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あの胸が岬のように遠かった(永田 和宏)2022年08月25日 23時22分58秒

あの胸が岬のように遠かった
これはちょっと痺れるような作品でした。
筆者は細胞生物学者で歌人の永田先生。奥さんも歌人として高名な河野裕子さんです。
二人が結婚するまでの青春記です。

手紙文学とか日記文学というジャンルがあるならば、これはその最高傑作のような一作でしょう。
河野さんのみずみずしい感性。まるで手で触れれば、血が滲んでくるようです。
そして永田さんの自己を見つめる内省的な文学表現も読者を強烈に惹きつけます。
大変素晴らしい出来でした。
「あの胸が岬のように遠かった」
いいですね。

みなさんにぜひおススメします。

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