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イランとサウジアラビア2023年03月17日 22時22分14秒

中東情勢は分かりにくいという意見をよく聞きます。
確かにそういう面はありますよね。
歴史が複雑だから。でも日本人の多くは中東に無関心だから、結果として分かりにくくなっているのだと思います。

イエメンの内戦は8年に及び、泥沼となっています。人口の7割近い2千万人が緊急支援が必要な状態になっています。
人口の7割ですよ。日本では考えられません。
暫定政府を支援するのが、サウジ。これに対抗する宗派の背後にはイランがいます。

イエメンに限らずアラブ諸国の内戦や政治にはイランが干渉し、サウジアラビアはそれに対抗してきた歴史があります。
その争いは、国交断絶に至り7年が経過しています。
その両国が関係改善に踏み出しました。外交関係を正常化するそうです。驚きの和解です。

そしてその仲介をしたのが、中国と言いますから、さらに驚きます。
中国と中東とはあまりにも遠いような気がします。
しかし中東情勢の安定に中国が一役買ったとするならば、中国は世界に対してプレゼンスを示したことになります。
いったいアメリカは何をやっていたのでしょうか。
サウジからアメリカには事前に連絡はなかったのでしょうか。

ですが、アメリカの出番が今後ないわけではありません。それはイスラエルの存在です。
サウジとイランが和解すれば、今度はイスラエルが浮いてしまう可能性がありそうです。
イスラエルとアメリカは切っても切れない関係ですから、イスラエルを抑止的にコントロールして、中東情勢を安定に導いてほしいものです。

アラブ諸国の課題は民主化でしょう。
この地域の国々には、われわれの感覚でいう民主主義が根付いていません。
それは宗教の問題であったり、王制の問題だったりします。
当事国が自分たちで決めることではありますものの、21世紀の世界で民主主義がなくていいわけはありません。
アメリカの民主主義の押し付けにはうんざりすることもありますが、世界が中東に関心を持つことは重要だと思います。
それは、私たちも同様でしょう。