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母という呪縛 娘という牢獄(齊藤 彩)2022年12月27日 21時50分22秒

母という呪縛 娘という牢獄
引き込まれて一晩で読んでしまいました。
母は我が娘に幼少の頃からスパルタ教育をします。それはもう教育虐待と言ってもいいでしょう。
本人の能力を超えた(あるいは不向きだった)医学部受験を強要します。
暴言・暴力を振るい、娘の人生をメチャメチャにします。
医学部入学は叶わず9浪を経験し、結果、看護学部に入学します。
しかし母はそれでも納得できず、次には助産師学校に進むことを強要し、耐えきれなくなった娘は母を殺します。

この理不尽な人生、母子関係をどう考えればいいのでしょうか?
母親の話を聞いてみたいものですが、殺されてしまったので、それも叶いません。虚しいとしか言いようがありません。

この事件は特殊な家族内殺人なのでしょうか? それとも普遍的な真理が隠れているのでしょうか?
それはなかなか難しいところだと思います。
単に母親が「狂っていた」と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、そうでもないようにも思えます。
家族って何だろう。
親子って何だろう。
人生を生きる幸せって何だろうかと考えさせられました。

深い内容の1冊です。おススメします。