選択的夫婦別姓制度に思う ― 2022年01月19日 20時22分55秒
ヒトはほかの哺乳動物に比べて遺伝子のバリエーションが少ないことが知られています。それはなぜでしょうか?
その理由は、人の起源がかなり数少ない個体から枝分かれしたからです。
7万5千年前に起きたインドネシアの火山の大爆発は、地球上を火山灰で覆い尽くし氷期を招きました。
人類はあやうく絶滅するところでした。この時に生き残った人類はわずか1000人から1万人くらいと推定されています。
ですから人はこの時点で、遺伝子の多様性を失ったのですね。
日本は、結婚後に夫婦同姓であることが定められた世界で唯一の国です。1996年には、法務大臣の諮問機関が、希望する夫婦には別姓を使用できる「選択的夫婦別姓」を盛り込んだ民法改正案を答申しました。
しかしながらこの制度は未だに実現していません。最高裁の大法廷でも「違憲」という判断は出ませんでした。
2020年に早稲田大学の研究室などが行なった世論調査では、70%を超える人が「選択的夫婦別姓」に賛成しています。
では、政治はなぜ民意を反映しないのでしょうか?
この制度に反対、または慎重な姿勢をとっている政党は自民党と日本維新の会だけです。自民党は明らかに反対しています。ただし自民党も一枚岩というわけではありません。
党内の保守派が強硬に反対しており、自民党が意見を集約できないという実態があります。
「選択的夫婦別姓」には賛成派・反対派からそれぞれ意見の表明があります。意見の違いがあること自体は健全と言えるでしょう。しかし、自民党保守派議員に朝日新聞がインタビューしたところ(2021年1月29日)、(夫婦同姓が)「日本の美徳なんだ」と答えたそうです。
「美徳」という言葉を持ち出されると、ちょっと議論にはなりにくいのではないでしょうか?
私たちの社会は、働き方もライフスタイルもジェンダー意識も人権感覚も大きく変化してきています。
理不尽なことや不条理なことは、まだまだ残っているとはいえ、昭和の時代と比べてずいぶん少なくなりました。かわって多様性が大事にされるようになってきました。
人類滅亡の危機からもう7万5千年経っています。遺伝学的多様性が豊かでなくても、私たちの心には多様性を重んじる価値観が育っています。人や国が滅びるのは、天災よりも文化からかもしれません。
その理由は、人の起源がかなり数少ない個体から枝分かれしたからです。
7万5千年前に起きたインドネシアの火山の大爆発は、地球上を火山灰で覆い尽くし氷期を招きました。
人類はあやうく絶滅するところでした。この時に生き残った人類はわずか1000人から1万人くらいと推定されています。
ですから人はこの時点で、遺伝子の多様性を失ったのですね。
日本は、結婚後に夫婦同姓であることが定められた世界で唯一の国です。1996年には、法務大臣の諮問機関が、希望する夫婦には別姓を使用できる「選択的夫婦別姓」を盛り込んだ民法改正案を答申しました。
しかしながらこの制度は未だに実現していません。最高裁の大法廷でも「違憲」という判断は出ませんでした。
2020年に早稲田大学の研究室などが行なった世論調査では、70%を超える人が「選択的夫婦別姓」に賛成しています。
では、政治はなぜ民意を反映しないのでしょうか?
この制度に反対、または慎重な姿勢をとっている政党は自民党と日本維新の会だけです。自民党は明らかに反対しています。ただし自民党も一枚岩というわけではありません。
党内の保守派が強硬に反対しており、自民党が意見を集約できないという実態があります。
「選択的夫婦別姓」には賛成派・反対派からそれぞれ意見の表明があります。意見の違いがあること自体は健全と言えるでしょう。しかし、自民党保守派議員に朝日新聞がインタビューしたところ(2021年1月29日)、(夫婦同姓が)「日本の美徳なんだ」と答えたそうです。
「美徳」という言葉を持ち出されると、ちょっと議論にはなりにくいのではないでしょうか?
私たちの社会は、働き方もライフスタイルもジェンダー意識も人権感覚も大きく変化してきています。
理不尽なことや不条理なことは、まだまだ残っているとはいえ、昭和の時代と比べてずいぶん少なくなりました。かわって多様性が大事にされるようになってきました。
人類滅亡の危機からもう7万5千年経っています。遺伝学的多様性が豊かでなくても、私たちの心には多様性を重んじる価値観が育っています。人や国が滅びるのは、天災よりも文化からかもしれません。
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