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ルポ 特殊詐欺(田崎 基)2023年02月07日 21時17分59秒

ルポ 特殊詐欺
取材が分厚くて大変良質なノンフィクションでした。
筆者は新聞記者。取材がうまいのは分かりますが、語り口がとてもよく、ストーリーテリングに秀でています。
特殊詐欺やタタキ(強盗)の実態が克明に描かれており、勉強にもなりました。

最近の報道は、フィリピンから日本へ特殊詐欺の「親玉」が移送されてくることで持ちきりです。
そうなんですよね。この世界には「上」がいるんです。

もちろん実行犯も厳罰に処する必要がありますが、トカゲの尻尾切りに終わってはいけません。
詐欺電話をかける「かけ子」。
キャッシュカードを受け取る「受け子」。
現金を引き出す「出し子」。
こうした連中は、生活が苦しく「闇バイト」に応募してこの世界に入ってくるわけです。
ある意味で被害者・・・と言ったら言い過ぎかもしれませんが、日本の貧困がこういう構造を作っているのかもしれません。

そして上の上にはラスボスがいて、それって暴力団関係の人間なんです。
彼らは暴対法によってシノギを失い、現在は薬物売買や特殊詐欺を収入源にしているのです。

今回のフィリピンから容疑者移送は、警察が威信をかけて捜査に臨んでいるのではないでしょうか。
レベルの高いルポでした。
おススメします。読んでみてください。

黒い海 船は突然、深海へ消えた(伊澤 理江)2023年02月12日 20時00分50秒

黒い海 船は突然、深海へ消えた
これは強烈な作品でした。
2008年、犬吠埼沖で漁船が転覆・沈没します。17人が亡くなりました。
なぜでしょうか? それは波が漁船を倒したからです。

2019年、筆者はある偶然から過去に起きたこの事故のことを知り、本当に波が原因なのかに疑問を持ちます。
そこからジャーナリストとして気の遠くなるような取材と調査が始まります。

調べれば調べるほど、波が原因とは考えられなくなります。
原因は、何かとの衝突ではないか? ではその何かとは。

圧倒的な取材による調査報道の一つの頂点に到達した作品です。これはちょっと書けない。
本書は、筆者の伊澤理江さんの最初の作品だそうです。
これはすごい新人が出てきましたね。
何かの賞を取ってしかるべきでしょう。

ぜひ、読んでみてください。おススメします。

動画/日本医事新報社 その12023年02月16日 12時52分02秒

拙著『患者が知らない開業医の本音』をめぐって、仲野徹・阪大名誉教授と対談しました。
4回シリーズの1回目です。
メッチャ楽しかったです。ぜひ、ご覧になってください。13分くらいです。

https://www.jmedj.co.jp/movie/detail.php?id=152

1回目は、大学病院の勤務がいかに大変だったかがメインです。

日本医事新報/動画その22023年02月17日 11時05分33秒

拙著『患者が知らない開業医の本音』をめぐる、仲野徹先生との対談・第2弾が公開されました。
今回もおもしろかったです。
15分くらいで見ることができますので、ぜひご覧になってください。
https://www.jmedj.co.jp/movie/detail.php?id=153

大学病院と開業医の診療がいかに違っているかなどを語っています。

動画・日本医事新報その32023年02月18日 13時47分15秒

『患者が知らない開業医の本音』をテーマに仲野徹先生との対談3回目です。
いよいよクリニックを経営し始めて、いろいろなことが起こります。
今回もおもしろいので、ぜひご覧になってください。

https://jmedj.co.jp/movie/detail.php?id=154

2冊のだいすきノート ~32歳、がんで旅立ったママが、4歳の双子に残した笑顔と言葉~(田村 建二)2023年02月18日 17時09分47秒

2冊のだいすきノート ~32歳、がんで旅立ったママが、4歳の双子に残した笑顔と言葉~
32歳の母親がスキルス胃がんに罹ります。ステージ4。
彼女には4歳の双子ちゃんがいます。
その闘病と死が記録されています。

この本は、母親の死後に、残された家族・親戚から聞き取りをして書かれたものなので、母親の内心は書かれていません。
つまり家族・親戚から見た母親の姿を描いたものです。
そういう意味で、通常の闘病記とは少し異なります。

スキルス胃がんのステージ4ですから、タイトルを読んだだけで、どういう結末になるのか、つまり母親が我が子にどういうメッセージを残すのかがテーマであると分かります。
そして分かっていても最後の場面では思わず目頭が熱くなります。

この本の筆者はぼくとそんなに年齢の変わらない男性だと読後に気づきました。文章がとても柔らかいので、読んでいる最中は、比較的若い女性による筆かと思いました。
いい意味で個性的な文章ですね。
それから、聞き取りが大変深い。相当時間をかけてインタビューをしたのでしょう。
密度の濃い作品でした。

みなさんも読んでみてください。おススメします。

動画・日本医事新報 その4(最終回)2023年02月19日 12時34分36秒

https://www.jmedj.co.jp/movie/detail.php?id=155

仲野徹先生との対談の最終回です。
開業医はなぜ成功するか? がテーマです。
今回もおもしろかった!

