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進め一億、火の玉だ! 戦後レジームとは何か?2015年10月24日 22時35分29秒

戦国時代のことを学校で習っても、戦後70年の歴史を習うことはあまりありません。
勉強したい人は、「敗北を抱きしめて」(ジョン・ダワー)などを読むといいでしょう。
ルース・ベネディクトの「菊と刀」も参考になるでしょう。

さて、戦争というのはどうやって終結させるのかが、勝者にとっては実は難しいのではないでしょうか?
日本がアメリカに敗北した時、日本人はアメリカ人を恐れたと思いますが、アメリカ人はそれ以上に日本が怖かったと思います。
敵の国の本土に上陸する訳ですから、恨みを買えばテロにあう可能性が高い。
なにしろ日本は、「進め一億、火の玉だ!」とか、「一億、総玉砕!」という国です。
つまり日本人が大人も子どもも、老人も赤ちゃんも、全員死ぬまで闘うと宣言した国なのです。

だからアメリカは、徹底的に日本を民主化し、軍事力を奪ったのでしょうね。
その結果、日本は世界でも最も民主的な(形式の上では)国になった。憲法九条で軍隊は持たないことになった。
そして日米安保の名のもとに、アメリカは軍隊を日本中(特に沖縄)に残し、今にいたるまで軍事力で日本を押さえつけている訳です。
この姿こそが、本当の意味での「戦後レジーム」です。

しかしそれをやり過ぎると、革命が起こりかねない。
日本人を日本人によって治めさせるためにはどうすればいいか?
それは何と言っても天皇制を利用することです。
敗戦直後にアメリカには天皇制を廃止するという選択肢もありました。
それをやらなかった理由は、革命を恐れたからでしょう。
そして極端な民主化を抑えるために、右翼勢力の復権と、左翼陣営の弾圧をおこなってバランスをとったのですね。

右翼勢力とは、戦前からの天皇制国家主義です。
人より、国が大事だと考える。
権力者は国に同一化しますから、自分自身が天皇に準じた立場にたつ訳です。
軍事政権だった時の、韓国・朴正煕の発想と同じです。
日本で言えば、岸信介さんから佐藤栄作さんへ、そして現在の総理大臣にまでこの人脈は受け継がれています。

彼らにとって邪魔で仕方がない存在が、現在の憲法であり、学校の教師たちな訳です。
だから、安倍さんが戦後レジームと言った時には、それは憲法と日教組を指すのですね。
戦後レジームから脱却するというのは、リベラルな勢力や決まり事をすべて捨てて、超国家をつくるということです。

本当は、日本人は真の意味で戦後レジームを脱却する必要があります。
それは真の意味でアメリカから独立し、現在の憲法の原点に立ち返り、外国軍の基地のない日本を作ることです。
国を愛するとはそういうことではないでしょうか?

今回の安保法制の政治的争乱にあって、良かったことが一つだけあります。
それは、もう自民党は憲法改正ができなくなったと推定されることです。
現在の憲法を守り抜いているのは、実は、日教組などの一部勢力ではありません。
名も無き市井の人たちが、今の憲法を受け入れて、守っているのです。だから安倍さんの言う戦後レジームは、実は日本人全体ということになります。
これをひっくり返そうと思っているのであれば、それは権力者によるクーデターと同じです。
軍事力を持っていなくても、民衆の力はあんがい強いものです。
歴史の敗北者になるのはいったい誰か?
こたえは簡単です。

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