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貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」(鈴木大介)2025年02月08日 22時55分09秒

軽い気持ちで読み始めましたが、ヘビー級の作品でした。
(特に)若者の貧困にはいろいろな理由がありますが、今回、鈴木さんは「不自由な脳」に焦点を当てました。

脳梗塞から高次脳機能障害となった鈴木さんは、脳に不自由を抱えます。
その困難が、貧困な若者たちの行動様式や思考によく似ているのですね。
彼ら彼女らに対しては「自己責任論」が浴びせられ、叩かれますが、もし、脳が不自由な状態であったら?
つまり「働かない」のではなく、「働けない」のです。

鈴木さんは自分の困難を深掘りしていき、それを豊かな言葉で丁寧に表現していきます。
(語り下ろしかもしれませんが)その表現や言葉は深く多彩で、自らの主張を強い説得力で伝えています。
また、鈴木さんの立つ位置もいいなと思いました。
貧困にさせられる側にしっかりと立っています。
だから、さらに説得力がありました。

いい本です。でも安易な気持ちで読まず、真剣に向き合うつもりで読むといいと思います。

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