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出版と権力 講談社と野間家の一一〇年(魚住 昭)2021年12月01日 23時26分45秒

出版と権力 講談社と野間家の一一〇年
講談社の歴史を書いた講談社の本です。
ただ、歴史と言っても創業前から創業、そして戦時中の軍部との癒着、さらに敗戦後の再生を主に書いています。
全部で699ページ。圧倒的な迫力です。

この本の一番悪いところは、印刷のしかたです。
本を開きますね? 谷ができるでしょ? その谷の奥まで文字が印刷されているので、本を斜めにしないと文字を読み取れないのですよ。
どうにかならなかったのでしょうか? 読むのに大変苦労しました。

膨大な資料を紐解いて魚住さんは社史を語っていきますが、「資料からのそのままの引用」がちょっと多すぎたかな。
資料をもとに、著者がもっと「物語って」もよかったと思うし、その方がさらに面白かったと思います。

もっと印象的だったのはラストのシーン。アメリカ人のタレントが講談社から嫌韓・嫌中本を出版して、それを著者が強く批判する場面です。でも、これって社史とあまり関係ない気もします。
それから後書きもよかった。「月刊現代」時代の仲間が集まって魚住さんに本を書かせようとする。それが本作なんですね。
そういう編集者と作家の結びつきは、ちょっと感動的でした。

これぞノンフィクションという1冊でした。オススメします。

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