アクセスカウンター
アクセスカウンター

『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(河合 香織)2021年05月05日 09時39分17秒

サブタイトルにあるように第1波のときの専門家会議の動きを描いたノンフィクションです。
本書を読むと、専門家会議⇄厚労省⇄政府の間で、どれだけ激しい軋轢があったのかよく分かります。
また、専門家会議のメンバーが世間的にこれだけ強く批判されていたとは知りませんでした。

筆者の河合さんは、尾身さんなどの関係者たちの言葉を丁寧に聞き取っていき、第1波コロナ禍に対して国がどう動いたかを立体的に構築していきます。
歴史に「仮定」は意味ありませんが、初回の緊急事態宣言を、感染者ゼロまで継続していたら・・・今とは違う世界があったかもしれませんね。

この本は、センセーショナルに「売る」ことを煽った本ではありませんが、ノンフィクション文学として非常にクオリティーが高いと思います。
取材力だけではなく、本の骨格を組み立てる力があって、なによりも文章がいい。
ぼくにはちょっと書けないな。
ノンフィクションとしてお手本のような作品でした。オススメします。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック