ジャーナリストという仕事 (岩波ジュニア新書) 斎藤 貴男 ― 2016年05月02日 21時35分43秒
ジャーナリストの最大の仕事は権力を監視してチェックすること。
ええ、そう思います。
ただ、評論家のようにそう言うのではなく、ジャーナリストとしていかなる事実によって権力の悪に斎藤さんは迫ったのでしょうか?
それを知るためには、筆者の様々な本を読む必要があります。
権力の悪には大もあれば小もあります。
ジャーナリストが、権力の中枢に切り込めば体制側によって命を奪われることもあり得ます。
自分が在籍した時の文藝春秋は「柔軟な保守」だったけど、いなくなってからは「権力寄りの保守」になったというの解釈がちょっと甘いような気がします。
日本の最大権力は独占資本であり、天皇制だと思います。
フリーのジャーナリストが、そこに闘いを挑むのは愚かなことかもしれませんが、読者に向かってジャーナリストになることを呼びかけるならば、命の危険のギリギリのところまで迫る覚悟が必要だと思います。
斎藤さんは読売新聞の姿勢を厳しく批判しています。筆者の考え方には頷ける点も多々ありますが、読売新聞にも反論なり主張があるでしょう。
そういう部分を取材していればもっと面白く仕上がったと思います。
政治も新聞も、国民のある部分(あるいは多勢)の意見を反映しているのですから、政党や新聞を叩くということは、国民のある層を叩くことになりかねません。
ジャーナリストが、人民の悪口を言い出すのは安易過ぎる行動・言動だと思います。
ええ、そう思います。
ただ、評論家のようにそう言うのではなく、ジャーナリストとしていかなる事実によって権力の悪に斎藤さんは迫ったのでしょうか?
それを知るためには、筆者の様々な本を読む必要があります。
権力の悪には大もあれば小もあります。
ジャーナリストが、権力の中枢に切り込めば体制側によって命を奪われることもあり得ます。
自分が在籍した時の文藝春秋は「柔軟な保守」だったけど、いなくなってからは「権力寄りの保守」になったというの解釈がちょっと甘いような気がします。
日本の最大権力は独占資本であり、天皇制だと思います。
フリーのジャーナリストが、そこに闘いを挑むのは愚かなことかもしれませんが、読者に向かってジャーナリストになることを呼びかけるならば、命の危険のギリギリのところまで迫る覚悟が必要だと思います。
斎藤さんは読売新聞の姿勢を厳しく批判しています。筆者の考え方には頷ける点も多々ありますが、読売新聞にも反論なり主張があるでしょう。
そういう部分を取材していればもっと面白く仕上がったと思います。
政治も新聞も、国民のある部分(あるいは多勢)の意見を反映しているのですから、政党や新聞を叩くということは、国民のある層を叩くことになりかねません。
ジャーナリストが、人民の悪口を言い出すのは安易過ぎる行動・言動だと思います。
YOUNG GUITAR (ヤング・ギター) 2016年 05月号 ― 2016年05月03日 20時11分30秒
Babymetal 特集号です。
で、当然 Babymetal へのインタビュー記事を目的に買いました。
悪くないのですが、びっくりするほど良くはありませんでした。
僕がインタビュアーならば全然違うことを聞いたのに。
ぜひ会って話を聞いてみたいなと感じました。
で、当然 Babymetal へのインタビュー記事を目的に買いました。
悪くないのですが、びっくりするほど良くはありませんでした。
僕がインタビュアーならば全然違うことを聞いたのに。
ぜひ会って話を聞いてみたいなと感じました。
脳からみた自閉症 「障害」と「個性」のあいだ (ブルーバックス) 大隅 典子 ― 2016年05月04日 17時39分32秒
いろいろな意味で難しい本でした。
自閉症スペクトラムは、脳の障害によって発生する病気・障害です。
しかしながら、こういった解説書を手がけるのは、小児科医だったり児童精神科医だったり心理学者だったりして、脳の基礎医学者が本を書くことはあまりないように思います。
従って、脳神経の発生生物学者がどういう切り口で自閉症に迫るのか興味をもって読みました。
文章は滑らかで読みやすいと思いました。本人がすべて書いたのかは別ですが。
そしてやはり神経発生学の解説はとても細かく、ま、正直言って門外漢の僕にはやや難しかった。
一般の人はスラスラ読めるのかな? どうなんでしょうか?
こうした深いレベルの生物学に入っていって自閉症の原因に迫りますが、すべて「仮説」や「現在研究中」という言葉で行き止まってしまう。
最先端の科学に触れているのだからそれは当たり前でしょう。
ですが、読む側としてはちょっとじれる。
かつてのがんの研究もそうでした。
フォーゲルシュタインの多段階発がんモデルをもって、がんは分子レベルですべて説明されてしまったように見えたものです。
しかしその後、科学が進み、次世代シークエンサーなどが登場したりエピジェネティックスの概念が広まったりすると、がんの生物学は「まだまだ分からない」となってしまうのです。
本書に話を戻すと、そうした先端科学の解説をしながら、「コドン表」とか「セントラルドグマ」の話をするのは余りにバランスが悪いかなと思います。
「入門書」「解説本」というのは、どういう読者層(高校生か大学生か大学院生か社会人か)に向けて説明をするかとても難しいものです。
ですが、きょうび、高校生であれば遺伝子の基礎くらいは誰でも知っています。
ハーシー・チェイスの実験なんて書く必要はないでしょう。
そういう意味でも難しい本でした。
しかし当然ながら僕の知らないこともたくさん書かれており、自閉症と「WAGR症候群」との関連なんて初耳でした。
「脳からみた自閉症」とはいいタイトルを付けましたね。
でも、少し正確に表現するならば「神経発生学と自閉症」という感じです。
僕は読んで良かったと感じています。
自閉症スペクトラムは、脳の障害によって発生する病気・障害です。
しかしながら、こういった解説書を手がけるのは、小児科医だったり児童精神科医だったり心理学者だったりして、脳の基礎医学者が本を書くことはあまりないように思います。
従って、脳神経の発生生物学者がどういう切り口で自閉症に迫るのか興味をもって読みました。
文章は滑らかで読みやすいと思いました。本人がすべて書いたのかは別ですが。
そしてやはり神経発生学の解説はとても細かく、ま、正直言って門外漢の僕にはやや難しかった。
一般の人はスラスラ読めるのかな? どうなんでしょうか?
こうした深いレベルの生物学に入っていって自閉症の原因に迫りますが、すべて「仮説」や「現在研究中」という言葉で行き止まってしまう。
最先端の科学に触れているのだからそれは当たり前でしょう。
ですが、読む側としてはちょっとじれる。
かつてのがんの研究もそうでした。
フォーゲルシュタインの多段階発がんモデルをもって、がんは分子レベルですべて説明されてしまったように見えたものです。
しかしその後、科学が進み、次世代シークエンサーなどが登場したりエピジェネティックスの概念が広まったりすると、がんの生物学は「まだまだ分からない」となってしまうのです。
本書に話を戻すと、そうした先端科学の解説をしながら、「コドン表」とか「セントラルドグマ」の話をするのは余りにバランスが悪いかなと思います。
「入門書」「解説本」というのは、どういう読者層(高校生か大学生か大学院生か社会人か)に向けて説明をするかとても難しいものです。
ですが、きょうび、高校生であれば遺伝子の基礎くらいは誰でも知っています。
ハーシー・チェイスの実験なんて書く必要はないでしょう。
そういう意味でも難しい本でした。
しかし当然ながら僕の知らないこともたくさん書かれており、自閉症と「WAGR症候群」との関連なんて初耳でした。
「脳からみた自閉症」とはいいタイトルを付けましたね。
でも、少し正確に表現するならば「神経発生学と自閉症」という感じです。
僕は読んで良かったと感じています。
貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書) 藤田 孝典 ― 2016年05月05日 22時40分44秒
若者にフォーカスを当てればこういう作品ができるということでしょう。
結局、「一億総活躍」なんて、現実とまったくかけ離れた夢物語であり、戦時中の精神主義となんら変わらない訳です。
老人は下流化し、若者は貧困化し、、、そして中年だって同じことです。
要は新自由主義によって日本は貧富の差が拡大し、多くの国民が「自己責任」という名のもとに下流化してしまった。
そしてアベノミクスによってそれに拍車がかかっている。
貧困状況に対して不満を抱く人間がどんどん増えていっても、そういう人たちは「左」に流れない。
「左」が敗北した歴史をみんなが知っているので、人々の心は右傾化していくのでしょう。
また国家もそういう方向に誘導している。
国の無策によって苦しんでいる人たちこそが、国家・体制を支持しているのですね。
日本には1000兆円の借金があって、その返済に行き詰まっています。
財源がないから、給付型の福祉が弱くなる。
人口減少も非婚化も少子高齢化も下流老人も貧困世代も経済成長の停滞も全部同じ問題なんです。
こういう状況を作ったのは誰でしょうか?
それは最も長く我が国で政権を担ってきた政党です。
その代表が、国民に土下座をして消費税増税をお願いするなら、まだ、分からない訳ではないですが、消費税増税の延期を公約に掲げて総選挙を仕掛けるなんて、悪い冗談にしか過ぎません。
日本は予算の組み方とか税の徴収方法を根本的に再構築して、普通の人が普通の生涯を暮らせるような国に作り直さなくてはいけません。
今度の参院選で野党第一党は公約作りに苦慮しているそうですが、これだけ問題が山積し、課題が明瞭なのに、一体何をやっているのでしょうか?
結局、「一億総活躍」なんて、現実とまったくかけ離れた夢物語であり、戦時中の精神主義となんら変わらない訳です。
老人は下流化し、若者は貧困化し、、、そして中年だって同じことです。
要は新自由主義によって日本は貧富の差が拡大し、多くの国民が「自己責任」という名のもとに下流化してしまった。
そしてアベノミクスによってそれに拍車がかかっている。
貧困状況に対して不満を抱く人間がどんどん増えていっても、そういう人たちは「左」に流れない。
「左」が敗北した歴史をみんなが知っているので、人々の心は右傾化していくのでしょう。
また国家もそういう方向に誘導している。
国の無策によって苦しんでいる人たちこそが、国家・体制を支持しているのですね。
日本には1000兆円の借金があって、その返済に行き詰まっています。
財源がないから、給付型の福祉が弱くなる。
人口減少も非婚化も少子高齢化も下流老人も貧困世代も経済成長の停滞も全部同じ問題なんです。
こういう状況を作ったのは誰でしょうか?
それは最も長く我が国で政権を担ってきた政党です。
その代表が、国民に土下座をして消費税増税をお願いするなら、まだ、分からない訳ではないですが、消費税増税の延期を公約に掲げて総選挙を仕掛けるなんて、悪い冗談にしか過ぎません。
日本は予算の組み方とか税の徴収方法を根本的に再構築して、普通の人が普通の生涯を暮らせるような国に作り直さなくてはいけません。
今度の参院選で野党第一党は公約作りに苦慮しているそうですが、これだけ問題が山積し、課題が明瞭なのに、一体何をやっているのでしょうか?
寿命はなぜ決まっているのか――長生き遺伝子のヒミツ (岩波ジュニア新書) 小林 武彦 ― 2016年05月07日 23時17分11秒
面白く読みました。
岩波ジュニア新書は、若者に向けて書かれているものの決して内容のレベルは低くないことで知られていますが、本書はまさにそういう本でした。
筆者はどうやらDNAの複製・修復機構の専門家のようです。
主にそうした視点から細胞老化の秘密を解き明かしていました。
その説明は相当高度で、「DNA複製の端っこ複製問題」なんて、知っている医者はほとんどいないのではないでしょうか?
難解なことを平易に書こうと努力なさっていますが、こういう部分は書き方が難しくて、あまり平易に書くと却って理解ができない。
難しいことであれば、徹底的に細部まで説明し尽くすというのも解決策です。
そして筆者は徹底したダーウイン主義者です。
生物学者として思考の基礎がしっかりとしています。
ネズミには長寿遺伝子はないという考え方は鮮やかでさえあります。
ネズミが種を保存するためには、長寿を成し遂げることではなく、捕食されないように素早く動けるように進化したという説明ですね。
最後の方で、老化・寿命とがんとの関係が出てきますが、ここの部分はちょっと物足りなかったように感じました。
筆者ががんの専門家ではないからでしょう。
僕は1年前に講談社ブルーバックスと相談して、「永遠に生きる細胞」の話を書こうかと相談は進めて、結局は実現しませんでした。
僕の構想では、寿命のない「がん細胞」、そして正常細胞でありながら永遠に生きる「HeLa細胞」についてそのメカニズムを書きたいと思っていました。
いずれにせよ、ぼくの知らないことがたくさん書いてあってとても勉強になりました。
やはり岩波は良い本を作りますね。
岩波ジュニア新書は、若者に向けて書かれているものの決して内容のレベルは低くないことで知られていますが、本書はまさにそういう本でした。
筆者はどうやらDNAの複製・修復機構の専門家のようです。
主にそうした視点から細胞老化の秘密を解き明かしていました。
その説明は相当高度で、「DNA複製の端っこ複製問題」なんて、知っている医者はほとんどいないのではないでしょうか?
難解なことを平易に書こうと努力なさっていますが、こういう部分は書き方が難しくて、あまり平易に書くと却って理解ができない。
難しいことであれば、徹底的に細部まで説明し尽くすというのも解決策です。
そして筆者は徹底したダーウイン主義者です。
生物学者として思考の基礎がしっかりとしています。
ネズミには長寿遺伝子はないという考え方は鮮やかでさえあります。
ネズミが種を保存するためには、長寿を成し遂げることではなく、捕食されないように素早く動けるように進化したという説明ですね。
最後の方で、老化・寿命とがんとの関係が出てきますが、ここの部分はちょっと物足りなかったように感じました。
筆者ががんの専門家ではないからでしょう。
僕は1年前に講談社ブルーバックスと相談して、「永遠に生きる細胞」の話を書こうかと相談は進めて、結局は実現しませんでした。
僕の構想では、寿命のない「がん細胞」、そして正常細胞でありながら永遠に生きる「HeLa細胞」についてそのメカニズムを書きたいと思っていました。
いずれにせよ、ぼくの知らないことがたくさん書いてあってとても勉強になりました。
やはり岩波は良い本を作りますね。
ルポ 同性カップルの子どもたち――アメリカ「ゲイビーブーム」を追う (杉山 麻里子) ― 2016年05月12日 20時10分35秒
大変興味深い本、そして良質なルポと言える一冊でした。
アメリカは国家として同性婚が合法化されました。
いかにも「自由」と「権利」の国らしいと言えますが、実はアメリカという国はキリスト教保守派の力が強く、思想信条が二つに分裂した国家です。
オバマが大統領に就任した時に、一つのアメリカにと主張したのもまだ記憶に新しいでしょう。
そんなアメリカでも(イタリアを除き)欧州のように同性婚が認められる時代がやってきました。
同性婚のあとには何があるのか?
