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ひだりポケットの三日月 (三上大進)2024年09月01日 11時12分44秒

ひだりポケットの三日月 (三上大進)
手指に先天性の障害のある「青年」の自叙伝です。
Amazonのレビューも大変高評価なので、読んでみました。

30分くらいで読み終わってしまい、文字情報の少なさと、内容の少なさに拍子抜けしました。
講談社はよくこれを書籍として世に出したと思います。

文字を使って「表現する」とはどういうことなのか、書き手も編集者ももっと考え抜くべきだと思います。
素材をもっと生かして。

統合失調症になった話(※理解ある彼君はいません) 推しと福祉に救われて社会復帰するまでの劇的1400日(ズミクニ)2024年09月03日 19時24分49秒

統合失調症になった話(※理解ある彼君はいません) 推しと福祉に救われて社会復帰するまでの劇的1400日
統合失調症という病気に対しては、高校生の頃から強い関心があります。
医学部を志した理由も、精神科医になりたかったからです。
今回は、コミックエッセイというか、漫画といっていい本を買いもとめました。

統合失調症の闘病記って、自分が経験した妄想や幻覚をどう表現するのか、強い興味をそそられます。
この本も興味深い表現がいくつもありました。
ただ、なんでも、もっと単純に時系列に描かないのかなと疑問に思いました。
ところどころに空白があっても構いませんから、発症から社会復帰まできちんと一本の軸で描けば、大傑作になっていたような気がします。

全ページがカラーで読み応えがありました。

現代ビジネスに掲載されています2024年09月06日 12時15分59秒

『患者の前で医者が考えていること』(三笠書房)。

一部、内容が、現代ビジネスに転載されています。よかったらご覧になってください。

なぜ大学病院の待ち時間は「長すぎる」のか…医師が明かす、大病院の待ち時間がなくならない「本当のワケ」
https://gendai.media/articles/-/136873

大学病院をやめてわかった…!患者のことを「小馬鹿にする」「見下す」医者がいる理由と「開業医の本音」
https://gendai.media/articles/-/136874

大学病院でなぜ心臓は止まったのか(読売新聞社会部)2024年09月10日 21時13分29秒

大学病院でなぜ心臓は止まったのか
ちょっと古い本なんですが、興味があり読んでみました。
話としては単純で、要は術者が下手くそだったということ。
そして複数の死者が出たということは、医師に倫理観が欠けていたということです。

この構図は、『大学病院の奈落』(講談社)と同じです。

自分が執刀した患者が亡くなって、よく外科医を続けられるものだと思います。
ぼくなら、メスを置きます。

この事件は内部告発者によって明らかになりました。大学病院みたいなところでは、絶対に医療ミスは隠蔽されません。
誰かが必ず告発するからです。

ぼくが19年いた大学病院の中で、医療ミスははっきり言ってありました。
ですが、すべて家族に説明しています。隠蔽したことは一度もありません。
隠すと、あとでもっと大きな事件になって明るみに出るんですよね。

この本で、「専門医」なんて大したレベルではないと書かれていますが、その通りです。
「一通り」理解している・・・というレベルです。

南緯六〇度線の約束 (1) うめ(小沢高広・妹尾朝子)2024年09月11日 21時18分35秒

南緯六〇度線の約束 (1) うめ(小沢高広・妹尾朝子)
こ、これは!
ぶっ飛ぶような設定です。舞台はソ連に占領された北海道。
主人公は日本軍によって改造された強化人間( イヌ)。
そして目指す先は、南極!
こういうのって、どうやって考えるんでしょうか?
一体、この先、どう展開していくのかまったく不明です。2巻を買わないと!

駆け込み寺の男 ―玄秀盛― (佐々 涼子)2024年09月15日 17時42分22秒

駆け込み寺の男 ―玄秀盛― (佐々 涼子)
ちょっとキツかったかな。
なかなか主人公に感情移入することが難しかったです。

一万年生きた子ども:統合失調症の母をもって(ナガノハル)2024年09月15日 23時12分15秒

一万年生きた子ども:統合失調症の母をもって(ナガノハル)
これは大変いい本でした。
筆者は現在、45歳。話は、筆者が8歳のころから始まります。
母親は、統合失調症。
8歳の筆者は、今でいうヤングケアラーとして母を助けます。
母がいる「くるった世界」と、世間の人たちがいる「ふつうの世界」の間に入って、その橋渡しをします。
それは8歳の子どもが大人になるようなもので、あるいは、母のケアのために1秒を1年として生きるような、「1万年生きた子ども」になってしまう体験でした。

この体験によって筆者は心が壊れます。
本書では、その心の内面を大変深く掘り下げて言葉にしていきます。
そして、その言葉の数々によって、統合失調症の母をケアする子どもが、どれだけ過酷な人生を歩むのかが理解できます。

深い本でした。おススメします。

潜入取材、全手法 調査、記録、ファクトチェック、執筆に訴訟対策まで(横田 増生)2024年09月22日 15時50分47秒

潜入取材、全手法 調査、記録、ファクトチェック、執筆に訴訟対策まで
横田増生さんが「手の内を明かした」1冊です。
ぼくが潜入取材をするということは、まずあり得ないので、ぼくにとって直接的に役立つわけではありません。
しかしながら、どう取材して、どう書くかということは、ぼくにとっても大変参考になりました。
ぼくも本を数多く読んでいるつもりでしたが、やっぱりプロにはちょっと敵わない。
ぼくももっとがんばらないと。


そして参考になったというだけでなく、本書は本としてもめちゃおもしろい。
それは横田さんが優れた語り手だからでしょう。
あっという間に読んでしまいました。
ノンフィクション、厳冬の時代の今、この本を若い人が読んでくれて、新しい作家が誕生することを切に期待しています。
また、ライター稼業の舞台裏に興味のある人も、ぜひ、読んでください。おススメです。

人はどう悩むのか(久坂部 羊)2024年09月28日 19時39分00秒

人はどう悩むのか(久坂部 羊)
「人はどう」シリーズの第3弾です。
今回は人生の「悩み」について。
久坂部さんが高齢者の悩みについて書けるのは当然としても、子どもの悩みについても書けるのは驚きでした。
文章は当然巧みで、内容も濃く、非常に博識で、ぼくももっと勉強しなくちゃと思いました。
ナイスな1冊でした。