さようなら、久米宏さん2026年01月13日 20時29分10秒

さようなら、久米宏さん
ぼくは現在、テレビを観るという習慣がありませんが、若い頃は『ニュースステーション』をよく観ていました。
理由はもちろん、久米宏さんがキャスターを務めていたからです。
キャスターといっても、久米さんの視点はジャーナリストのそれでした。
常に権力を批判していました。

久米さんはテレビを信じていたのだと思います。
民放テレビが生まれたのは戦後。つまり民放テレビは国民を戦争へ煽った歴史がありません。
そうした歴史が、未来に向かって伸びていくと久米さんは信じていたのでしょう。

久米さんは、この番組を引き受けるときに、死ぬ覚悟だったと言います。
それは比喩ではなく、本当に殺されるかもしれないと思ったそうです。
昔、自民党に梶山静六というコワモテの幹事長がいたんです。
田中真紀子に「軍人」と言われた人ですね。
ある日の番組で、梶山さんをゲストに招きました。
そこで久米さんは梶山さんに向かって「スポンサーを降りるようにトヨタに圧力をかけたって本当ですか?」と言い放ちました。
生放送ですよ。
梶山さん、顔の表情が完全にフリーズして、そのあと、ゴニョゴニョと口篭ってしまいました。
観ているこっちがハラハラしたことをよく覚えています。

ぼくは「ニュース23」をほとんど観ていません。
かすんじゃうんですよね、「ニュースステーション」のあとでは。

文字通り命をかけて権力に挑んだ久米宏さんは立派としか言いようがありません。
番組の最終回で、久米さんはビールを飲み干しました。
肺がんで亡くなった久米さんの最期も、サイダーを飲み干したそうです。
ぼくの記憶から一生消えることはないでしょう。

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