出かけて来ました。稲毛まで。2006年10月01日 20時18分56秒

僕の26年来の友人は稲毛駅の近くに「ゆざ耳鼻咽喉科」を開業しています。文字通り行列のできるクリニックで稲毛駅からクリニックまでは駐車の列とのことです。彼は何よりも心が優しいし、技術が確かなので、行列ができて当たり前でしょう。
このたび、クリニックは稲毛駅から少し離れた広い土地に移転しました。3階建てのビルです。今日、家族で内覧会へ行って来ました。
立派な手術室がありホテルのような個室の病室も4部屋あります。内装は、うちのこどもクリニックと違って落ち着きと豪華さが感じられます。これはますます患者さんが殺到するでしょう。彼の手術の腕の良さは大学時代から評判でした。若い先生達がみんなこぞって彼に手術を教わっていたそうです。新しいクリニックでもきっと力を発揮するでしょう。
さて、帰宅すると同窓会報が来ていました。何々、皮膚科の新しい教授に松江弘之?あれ、松江さんて僕と一緒の班で実習をした松江さんのこと?蓑島先生に続いて2人目の教授ですね。僕の実習グループ5人中2人が教授ということになります。

RNA干渉2006年10月02日 21時38分57秒

今年のノーベル賞の医学・生理学部門に「RNA干渉」の発見が選ばれたそうです。
2本鎖RNAがほどけてアンチセンスのRNAになり、本来働いているセンスRNAを不活化するというものです。この説明で分かりました??興味のある方はGoogleで調べて下さい。
もちろん、大発見だとは思いますが、これがノーベル賞級の大発見でしょうか?利根川博士の免疫グロブリンの多様性の解明とか、キャリー・マリスのPCRの発明に比べると余りにもスケールが小さい気がするのは僕だけでしょうか?
基礎医学の価値は、その発見(発明)がどれだけ広く普遍的に時代や地域を越えて応用されるかにあります。RNA干渉も医学に臨床応用されて、患者さんに利益をもたらすようになると素晴らしいことですね。これからの発展に期待しましょう。

大学病院、依って立つところは?2006年10月03日 20時47分10秒

昨夜、千葉大病院へ行って来ました。小児外科の「関連病院カンファランス」に参加するためです。大学から症例提示があったのは、『先天性門脈欠損』の患者さんです。みなさん、こんな病名、聞いたことあります?
これは小児外科医でなければ知らない病名でしょう。ただし、きわめてまれな疾患です。僕自身、20年の医者生活で初めて見たことになります。
このまれな病気の子どものために、大学の小児外科の先生たちの払った努力は、、、それは一般の方々には到底理解できないと思います。多大な時間をかけて、何人もの小児外科ドクターたちが、たくさんのパラメディカルと協力して、ものすごく面倒な検査を、過去に報告された論文をたくさん読みながら、、、それこそ、昼食もろくにとらず、他の一般業務もこなしながら様々な検査をやったことが、僕には手にとるように分かります。
さすが、大学病院です。
しかし、これを医療経済から考えると採算割れも良いところ、赤字も赤字、大赤字でしょう。こんな検査をやってくれる施設は大学病院以外にありえません。
だから、、だからこそ、大学病院なんです。
あなたのお子さんが難病にかかって、治療手段が分かっているのにそれをやったら赤字になるという理由で満足な治療を受けられなかったら、あなたは納得しますか??
そのために大学病院があるんです。しかし、この大学病院にも「在院日数」とか「ベッド占床率」とか経済の論理が押し寄せています。
は? なんで自分自身の価値を落とすのでしょうか?大学病院がどうあるべきか、それって誰が決定してるんでしょうか?責任者は誰ですか?その人の意見をぜひ聞いてみたいですね。しかし、皮肉を言えば、高尚な哲学が聞けるとはまったく思っていません。責任者は僕の爪の垢を煎じて飲んで下さい。

給料、上げろ!2006年10月04日 20時37分36秒

昨日の続きです。
大学病院に『経営の論理』を持ち込んで潤っているのはだれですか?「国」ですよね?国が医者たちの上前をはねている訳です。
そんな観点で大学病院が存在しなければならないのなら、大学病院を民営化すれば良いだけの話しです。郵政民営化よりはるかに分かりやすい。
大学病院に高度先進医療を行なう事を命じておきながら、採算性も要求し、この自家撞着を解決する手段として現場の医者から搾取する訳です。
職業に貴賤無しと言いますが、大学病院のドクターくらい、その仕事の価値と評価(給料)が一致しない職種は無いと僕は断言できます。(ただし、念のために言っておけば教授は別です。社会から評価されますから。もっと給料をくれと言う教授はあほです。嫌なら辞めればいいんです。)
くどくど、書きましたが、僕の主張は明快です。大学病院のドクターの給料を上げろ!

明日は4ヶ月健診2006年10月05日 21時16分06秒

明日は千葉市の4ヶ月健診に出かけて来ます。
初めての体験ですので、今日は若葉保健センターの方々がわざわざ説明に来てくれました。
10月に入り連日、たくさんの患者さんがクリニックにお見えになっていますが、申し訳ありません、明日は午前11時で受付を終了させて下さい。