それはカップルの子どもの問題です。
養子縁組で子どもを迎えるカップルも多数いますが、自分のDNAを引き継いだ子どもを望む気持ちは、同性カップルでも異性カップルでも変わりません。
レズビアンの場合は、精子バンクから精子を手に入れて懐妊します(人工授精)。
ゲイの場合、卵子の提供を受け、さらに代理母に妊娠してもらいます(体外受精)。
同性カップルの子どもは、こうした生殖補助医療を受けて子どもをもうけているのです。
僕は全く知りませんでした。
で、問題は二つあります。
まず、こうしたカップルのもとに生まれた子どもから見た場合、子どもは幸せな人生を色々な意味で歩めるかという問題です。
本書でもそこに関する多数の解析が述べられています。
レズビアンの両親やゲイの両親のもとに生まれても、子どもは普通に育っていくと納得させられました。
僕には偏見があったようです。
そしてもう一つの問題は、これは生殖補助医療の全般に関わりますが、卵子提供や代理母が健康被害のリスクを負うという心配です。
彼女たちは搾取されているのではないという懸念ですね。
やはりこの問題は、両親が同性でも異性でも否定はできないようです。
同性婚が合法化されれば、同性カップルに対する偏見がなくなると考えるのは大間違いで、アメリカという国にあっても、ゲイやレズビアンは相変わらず差別の対象にあるようです。
従って、同性カップルの子どもが差別的な言動を受けることは多々あるようです。
しかしながら、アメリカ人のメンタリティは日本人より強いように感じます。
それはやはり「自由」と「権利」の国だからでしょう。
差別されても跳ね返す精神力がアメリカ人にはあるように思えます。
一方、日本人は「横並び」の国ですから、「同性カップル」のように突出する生き方はとても難しい。
ましや子どもをもうける(日本の場合は法的にほぼ無理)のは、生き方としても制度としても難し過ぎると思います。
欧米が進んでいて、日本が遅れている、みたいな単純なことは言うつもりはありませんが、日本人の保守的なメンタリティーは簡単に崩れないでしょう。
自民党の中にLGBTのワーキングチームができたと報道されていますが、残念ながらあれはポーズに過ぎないことはこれまでの歴史が証明しています。
ともあれ、オススメの作品です。
アメリカは国家として同性婚が合法化されました。
いかにも「自由」と「権利」の国らしいと言えますが、実はアメリカという国はキリスト教保守派の力が強く、思想信条が二つに分裂した国家です。
オバマが大統領に就任した時に、一つのアメリカにと主張したのもまだ記憶に新しいでしょう。
そんなアメリカでも(イタリアを除き)欧州のように同性婚が認められる時代がやってきました。
同性婚のあとには何があるのか?
それはカップルの子どもの問題です。
養子縁組で子どもを迎えるカップルも多数いますが、自分のDNAを引き継いだ子どもを望む気持ちは、同性カップルでも異性カップルでも変わりません。
レズビアンの場合は、精子バンクから精子を手に入れて懐妊します(人工授精)。
ゲイの場合、卵子の提供を受け、さらに代理母に妊娠してもらいます(体外受精)。
同性カップルの子どもは、こうした生殖補助医療を受けて子どもをもうけているのです。
僕は全く知りませんでした。
で、問題は二つあります。
まず、こうしたカップルのもとに生まれた子どもから見た場合、子どもは幸せな人生を色々な意味で歩めるかという問題です。
本書でもそこに関する多数の解析が述べられています。
レズビアンの両親やゲイの両親のもとに生まれても、子どもは普通に育っていくと納得させられました。
僕には偏見があったようです。
そしてもう一つの問題は、これは生殖補助医療の全般に関わりますが、卵子提供や代理母が健康被害のリスクを負うという心配です。
彼女たちは搾取されているのではないという懸念ですね。
やはりこの問題は、両親が同性でも異性でも否定はできないようです。
同性婚が合法化されれば、同性カップルに対する偏見がなくなると考えるのは大間違いで、アメリカという国にあっても、ゲイやレズビアンは相変わらず差別の対象にあるようです。
従って、同性カップルの子どもが差別的な言動を受けることは多々あるようです。
しかしながら、アメリカ人のメンタリティは日本人より強いように感じます。
それはやはり「自由」と「権利」の国だからでしょう。
差別されても跳ね返す精神力がアメリカ人にはあるように思えます。
一方、日本人は「横並び」の国ですから、「同性カップル」のように突出する生き方はとても難しい。
ましや子どもをもうける(日本の場合は法的にほぼ無理)のは、生き方としても制度としても難し過ぎると思います。
欧米が進んでいて、日本が遅れている、みたいな単純なことは言うつもりはありませんが、日本人の保守的なメンタリティーは簡単に崩れないでしょう。
自民党の中にLGBTのワーキングチームができたと報道されていますが、残念ながらあれはポーズに過ぎないことはこれまでの歴史が証明しています。
ともあれ、オススメの作品です。
プロレスという生き方 - 平成のリングの主役たち (中公新書ラクレ) 三田 佐代子 ― 2016年05月15日 22時03分18秒
総合格闘技や K-1 の人気によってプロレス人気は凋落してしまいました。
ま、はっきり言って、プロレス=最強、ではないということがばれてしまったからでしょう。
プロレス会場には閑古鳥が鳴き、メジャー団体とインディー団体の境界が薄くなるくらい、トップ団体の権威が落ちてきてしまいました。
ぼくが最後にプロレスを観たのは、大学生の時です。
なぜならば、社会人(医者)になると、プロレスが放映される時間までに帰宅できないからです。
従って、その後のプロレスにはあまり詳しくありません。
ただ、格闘技ブームがやってきたとき、ああ、これでプロレスは終わったなと思ったものです。
ところが最近になってまた人気が復活しているようです。
その人気の秘密や現在のプロレスの魅力を筆者は愛情を持って語ります。
正直なところ、昭和プロレスを見続けた僕には、その魅力が理解できない部分もありましたが、それはこの本の責任ではなく、僕の感性が時代遅れだからでしょう。
昭和と平成のプロレスの最大の違いはなんでしょうか?