妻が「仲野先生って話を聞くのが上手!」と褒めていました。ぜひ、ご覧になってください。

山本由伸 常識を変える投球術 (中島大輔)2023年02月19日 14時59分16秒

山本由伸 常識を変える投球術 (中島大輔)
ラグビーと並んで野球はメッチャ好き。
現在、プロ野球はテレビ放映されなくなりましたので、どういう選手が活躍しているのかほとんど知りません。
だけど、山本由伸投手は例外。
日本シリーズは放映されるから。
ぼくは以前から、この投手は不思議な選手だと思っていました。

まず、体が小さい。
フォームがコンパクトにまとまっている。
大谷翔平のように「ウォリャ!」と投げるわけではない。
しかし、球は速いし、コントロールはいいし、変化球もキレる。
こんなに若いのに、日本一と言っていいピッチャーです。
どうやって彼はその位置に到達したのでしょうか。

本書はその理由を解説した本です。
正直にいうと、けっこう内容が難しくて理解できない部分もいくつかありました。
たぶん現代の野球理論って、ひと時代前とは異なる次元に入っているんでしょうね。
それでも彼が独特の体の作り方をして、誰も到達できない領域に入ってきていることはよく分かりました。

山本投手は、筆者のインタビューに対して抽象的にしか答えを返していません。
まだまだ発展途上なので、企業秘密なのかもしれません。10年後でも15年後でもいいので、もっと山本由伸のリアルを聞いてみたいと思いました。

野球ファンの人は、ぜひ、読んでみてください。

核のゴミをどうするのか2023年02月19日 16時34分51秒

 岸田政権が、原発の高レベル放射性廃棄物の最終処分について「政府一丸となって」取り組むという方針を打ち出したそうです。
そりゃそうですよね。
ぜひ解決してください。
しかしこれは解決できるのでしょうか?

唯一の方法は、自治体に対して札束で頬を叩いて同意を得ることでしょう。
3年前から文献調査という名目で北海道の2つの自治体が検討を行っています。

本当に安全なんでしょうか。地下300メートルより深い場所に廃棄物を埋めるそうです。
安全性に問題がないなら、東京都に埋めたらどうでしょうか。一番電力を使っているのは東京ですよね。
原発だって東京湾に作ればいい話です。

核のゴミの最終処分を定めた法律は、使用済み燃料からプルトニウムやウランを取り出す再処理を前提にしているそうです。
これってすでに破綻していますよね。
やはり原発は危険が多すぎます。
最もコストがかからないって本当でしょうか?

そんなことを言っているうちに、日本は自然エネルギーに関して世界から遅れを取ってしまいました。
日本の保守政権が原発にこだわるのは、事実上の潜在的核兵器を持っていたいからではと勘繰ってしまいます。

核のゴミという見えない借金をどう解決していくのでしょうか。

北朝鮮の ICBM 弾2023年02月20日 19時13分14秒

北朝鮮が ICBM 弾を飛ばしました。
日本のEEZ 内の、北海道西方沖に落下しました。
射程を計算するとアメリカ本土まで届くそうです。

岸田首相は判で押したように「強く抗議する」と言っているだけで、問題の解決にはなっていません。
大手のメディアの社説も「絶対に許されない」と批判していますが、批判したところで何も変わりません。

トランプ大統領も文在寅大統領も板門店で金書記長と会談しています。
あれは一体何だったのでしょうか?
トップ同士が会談したのだから、何かの合意があって然るべきでした。
ところが事態はさらに悪くなっています。

外交とは駆け引きだと思いますが、1%でも自国が有利な条件で手を打とうという心理が働きます。
その結果、すべてがオジャンになったりします。
つまり、トランプも文大統領も外交に失敗したのだと思います。

日本だって同様です。「対話と圧力」とか言いながら、対話は全然せずにひたすら圧力をかけました。
その結果、拉致被害者は帰ってきません。
これも外交の失敗です。
そもそも小泉元首相は、平壌で金正日に会っていながら何も国交が進まないなんて、大失敗もいいところです。

政治は結果がすべて。
北朝鮮に体制を保証してもいいのではないか。
金正恩がミサイルを発射する理由をなくすような外交を進めるべきだと考えます。
日米韓が協力して北朝鮮に対抗する、などと言っていますが、そんな姿勢では解決どころか、北朝鮮はさらに暴発するに決まっています。

ミサイルには、米韓軍事演習・・・では頭が悪すぎます。
もっと戦略を練ってほしいものです。