょっと前の本なんですが、読んでみました。
まず、タイトルがすごいですよね(笑)。
これにはやられました。
高橋兄弟の評伝ですが、いや、よくここまで取材したなと感心します。
これは並大抵ではありません。
アンチヒーローとしての兄弟の生き方を鮮烈に描きだしていました。
ノンフィクションの王道をいく作品です。大宅賞も当然でしょう。

近親性交: 語られざる家族の闇(阿部 恭子)2025年08月09日 19時14分23秒

近親性交: 語られざる家族の闇(阿部 恭子)
こういうタイトルなので、注目を集めやすいと思いますが、底の浅い作品ではありません。
これは性的暴力の話であり、家族と社会、あるいは家族と世間との関係性を描いたルポルタージュです。

問題の根っこにあるのは、子の人権が承認されていない日本という国の社会性に行き着くのでしょう。
家族って、本当に難しいと思いますし、社会通念が変化していかないと、つらい思いをする子どもはこれからも消えないということです。

夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」(斉藤章佳)2025年08月14日 13時46分11秒

夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」(斉藤章佳)
加害者家族の実態と苦しみを描いていました。
日本は連帯責任の文化がありますので、加害者本人が罪を償って終わりとはなりません。
大変勉強になりました。
しかし、このタイトルはちょっとどうでしょうか?
ルポルタージュと思って読みましたが、内容は評論でした。
こういう本の作り方はどうかと思います。
評論が読みたい人には届かず、ルポが好きな人はがっかりすると思います。

荒野に果実が実るまで 新卒23歳 アフリカ駐在員の奮闘記(田畑勇樹)2025年08月18日 19時29分07秒

荒野に果実が実るまで 新卒23歳 アフリカ駐在員の奮闘記(田畑勇樹)
ウガンダの荒野にトマトが実るまで、彼の地で悪戦苦闘する若者の奮闘記です。
政治家などの有力者は、自分に利益が入ることしか考えないし、現地の人たちも自立するより食料を配布してもらうことに慣れてしまっており、前半はイライラしながら読みました。
最終的に荒地にトマトが成るのですが、そこまでが長かったです。
筆者は若いのに、実行力がすごいですし、また、文章力も見事でした。
これからもご活躍してください!

南京事件 新版(笠原十九司)2025年08月27日 15時43分46秒

南京事件 新版(笠原十九司)
膨大な資料を解析した笠原さんの著作です。
南京事件はいつ、どこから始まったのか?
それは上海上陸から南京城へなだれ込むまでです。
その間、皇軍は農民を殺し、奪い、強姦し、放火し尽くしました。
南京に入城してからは、敗残兵・投降兵を皆殺しにしました。「残敵掃蕩」というものです。
殺した数は最低でも10数万人。強姦した数は数万人と考えられています。
すべての日本人が読んだ方がいいでしょう。
なぜなら、「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となる」からです。
特に桜井よしこさんは読んだ方がいいと思います。

介護未満の父に起きたこと(ジェーン・スー)2025年08月30日 20時36分52秒

介護未満の父に起きたこと(ジェーン・スー)
これは企画の勝利かもしれません。
介護未満の親のケアについて書くなんて、これまで誰も思いつかなかったと思います。
内容は盛りだくさんでおもしろいのですが、それ以上に作者の文章の強さが前面に出すぎて、父親の人間性の描写が弱い感じです。
こういう文章がエッセイ賞を受賞したりするのかも。
でも、ぼくにはこういう文章は書けないし、書きたいとも思いません。
途中、開業医を見下すような表現があり、非常に残念でした。
自分の親を見て、「この先、要介護になっちゃうのかな?」と思っている人におススメです。