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開業医をやりながら作家もやってみた④2021年06月20日 12時48分04秒

m3.com 連載「開業医をやりながら作家もやってみた」第4回。
いよいよ開業の土地を見つけてクリニックの建築が始まる段階です。お時間のある方はご覧になってください。

https://www.m3.com/news/iryoishin/929996

クリニックの設計を自分でやったんですよね。あれは楽しかった!

生きるための安楽死◇オランダ・「よき死」の現在(シャボットあかね)2021年06月20日 23時27分00秒

生きるための安楽死◇オランダ・「よき死」の現在
オランダの安楽死については多数の書籍があります。オランダ在住の著者が最新の安楽死事情について書いています。
勉強になる点も多々ありましたが、小児の精神疾患からの安楽死に関しては記述が不十分で、もう少し医療面に関して詰めてほしかったです。
あとは余計なお世話かもしれませんが、この著作は体言止めが異常に多く、文章としては非常に稚拙に感じました。
体言止めは特殊な事情がない限り使うべき表現手段ではありません。1つの本の中で1つくらいが使用の限界です。
本を書くプロであるならば、こういう所は厳しく気を使った方がいいと思います。

オランダの安楽死は「死が迫っている」ことが要件になっていません。また、安楽死を選ぶ理由は以下の順番になっています。
1 「意味のない苦しみ」65%
2 「尊厳の低下・喪失」44%
3 「疲労感」43%
4 「疼痛」29%

つまり「耐え難い痛み」で安楽死を選択している人は多数ではないのです。
ここでいう「疼痛」とはおそらく「身体的な痛み」ですから、「精神的な痛み」とか「スピリチュアルペイン」で死を選んでいる人が多いのでしょう。

著者は、すべり坂を滑っている実体はないと言っていますが、十分滑っているとぼくは見ます。
安楽死という終着点があるから、心のケアができないのです。
確かにモルヒネやミダゾラムで、鎮痛や(長く深い)鎮静はやっているでしょう。だから「疼痛」が上位にこないのでしょう。
問題は、心の痛みなんです。だから緩和ケアをする側は一生懸命にケアの方法を考えるわけです。
ところがなかなか明確な答えがない。
その時に安楽死という(いわゆる)解決策があるとそっちに流れてしまうわけです。

注意しておかなければならない点は、オランダには安楽死をする権利があるわけではないということです。
本人がそれを希望しても、医師がそれに応じるとは限らないし、医師に安楽死を施す義務はありません。
患者の苦しみを除去するのが医療という言い方もあるかもしれませんが、患者を殺すことは医師として絶対にやってはいけないことです。
安楽死とは(いくつかの点で違いはあるものの)、結局、自殺の一形態です。
医者がコミットしてどうするんでしょうか。

この問題は今後も自分の中で突き詰めていきたいと考えています。