池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日(守田 哲)2026年08月26日 21時57分15秒

池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日(守田 哲)
池袋で車を暴走させ、母子が亡くなった痛ましい事件。
覚えている人も多いでしょう。
加害者は官僚として人生のエリートコースを歩んだ人。
当時の年齢は87歳。テレビ報道で、彼が両手に杖を持って歩いている姿を見て驚いた人が多いのでは。
本人によると、歩くのは難しいが、車の運転には問題なく、自信があったと。

この事件が異質だったのは、彼が逮捕されなかった理由が、彼が「上級国民」だからとネットで大炎上したこと。
加害者とその家族は猛烈な批判を浴びたし、被害者家族にも訳のわからない誹謗中傷が飛んできました。
この事故を「ネタ」にして、ネット上で言いたい放題の炎上状態になってしまったように見えます。

ただそれにはやむを得ない一面があって、加害者は裁判の最後まで無罪を主張しました。
常識で考えればブレーキとアクセルの踏み間違いなんですが、加害者は車に欠陥があったと主張して譲らないのですね。
自動車メーカーが事故後に車を調べても異常はなし。
それでも加害者は、「昔のテレビは調子が悪くなっても、叩けば元に戻ることがあった。それと同じ」と言い張ります。

罪を認めないことで、加害者は実刑判決となり収監されます。
挙句、獄死。
でもその前に、遺族と加害者は面会をするのですね。
その言葉のやりとりに救いを感じ取ることができます。

加害者は本当に車の故障と思っていたのでしょうか。
それは本人にしかわかりません。
だけど、加害者の人生を見ていると、プライドを持てるような生き方をしてきたと思えるのです。
傲慢な人では全くなく、部下に慕われるような人でもあったようです。
「上級国民」というのはある意味で当たっていて、国家のために貢献してきたという誇りはあったはずで、また、自分の老いを認めたくなかったという強い気持ちがあったと思えます。
いや、老いはわかっていたけれど、「運転ができない」とされることに強い抵抗感があったようです。

筆者はテレビのディレクター。報道のあり方も問われることになります。
深い取材をしていて、また、豊かに語っていて、読み応えのある価値ある1冊に仕上がったと思います。
見事な作品でした。

私とプラモデルの半世紀-大事なことはタミヤが教えてくれた(松井康真)2026年08月19日 21時16分31秒

私とプラモデルの半世紀-大事なことはタミヤが教えてくれた(松井康真)
本の帯に写っている松井さんという人を見て、、、そうそう、思い出しました。
ニュースステーションに出ていましたね。
柔和な感じで、大変いい印象のアナウンサーさんでした。
田宮の模型が大好きなんですね。
それが嵩じて、仕事に役立ち、定年退職後のセカンドライフに生きているのですね。
楽しく読みました。

文はライターさんが書いたのだと思いますが、それでも松井さんのソフトな感じが本から伝わってきました。
田宮への想い入れの強さと、その博識ぶりは唖然とするほどすごいのですが、実はぼくが読んでいて一番ワクワクした場面は、アナウンサー試験を受けるところです。
つまり、人生の二者択一のシーンでした。
人生って、こういう場面がありますよね。

怒涛のオタクぶりが描かれますが、仲間内のオフ会の話はちょっとオタク過ぎて付いていけませんでした(笑)。
ま、本当に好きなんですね。
でもそれって幸せなことだと思います。
田宮会長が亡くなって松井さんは泣きますが、泣ける人生って、これも幸せだと思います。