かつて猪木は、「興業には化け物が必要」と言ったことがあります。
今ではすっかり姿を消しましたが、昭和の日本の田舎には見世物小屋という商売がありました。
僕は建物を見たことはありますが、中に入って見物した経験はありません。
その看板にはおどろおどろしい化け物の絵が描かれていました。
猪木の言う化け物とは、アンドレ・ザ・ジャイアントみたいなものです(同時に猪木はアンドレの格闘能力をとても高く評価していた)。
僕も千葉公園体育館に2度ほどプロレスを観に行きましたが、目当ては、やはり猪木というよりもアンドレでした。
アンドレは化け物のように大きく、そして怖くて強いのですね。
それを猪木が退治してみせるので、観客は喜ぶのです。
平成のプロレスにはこうした見世物小屋的な雰囲気はまったくないのではないでしょうか?
明るくて楽しいショーとして、その娯楽性が完成されている気がします。
本書はそういう平成プロレスの姿を描いているのだと思います。
ただ、ちょっとした疑問も。
ジャイアント馬場さんのNWAの絶対権威主義と豪華外国人選手による闘いとか、猪木が提唱したIWGPによる世界統一といった構想に比べると、いくら人気を盛り返したとは言え、現在のプロレスはやはり小粒のような気がします。
この感性も時代遅れか。
ま、はっきり言って、プロレス=最強、ではないということがばれてしまったからでしょう。
プロレス会場には閑古鳥が鳴き、メジャー団体とインディー団体の境界が薄くなるくらい、トップ団体の権威が落ちてきてしまいました。
ぼくが最後にプロレスを観たのは、大学生の時です。
なぜならば、社会人(医者)になると、プロレスが放映される時間までに帰宅できないからです。
従って、その後のプロレスにはあまり詳しくありません。
ただ、格闘技ブームがやってきたとき、ああ、これでプロレスは終わったなと思ったものです。
ところが最近になってまた人気が復活しているようです。
その人気の秘密や現在のプロレスの魅力を筆者は愛情を持って語ります。
正直なところ、昭和プロレスを見続けた僕には、その魅力が理解できない部分もありましたが、それはこの本の責任ではなく、僕の感性が時代遅れだからでしょう。
昭和と平成のプロレスの最大の違いはなんでしょうか?
かつて猪木は、「興業には化け物が必要」と言ったことがあります。
今ではすっかり姿を消しましたが、昭和の日本の田舎には見世物小屋という商売がありました。
僕は建物を見たことはありますが、中に入って見物した経験はありません。
その看板にはおどろおどろしい化け物の絵が描かれていました。
猪木の言う化け物とは、アンドレ・ザ・ジャイアントみたいなものです(同時に猪木はアンドレの格闘能力をとても高く評価していた)。
僕も千葉公園体育館に2度ほどプロレスを観に行きましたが、目当ては、やはり猪木というよりもアンドレでした。
アンドレは化け物のように大きく、そして怖くて強いのですね。
それを猪木が退治してみせるので、観客は喜ぶのです。
平成のプロレスにはこうした見世物小屋的な雰囲気はまったくないのではないでしょうか?