教授夫人にお会いしました2006年10月06日 15時51分40秒

今日は午前で診療を終わらせて千葉市の4ヶ月健診に行って来ました。
健診を行なうのは僕を含めて3人の小児科医です。あ、僕は小児外科医でしたね。
で、そのうちのお一人が先日退官したICUの平沢教授の奥様、平沢小児科の平沢先生です。初めてお会いしたので、もちろん、僕はお顔が分かりません。しかし、向こうの方から僕のいる診察室の方へご挨拶に見えられました。
恐縮です。
さすが、教授夫人です。うちのがらっぱちの家内と違ってなんと品のある女性でしょうか。これなら患者さんもママたちも安心して診療を受けられますね。
もうひとかた、お見えになっていた大ベテランの小児科の先生はあたりの強い先生でした。大雨の中、今日は人数が少なかったのにこんなに時間がかかったのは、初めて健診に来た僕のせいのようなおっしゃり方でした。
まあ、確かにそうかもしれません。失礼しました。でも、丁寧にお子さんを診てママたちの質問に次々と答えて行くと時間が長くかかってしまうんですね。
健診が終わった後には僕のクリニックの場所を聞いてきたママもいたとか。
ところで、若葉福祉保健センター、大変きれいで素敵な空間でした。今後も健診にお邪魔させて頂きたいです。
しかし、僕は小児外科医だし、時間あたりにこなせるお子さんの数も少ないし、クビにされても文句は言いませんよ。他のドクターに迷惑がかかりますからね。

ぜんそくクリニック2006年10月07日 20時26分31秒

昨日は大嵐、で、僕は午後から千葉市の健診に出かけましたので、クリニックに見えた患者さんは15人だけでした。
その15人の患者さん、ほとんどが喘息だったのではないでしょうか??
本当に多いです。喘息の患者さん。で、たいていの方が、以前から何度も喘息っぽいて言われたことがある、、、とおっしゃいます。それは、「っぽい」のではなく、喘息なんです。で、何となくテオドールを使われたり、何となくホクナリンテープを貼られたりしているんですね。
「っぽい」では無くて、ちゃんと喘息とは何か、どうやってコントロールするか、きちんとした説明が必要ですよね。
大学在職中は、全身麻酔が必要な重症の喘息患者さんをよく診ましたが、クリニックでは間欠型が大部分です。軽症持続型は数人。僕の手に負えなくて管理を完全に専門家にお願いしたお子さんが1人です。
毎日、毎日、何十人というお子さんに聴診をしますが、最近ではそれって喘息を見つけるためにやっているのではないかという気がしています。

マリスのPCR2006年10月08日 20時14分10秒

先日、キャリー・マリスがPCRの業績でノーベル賞を受賞した事に触れました。
PCRという言葉は、医者であれば知らない人はいないでしょう。しかし、一般の方でこの技術を知ってる人は反対にまったくいないでしょう。
これは遺伝子解析技術のひとつで、どういったものかの説明は長くなるので省略します。ただ、この技術がもたらしたものの一つに、基礎医学者しか出来なかった遺伝子研究を臨床医に解放したということがあげられます。
僕が千葉大学のウイルス学教室でPCRを初めておこなったのが、1991年。この時点でPCRという言葉を知っていた当時教授は今の千葉大には多分一人も居ないと思います。何しろ日本語の解説本が無かった時代ですから。
で、マリスです。シータス社の「スチャラカ社員」です。サーフィン好きの女好き、真面目に研究はやらず、いつもアイデアばかりを喋りまくり、大発見だと大ボラばかりを吹いていました。PCRのアイデアも口にするだけで全然実証しません。業を煮やした会社の上司が実際に実験を行なわせたのがSaikiという人物です。この当時は、Saikiの名前がたくさん論文に出ていて、僕はこの人がPCRを発明したのかと思っていました。この方は、日系でしょうか?テクニシャンなのでしょうか?
マリスがPCRのアイデアを思いついたのは彼女とのデート中というのは有名なエピソードです。
マリスはノーベル賞だけでなく日本にも招かれて賞を受賞しています。来日して婦人同伴でパーティーで天皇皇后両陛下に謁見した時、皇后陛下から「この方がアイデアがひらめいた時にデートをなさっていた方ですね?」と聞かれたそうです。マリスの答えは「あ、あれは別の女です。」皇后陛下は少しも動ぜずにおっしゃったそうです。「じゃあ、またもう一つ大発見が出来ますね。」

熱を下げろ!2006年10月09日 23時11分58秒

3歳の娘が熱を出しました。晩ご飯も食べずに寝てしまいました。
うう。泣く。
ところで、この夏、クリニックが暇な時にうちのスタッフで3種類の親御さん向けパンフレットを作りました。そのうちの一つが『子どもと発熱』です。
いろいろなことが書かれていますが、要は、発熱は「ウイルス・ばいきん」が起こしているのではなく、「ウイルス・ばいきん」と戦うために子どもが自分で出しているということ、熱を下げても病気は治らないということです。
だから僕はクリニックでいつもママ達に言っています。この子から「熱」という症状を差し引いてごらん、何が残る?って。
必要も無いのに深夜とかに夜間診療所に行ったりするのは、お子さんの体力を奪うだけですからね。熱だけなら自宅で安静が第一です。
でもそれを考えると、大学病院在職中って患者さんが発熱するたびにどんな時間でも呼ばれて(起こされて)ましたよね。「先生ー!発熱時のオーダーありませんよ!」とか。
でも、数時間の全身麻酔で手術を受ければ術後に熱くらい出ても当たり前ですよね。様子見てて良いんじゃないですか?入院してるんですから、患者さんは。
何で、在職中はあんなに熱を下げる事にこだわっていたんでしょう?

9歳の娘2006年10月10日 21時37分19秒

今、僕の膝の上には9歳の長女が座っています。僕の人生の宝物です。
娘は「今日のブログ、何書くの?」と聞いてきます。そう言われるとなかなか書けません。
僕のこれからの人生にはたくさんの夢や希望がありますが、そのうちの一つは、、、20(はたち)になった長女と銀座へ行って映画を見て寿司屋のカウンターで寿司をつまみながらお酒を飲むことです。
あと11年、我慢しなければなりませんね!
今夜はここまで。おやすみの時間です。