ぼくはセカンドライフのことは考えていません。
死ぬまで書いていようと思っています。

「東洋経済」連載の医療エッセイ、第3回目2026年08月19日 21時10分35秒

「東洋経済」連載の医療エッセイ、第3回目です。
今回はメディア出演の舞台裏です。

ぜひ、どうぞ。

https://toyokeizai.net/articles/-/954429?display=b

全文、無料です。

誠意の臨界点2026年08月18日 20時09分04秒

文筆活動をしながら開業医をやっていると、クリニックにさまざまな連絡がきます。
ファンレター。
医療相談。
頼み事。
電話が来たり、郵便物が来たり。

可能な限り対応しているのですが、ものには限度があります。
ぼくの本業は「開業医」であり、診療中に電話がかかってきても出ることはできません。
ファンレターは、なぜかぼくの自宅の住所を知っている人から届くことがあり、いったいどういうふうに個人情報が漏れているのでしょうか?
分厚い封書にA4の紙が数10枚入っていて、いきなり医療的な助言を求められることもあります。
文章を読むのに1時間、返事を考えるのに1時間、返信を書くのに1時間という感じです。
いったん頼み事に応じると、ぼくのことをヒマだと思っているのか、さらに頼み事をしてくる人もいます。

向こうにしてみれば、ぼくを頼っていろいろと連絡をとってくるのでしょう。
ぼくも、がっかりさせてはいけないと思い、可能な限り対応をしてきました。
ですが、ぼくはもう還暦を過ぎ、残された人生をどう使うか、毎日濃密に時間を過ごしています。
これまで誠意を持ってご連絡に応じてきましたが、この辺が臨界点です。
もう、これ以上はムリです。

何か伝えたいことがあれば、クリニックに郵便物を送ってください。
ただし、返事は書けないと思います。
どうかご容赦くださいね。

2026年08月16日 21時36分00秒

しかし、まあ、すごい雨でしたね。
みなさんのご家族・ご家庭には被害はなかったでしょうか?
観測史上最大の雨ですから、被害がなくても大変怖い思いをしたのではないかと思います。

ぼくの自宅とクリニックは無事でしたが、ぼくの子ども夫婦の家では、自宅前の道路が冠水し、玄関に土嚢を積み上げなければならない状態になりました。
レベル5の警報が出ていますし、相談の上、ぼくの自宅へ避難することになりました。
ところが道路が大渋滞で全然進めないとLINEで連絡がきます。
車のエンジンからは異音がする・・・ドアを少し開けるとドアのすぐ下まで冠水していると。
ぼくは胃袋をギューっと掴まれたような気持ちになりました。
まさか立ち往生?

心臓がドキドキした状態でしばらく待っていたところ、Uターンに成功して自宅に戻ることができたと。
まじ、よかった。
最悪、床上浸水になってもいいから、命だけは守ってと伝えました。
25時頃に雷鳴が消えて、どうやら「抜けた」ようでした。
本当に危なかった。

レベル4の段階で避難しなければいけなかったのですが、ぼくには知識がありませんでした。
怖い思いをさせてしまって、うちの子には申し訳ない気持ちでいっぱいです。

翌日以降、千葉県の路上放置の車は2,500台以上とも報道されています。
ぼくも15日、16日と買い出しに出かけましたが、動かなくなった車を何台も見かけました。
ああ、怖い。

千葉市の中では辺田町あたりの被害が大きかったようです。
辺田といえば、こども病院。
いま、ホームページを見ましたが、通常通りに診療しているようです。

17日(月)からはいつも通りに診療を始めます。
路上放置の車もかなり移動されたと聞きます。
ちょっとは早めに出勤しようかな。
この雨で学んだことは、避難してはいけないということです。
自宅が水没して亡くなった人っていないでしょ?
自宅から出ないことが最大の防御ですね。

みなさんも明日は慎重に車を運転していらしてくださいね。

講談社コクリコからインタビューを受ける2026年08月14日 17時13分08秒

講談社コクリコからインタビューを受ける
『性別違和に生まれて』(中央公論新社)に関して、講談社さんからインタビューを受けました。
コクリコというのは、子育て中の方たちに対するサイトです。
無料で全文読めますので、よかったらどうぞ。

前編。
https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/health/seikyoiku/OnjFG

後編。
https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/health/seikyoiku/QULZ2