明るくて楽しいショーとして、その娯楽性が完成されている気がします。
本書はそういう平成プロレスの姿を描いているのだと思います。
ただ、ちょっとした疑問も。
ジャイアント馬場さんのNWAの絶対権威主義と豪華外国人選手による闘いとか、猪木が提唱したIWGPによる世界統一といった構想に比べると、いくら人気を盛り返したとは言え、現在のプロレスはやはり小粒のような気がします。
この感性も時代遅れか。
<税金逃れ>の衝撃 国家を蝕む脱法者たち (講談社現代新書) 深見 浩一郎 ― 2016年05月16日 22時43分44秒
僕のような経済学オンチには理解できない単語が多々ありましたが、全体の文脈は理解できました。
多国籍企業・大企業が少しでも税金逃れをしようとするのは、資本主義社会では当たり前のことで、問題はそういった企業の倫理にあるのではなく、国際法の整備にあるようです。
現在、パナマ文書が話題になっていますが、個人が資産を隠すのはずるいと思いますが、企業は脱法でない限りそれは当たり前にことで、株主に利益を還元するためにはむしろ正しいという理屈になります。
でもこの考え方は、富むものが益々富めば貧しいものにおこぼれが滴ってくるというトリクルダウンの思想を認めていることと変わりません。
しかし、本書ではトリクルダウンの理論的・科学的正当性は無いことが断言されており、新自由主義は、部分的には成功したものの、富めるものが益々富んで、貧富の格差を増大させた金持ち優遇政策だったと結論づけています。
結局、経済を前進させるためには、富を再分配し公正な社会を作ることが何よりのエンジンになる訳です。
日本は世界第4位の貧困・格差国家だそうです。
こうなると教育も平等に受けられませんから、貧困は固定化し、封建制度時代のように身分も固定化される怖れがあります。
筆者は、ではどうすればいいのか、きちんと説明しています。それは所得税の累進性を高めること、消費税という逆進性を緩和すること、貯蓄に税をかけること、出国(国外に逃げる奴)に税金をかけることなどです。
それには国家の形を変えるくらいの大改革が必要です。
民主党政権は、確かに何かをやろうとしたと僕は思います。
子ども手当などは理念として素晴らしいし、超少子化を抑制する一つのキーだったと思います。
ところが財源がなくて頓挫してしまった。
財源を用意していないなんてまるでアホです。
しかし、日本はこのままいくと人口減少と格差貧困と高齢化によって沈没してしまう可能性がとても高い。
民主党はせっかくその流れを軌道修正する可能性がありながら、消費税増税という卓袱台返しによってすべて水の泡にしてしまいました。
安倍政権は依然として高い支持率によって支えられていますが、この経済政策を国民は本当にいいと思っているのでしょうか?
日本が貧困率世界第4位というのは、ほとんど知られていないでしょう。
早くアベノミクス(トリクルダウン)はやめた方がいいと思います。
取り返しがつかなくなりますよ。
今日の朝日新聞の一面は「ふるさと納税」による「金持ち優遇」の話でした。
でも、そんなこととタックス・ヘイブンではスケールが違いすぎて、もっと大事なことを書けよと言いたくなってしまいました。
多国籍企業・大企業が少しでも税金逃れをしようとするのは、資本主義社会では当たり前のことで、問題はそういった企業の倫理にあるのではなく、国際法の整備にあるようです。
現在、パナマ文書が話題になっていますが、個人が資産を隠すのはずるいと思いますが、企業は脱法でない限りそれは当たり前にことで、株主に利益を還元するためにはむしろ正しいという理屈になります。
でもこの考え方は、富むものが益々富めば貧しいものにおこぼれが滴ってくるというトリクルダウンの思想を認めていることと変わりません。
しかし、本書ではトリクルダウンの理論的・科学的正当性は無いことが断言されており、新自由主義は、部分的には成功したものの、富めるものが益々富んで、貧富の格差を増大させた金持ち優遇政策だったと結論づけています。
結局、経済を前進させるためには、富を再分配し公正な社会を作ることが何よりのエンジンになる訳です。
日本は世界第4位の貧困・格差国家だそうです。
こうなると教育も平等に受けられませんから、貧困は固定化し、封建制度時代のように身分も固定化される怖れがあります。
筆者は、ではどうすればいいのか、きちんと説明しています。それは所得税の累進性を高めること、消費税という逆進性を緩和すること、貯蓄に税をかけること、出国(国外に逃げる奴)に税金をかけることなどです。
それには国家の形を変えるくらいの大改革が必要です。
民主党政権は、確かに何かをやろうとしたと僕は思います。
子ども手当などは理念として素晴らしいし、超少子化を抑制する一つのキーだったと思います。
ところが財源がなくて頓挫してしまった。
財源を用意していないなんてまるでアホです。
しかし、日本はこのままいくと人口減少と格差貧困と高齢化によって沈没してしまう可能性がとても高い。
民主党はせっかくその流れを軌道修正する可能性がありながら、消費税増税という卓袱台返しによってすべて水の泡にしてしまいました。
安倍政権は依然として高い支持率によって支えられていますが、この経済政策を国民は本当にいいと思っているのでしょうか?
