映画『Black Box Diaries』の問題 ― 2026年01月11日 20時29分09秒
映画『Black Box Diaries』が大きな話題になっています。
批判と擁護の応酬になっていますが、何が問題なのか冷静に考える必要があります。
端的に言えば、それは無断引用です。
これは映画の出来とか、伊藤さんが性暴力の被害者として社会運動を起こしていることとは関係ありません。
また、映画の出来が大変いいため、免責されることでもありません。
無断引用されたのは、次のものです。
ホテルの防犯カメラ映像。
当初は裁判の資料にのみ提供されたものです。伊藤さんはそれを無断引用しました。
海外版ではそのまま使われていましたが、日本版では CG で再構成しています。
そして、捜査官・タクシー運転手・弁護士の音声が無断で引用されています。
これも同様に海外版ではそのまま使われていますが、日本版では修正が入っています。
では、この無断引用がなぜいけないのか?
まず、刑事的にはこれを罰する法律はありません。犯罪ではないのです。
でも民事的には、民法709条(不法行為)として、プライバシー権侵害・肖像権侵害が成立する余地があります。
ですが、これは裁判になってみなければ、裁判官がどう判断するか分かりません。
伊藤詩織さんは、社会性・公益性を持ってこの映画を作っています。
覗き見のように、誰かの個人情報を暴いたわけではありません。
よって、民事裁判ではそのバランスが問題になるでしょう。
もう一つの問題は、倫理的・道義的な問題です。
この無断引用を問題にしているのは、(今のところ)ホテル側でも捜査官でも運転手さんでもありません。
伊藤さんの弁護団だった、西廣陽子弁護士らです。
つまり、同じ裁判闘争(=社会運動)をやった仲間だったのですね。
捜査官も運転手も、伊藤さんにとって有利な発言をしているのです。
(西廣弁護士の音声は6秒だけだったそうですが、この人も味方でしょう)
つまり伊藤さんは、「仲間」であるはずの音声を許諾を得ず、無断で映画に使用し、世界公開してしまったわけです。
敢えて言いますが、弁護士さんは非常に感情的になったのではないでしょうか?
弁護士は伊藤さんに対して「あなたのやったことは山口氏のレイプと同じようなもの」と言ったという伝聞も伝わっています。
もし、これが本当だとしたら、許されないことです。
伊藤さんを批判してよく聞かれるものとして、「彼女はジャーナリストとして未熟だから、こういう無断引用をした」という言説があります。
いや、違うでしょう。中学生だってそのくらいのことは分かりますよ。
許諾を得ようとすれば、拒否される可能性があった。だから、そのまま出した。その辺が真相ではないでしょうか?
つまり、この大きな Black Box を開けるには、そのくらい腹を括る必要があったのではないでしょうか?
この映画は、性犯罪の記録だけでなく、その背後にある国家権力の姿を抉っています。
それだけ大きな社会性・公益性があると言えます。
無断使用は確かに問題があります。
でも、それは重大な人権侵害だったと言えるでしょうか?
ぼくの意見はこうです。
謝って、画像を修正すれば済むレベルだったと。
実際に伊藤さんは謝罪していますし、画像も修正しています。
では、海外版は?
欧米では表現の自由が、(この程度の)プライバシー権よりも強いと考えられています。
防犯カメラ映像にも公益性・公共性があると考えられています。
ですから問題になっていません。
ドキュメンタリー映画だけに留まらず、ノンフィクション文学を書いていれば被写体のプライバシーは必ず問題になります。
社会性との兼ね合いを常に考えながら表現者は作品を作っています。
今回の映画の騒動の本質は、弁護士に「仲間なのに裏切られた」という感情論がベースにあるとぼくは見ています。
伊藤詩織さんは、過剰な批判を受けているというのが、ぼくの意見です。
批判と擁護の応酬になっていますが、何が問題なのか冷静に考える必要があります。
端的に言えば、それは無断引用です。
これは映画の出来とか、伊藤さんが性暴力の被害者として社会運動を起こしていることとは関係ありません。
また、映画の出来が大変いいため、免責されることでもありません。
無断引用されたのは、次のものです。
ホテルの防犯カメラ映像。
当初は裁判の資料にのみ提供されたものです。伊藤さんはそれを無断引用しました。
海外版ではそのまま使われていましたが、日本版では CG で再構成しています。
そして、捜査官・タクシー運転手・弁護士の音声が無断で引用されています。
これも同様に海外版ではそのまま使われていますが、日本版では修正が入っています。
では、この無断引用がなぜいけないのか?
まず、刑事的にはこれを罰する法律はありません。犯罪ではないのです。
でも民事的には、民法709条(不法行為)として、プライバシー権侵害・肖像権侵害が成立する余地があります。
ですが、これは裁判になってみなければ、裁判官がどう判断するか分かりません。
伊藤詩織さんは、社会性・公益性を持ってこの映画を作っています。
覗き見のように、誰かの個人情報を暴いたわけではありません。
よって、民事裁判ではそのバランスが問題になるでしょう。
もう一つの問題は、倫理的・道義的な問題です。
この無断引用を問題にしているのは、(今のところ)ホテル側でも捜査官でも運転手さんでもありません。
伊藤さんの弁護団だった、西廣陽子弁護士らです。
つまり、同じ裁判闘争(=社会運動)をやった仲間だったのですね。
捜査官も運転手も、伊藤さんにとって有利な発言をしているのです。
(西廣弁護士の音声は6秒だけだったそうですが、この人も味方でしょう)
つまり伊藤さんは、「仲間」であるはずの音声を許諾を得ず、無断で映画に使用し、世界公開してしまったわけです。
敢えて言いますが、弁護士さんは非常に感情的になったのではないでしょうか?
弁護士は伊藤さんに対して「あなたのやったことは山口氏のレイプと同じようなもの」と言ったという伝聞も伝わっています。
もし、これが本当だとしたら、許されないことです。
伊藤さんを批判してよく聞かれるものとして、「彼女はジャーナリストとして未熟だから、こういう無断引用をした」という言説があります。
いや、違うでしょう。中学生だってそのくらいのことは分かりますよ。
許諾を得ようとすれば、拒否される可能性があった。だから、そのまま出した。その辺が真相ではないでしょうか?
つまり、この大きな Black Box を開けるには、そのくらい腹を括る必要があったのではないでしょうか?
この映画は、性犯罪の記録だけでなく、その背後にある国家権力の姿を抉っています。
それだけ大きな社会性・公益性があると言えます。
無断使用は確かに問題があります。
でも、それは重大な人権侵害だったと言えるでしょうか?
ぼくの意見はこうです。
謝って、画像を修正すれば済むレベルだったと。
実際に伊藤さんは謝罪していますし、画像も修正しています。
では、海外版は?
欧米では表現の自由が、(この程度の)プライバシー権よりも強いと考えられています。
防犯カメラ映像にも公益性・公共性があると考えられています。
ですから問題になっていません。
ドキュメンタリー映画だけに留まらず、ノンフィクション文学を書いていれば被写体のプライバシーは必ず問題になります。
社会性との兼ね合いを常に考えながら表現者は作品を作っています。
今回の映画の騒動の本質は、弁護士に「仲間なのに裏切られた」という感情論がベースにあるとぼくは見ています。
伊藤詩織さんは、過剰な批判を受けているというのが、ぼくの意見です。

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