これで、一連の取材は終了かな。ぼくもはっきり言って疲れました(笑)。
これまでに出たメディアは以下の通りです。

『東京新聞』著者インタビュー 4月27日
『ダ・ヴィンチWEB』書評 5月8日
『読売新聞』著者インタビュー 5月25日
『週刊ポスト』書評欄 5月25日
『読売新聞 ヨミドクター』著者インタビュー 5月31日・6月7日
『共同通信』書評 6月13日 配信
『女性セブン』書評欄 6月18日
『朝日新聞』 書評欄 6月20日
『スローニュース』 書評 7月12日
『毎日新聞』 著者インタビュー 7月14日
『朝日新聞 Re:Ron』著者インタビュー・寄稿文 7月29日
『毎日新聞』書評欄 8月1日
『講談社 コクリコ』著者インタビュー 8月13日・8月14日

かなり取り上げていただきましたよね。
ありがとうございます。
朝日新聞の「Re:Ron」はWEBなんですが、社内で大変反響がいいので、近いうちに紙面にも載るそうです。
そう言っていただけるとうれしいです。

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獄に暮らせば: 「21年7カ月の獄中日記から」 (重信房子)2026年08月14日 16時27分44秒

獄に暮らせば: 「21年7カ月の獄中日記から」 (重信房子)
最近、執筆活動に忙しく、本を読む時間がやや減っていました。
そんな中、読んだ本がこれ。
今の若い人たちは知らないかな? 
重信房子さん。日本赤軍の活動家ですね。
ブントっていっても、何のことかわからないでしょ?

重信さんは、日本を飛び出しパレスチナ解放の戦いに参加します。
言ってみれば、現在のガザ地区の人たちに連帯するということですね。
国際的にいくつもの事件を起こし、懲役20年の判決を受けます。
本書はその獄中記です。

牢獄にあっても、人間にとって一番大事なことは、人としての尊厳ということが大変よくわかります。
非常に読みごたえのある作品でした。
草花の名前をここまでよく知っていますね。
ぼくなんか、桜くらいしかわからない(笑)。

重信さんは1945年生まれ。ぼくより16歳上じゃないですか?
この本は実は「あとがき」が非常にいいのですが、80歳の人がここまでしっかりした文章が書けるのかと大変感動的でした。

主体性を失わずに生きることの重要性が輝く1作でした。
読んでよかったです。

カスタマーハラスメント2026年08月10日 10時41分56秒

中央区都町のヨークマートに行ってきました。
買い物を済まし、セルフレジのコーナーに向かったところ、入り口で高齢ご夫婦が通路を塞いでいました。
こちらは急ぎませんので、待っていました。
すると、店員さんが、われわれ夫婦が通れるように、その方に声かけをしました。

すると、高齢男性が逆上し、大声で店員さんに怒声を浴びせます。
持っていたステッキを床に叩きつけました。
高齢男性はしつこく何度も大声を出しています。そのたび、店員さんは詫びて頭を下げていました。

なぜ、ほかの店員さんが助けないのでしょうか?
店長さんか、それに代わる人はいないのでしょうか?
高齢男性が通路を塞いでいたので、道を開けてくださいとお願いしただけです。
度を超えたカスタマーハラスメントです。
レジで精算していたぼくの妻も自分のすぐ背後で、ステッキが床に打ち付けられる音がして怖かったと思います。

ぼくは自分のクリニックでこんな光景を見たことは一度もありませんが、もし、こんなことが起きたらスタッフを守るために何のためらいもなく警察を呼ぶと思います。

『大学病院の正体 手術、人事、教育、研究のすべて』2026年08月06日 09時59分21秒

10月7日に新しい本を出します。
『大学病院の正体 手術、人事、教育、研究のすべて』(中公ラクレ)。

Amazon で予約が始まっているようです。
書影ができたら、また宣伝しますね。

https://link.amazon/B02fpbrHx

東洋経済オンライン2026年08月05日 14時02分28秒

東洋経済オンラインで医療エッセイを連載しています。
今日は第2回。膀胱がんになったときの話。

闘病の様子は、『ぼくとがんの7年』(医学書院)という本に書いたけど、その中で唯一書かなかったことが。
それは「痛み」について。
今回は、闘病の「痛み」についてメチャ書きました。

https://toyokeizai.net/articles/-/953117?display=b

よかったら読んでみてくださいね。