日本が貧困率世界第4位というのは、ほとんど知られていないでしょう。
早くアベノミクス(トリクルダウン)はやめた方がいいと思います。
取り返しがつかなくなりますよ。
今日の朝日新聞の一面は「ふるさと納税」による「金持ち優遇」の話でした。
でも、そんなこととタックス・ヘイブンではスケールが違いすぎて、もっと大事なことを書けよと言いたくなってしまいました。
公明党 - 創価学会と50年の軌跡 (中公新書) 薬師寺 克行 ― 2016年05月20日 23時17分01秒
公明党と自民党との連立のあり方は、世界でもかなり珍しいのではないかと思って本書を読みました。
公明党とは本来、とてもリベラルで、生活者視線の党と言えます。
自民党の中では旧・田中派の系譜に近いでしょう。
ところが、公明党が自民党と連立を組んだ途端、小渕さんはお亡くなりになり、清和会(旧・福田派の系譜)が主流になります。
清和会は小泉さん、安倍さんに代表されるようにタカ派集団ですから公明党とは全然相容れないのです。
ここに日本の政治の悲劇があると思います。
公明党を揶揄して、「踏まれてもついていきます下駄の雪」と言いますが、本書を読んでも本当にそれ以外の言葉が浮かんできません。
公明党にとってもっとも大事なことは政策ではなくて、選挙に勝つことなのでしょう。
ま、選挙に落ちると政策を実現できなくなるので、連立の維持こそが重要だという主張になるのですね。
要は公明党は自民党の一つの派閥になっているということです。
それも非・主流派。
小泉さんから見た公明党などは、何を言われても「蛙の面に水」という奴だったのでしょう。
自民党と公明党の連合軍は強力です。
今度の参院選も勝つでしょう。
そうなると、民進党が政権を取る最短は、3年後と6年後の参院選に勝ったと仮定しても、2022年ですね。
東京オリンピックが終わって日本はものすごい不景気になっているに違いありませんから、国民の間に変革を求める気運が生じれば、政権交代もあり得るかもしれません。
しかし、民進党には、公明党における創価学会のような基盤がありませんから、この先、6年以上も我慢できるでしょうか?
僕は、政治とは我慢だと思っています。
木の板をくり抜くような辛抱強さがないと、日本は永遠に自民党と公明党の天下ということになるでしょう。
公明党とは本来、とてもリベラルで、生活者視線の党と言えます。
自民党の中では旧・田中派の系譜に近いでしょう。
ところが、公明党が自民党と連立を組んだ途端、小渕さんはお亡くなりになり、清和会(旧・福田派の系譜)が主流になります。
清和会は小泉さん、安倍さんに代表されるようにタカ派集団ですから公明党とは全然相容れないのです。
ここに日本の政治の悲劇があると思います。
公明党を揶揄して、「踏まれてもついていきます下駄の雪」と言いますが、本書を読んでも本当にそれ以外の言葉が浮かんできません。
公明党にとってもっとも大事なことは政策ではなくて、選挙に勝つことなのでしょう。
ま、選挙に落ちると政策を実現できなくなるので、連立の維持こそが重要だという主張になるのですね。
要は公明党は自民党の一つの派閥になっているということです。
それも非・主流派。
小泉さんから見た公明党などは、何を言われても「蛙の面に水」という奴だったのでしょう。
自民党と公明党の連合軍は強力です。
今度の参院選も勝つでしょう。
そうなると、民進党が政権を取る最短は、3年後と6年後の参院選に勝ったと仮定しても、2022年ですね。
東京オリンピックが終わって日本はものすごい不景気になっているに違いありませんから、国民の間に変革を求める気運が生じれば、政権交代もあり得るかもしれません。
しかし、民進党には、公明党における創価学会のような基盤がありませんから、この先、6年以上も我慢できるでしょうか?
僕は、政治とは我慢だと思っています。
木の板をくり抜くような辛抱強さがないと、日本は永遠に自民党と公明党の天下ということになるでしょう。
タックス・ヘイブン――逃げていく税金 (岩波新書) 志賀 櫻 ― 2016年05月22日 20時10分40秒
タックス・ヘイブンと言うと、椰子の木が茂った南の島を連想するでしょう。しかし、実際にはアメリカやイギリスにも租税回避地はあります。本書はこの点を強調しています。
正直者が馬鹿をみるという諺がありますが、日本人の給与所得者は源泉徴収という形で所得税を給料から天引きされます。
中間層の人は確実に税金を支払っているのです。
ところが、新自由主義の擡頭と共に規制緩和が進行したことで、租税回避地が地球上のあちこちに生まれました。
税金がほとんどかからないかゼロの地域です。
そしてこういうところでは、秘密性・情報開示の秘匿によってカネの動きを見ることができません。
したがってマネーロンダリングに使われることになるので、テロの資金調達にも利用されるのですね。
今日の毎日新聞を読んでいたら、世界中のタックス・ヘイブンにある資金は3000兆円だそうです。
これは、アメリカ・中国・日本のGDPを合計した金額に相当します。
毎日、何万ものペーパーカンパニーが作られ、世界中の富裕層や大企業・多国籍企業がお金をこれらへ移動させるのです。
富めるものは益々富む。
富めるものが税金を払わなければ、そのしわ寄せは中間層にいきます。
税収が少なくなれば社会保障が衰退しますので、低所得者層にもしわ寄せがいきます。
つまり、租税回避は明らかな犯罪行為ではないかもしれませんが、私たちの社会を破壊している訳です。
富裕層が税金を払わないのですから、それだけでも倫理性が欠如していることは言うまでもありません。
日本の税収不足は深刻で、消費税増税はやむを得ないと、僕は思ったりします。
しかし小泉さんと安倍さんにこれだけ経済構造をいじくり回されて、国民の経済格差が開き、そして固定化してしまうと、消費税はあまりに逆進性が強い状況になってしまっていると思います。
まず、税金を支払っていない富裕層・大企業が税金を支払うのが先決ではないでしょうか?
