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朝日新聞政治部(鮫島 浩)2022年06月05日 21時33分18秒

朝日新聞政治部
現在ベストセラー中の作品です。
面白くて一晩で読みました。
筆者の鮫島浩さんという名前には聞き覚えがあって、もしや「なぜ君」の小川淳也さんの高校時代の同級生では?と思ったら、その通りでした。
この本の感想を述べるのはとても難しくて、朝日新聞という会社を否定してしまってそれでお終いということでもないなと思います。
鮫島さんからすれば、朝日はリベラルな社風とか規律を失って、もはや「死んでしまった」と評価するかもしれませんが、会社ってどこでもこういうものじゃないでしょうか?
おそらく読売だって産経だって同じでしょう。
ぼくが所属した千葉大学医学部だってそうです。
上司に意見を言うなどということはまったく許されず、いえ、その前段階として研修医の頃から徹底的に「洗脳」されますから、反抗なんて怖くてできません。
オウム真理教事件が起きたとき、「洗脳」という言葉が流行り、世間の人は教祖に信者が逆らえなくなるのを不思議に思ったことでしょう。
でもぼくはよく分かる。
外科の世界は新人ときから徹底的に上司に怒鳴られるから、上司に対する恐怖感が根付いてしまうんですよね。
だから医局の中でルールを変更するとか、従来の慣行を改めるなんて不可能なんです。意見を言えないのです。

鮫島さんは、小川淳也さんと同様に、純粋でまっすくで、それでいて頑固なんだと思います。理想主義者だし、正論を通そうとする人です。
でもそういう人って大きな組織の中では生き残れないんです。
無理が通れば道理引っ込むという言葉がありますが、これって真実ですよね。

最後の方で論座の話がでてきて、ちょっと胸が苦しくなりました。ぼくも何回か論座に寄稿していますので、ぼくの原稿を鮫島さんも読んだかもしれません。
吉田貴文さんには、原稿のことだけでなく、娘の就職相談をしたり本当にお世話になっているので、会社が論座編集部に介入してくる場面では胸が詰まってしまいました。

50歳を前にしてフリーになられたのは素晴らしいことだと思います。これを機会にSamejima Times を読んでいきましょう。
ぼくも44歳でフリー(開業医)になったので、その気持ちはたいへんよく分かります。
フリーは上司がいないので、青天井でスカッと気持ちがいいのですが、寄るべき大樹がないので、そこは心細いです。
しかしジャーナリストという仕事は一人でできますので、これからも頑張ってください。

ちょっとまとまらない書評になってしまいました。
みなさんも、ぜひ読んでみてください。おススメします。

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