ビル・ゲイツさんは財団を作って寄付活動に熱心です。それはそれで立派なことだと思います。
しかし、彼の資産は5兆円あります。
5兆円持っていれば誰だって寄付活動するのではないでしょうか?
(ただしキリスト教には、日本人には分かりにくい寄付の文化があるのは事実)
個人が5兆円所有するというのは、どういう税制になっているのでしょうか。
ま、これは一つの象徴的な指摘で、何もビル・ゲイツさんが税逃れをしていると言っている訳ではありません。
我が国を見てみると、自治体・国は、健康問題や家庭環境がゆえに生活保護を受けなければいけない人に対して、お金を「支給しない」ことに熱心で、富裕層や大企業から税を徴収することに全然熱意がないように思えます。
今度の伊勢志摩サミットでは、声明やかけ声だけでなく、実効性のある形でタックス・ヘイブンを解消していってもらいたいものです。
国家とは「国境と税」だと思います。
税を正しく集められなければ国家は成り立ちません。
民主党がかつて喝采を浴びたのは、税の使い道に関する事業仕分けでした。
だったら、民進党は思い切って、税の集め方に関して問題提起したらどうでしょうか?
共産党が世論調査で意外と支持率が高いのは、そういった本質的なことに関して問題提起をしているからかもしれません。
正直者が馬鹿をみるという諺がありますが、日本人の給与所得者は源泉徴収という形で所得税を給料から天引きされます。
中間層の人は確実に税金を支払っているのです。
ところが、新自由主義の擡頭と共に規制緩和が進行したことで、租税回避地が地球上のあちこちに生まれました。
税金がほとんどかからないかゼロの地域です。
そしてこういうところでは、秘密性・情報開示の秘匿によってカネの動きを見ることができません。
したがってマネーロンダリングに使われることになるので、テロの資金調達にも利用されるのですね。
今日の毎日新聞を読んでいたら、世界中のタックス・ヘイブンにある資金は3000兆円だそうです。
これは、アメリカ・中国・日本のGDPを合計した金額に相当します。
毎日、何万ものペーパーカンパニーが作られ、世界中の富裕層や大企業・多国籍企業がお金をこれらへ移動させるのです。
富めるものは益々富む。
富めるものが税金を払わなければ、そのしわ寄せは中間層にいきます。
税収が少なくなれば社会保障が衰退しますので、低所得者層にもしわ寄せがいきます。
つまり、租税回避は明らかな犯罪行為ではないかもしれませんが、私たちの社会を破壊している訳です。
富裕層が税金を払わないのですから、それだけでも倫理性が欠如していることは言うまでもありません。
日本の税収不足は深刻で、消費税増税はやむを得ないと、僕は思ったりします。
しかし小泉さんと安倍さんにこれだけ経済構造をいじくり回されて、国民の経済格差が開き、そして固定化してしまうと、消費税はあまりに逆進性が強い状況になってしまっていると思います。
まず、税金を支払っていない富裕層・大企業が税金を支払うのが先決ではないでしょうか?
ビル・ゲイツさんは財団を作って寄付活動に熱心です。それはそれで立派なことだと思います。
しかし、彼の資産は5兆円あります。
5兆円持っていれば誰だって寄付活動するのではないでしょうか?
(ただしキリスト教には、日本人には分かりにくい寄付の文化があるのは事実)
個人が5兆円所有するというのは、どういう税制になっているのでしょうか。
ま、これは一つの象徴的な指摘で、何もビル・ゲイツさんが税逃れをしていると言っている訳ではありません。
我が国を見てみると、自治体・国は、健康問題や家庭環境がゆえに生活保護を受けなければいけない人に対して、お金を「支給しない」ことに熱心で、富裕層や大企業から税を徴収することに全然熱意がないように思えます。
今度の伊勢志摩サミットでは、声明やかけ声だけでなく、実効性のある形でタックス・ヘイブンを解消していってもらいたいものです。
国家とは「国境と税」だと思います。
税を正しく集められなければ国家は成り立ちません。
民主党がかつて喝采を浴びたのは、税の使い道に関する事業仕分けでした。
だったら、民進党は思い切って、税の集め方に関して問題提起したらどうでしょうか?
共産党が世論調査で意外と支持率が高いのは、そういった本質的なことに関して問題提起をしているからかもしれません。
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