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どくとるマンボウ医局記(北 杜夫)2020年08月01日 22時41分15秒

どくとるマンボウ医局記
お医者さんの青春記が読みたくてこの本を買い求めました。
なだ いなださんの本もそうですが、研修医からその後の若い頃の記録って本当におもしろいですね。
北さんは精神科医なので、いろいろな患者さんと出会います。
そうして人間に対する洞察を深めていって、人間の不思議さをよく描いています。

この本にはM教授という横暴な専制君主のような人が登場します。いったい、本名は誰なんでしょうか。
もう故人ですが、よく書けるなと思います。

患者が患者を死なせてしまった事件で、北さんは遺族に謝りに行きます。そこの場面はすごくシリアスで、本人は自分をやぶ医者とか言っていますが、実は真面目な医者だったのではないかと思わせます。

いずれにせよ、1995年に発刊された文庫本がこうやって現在でも印刷されていることは素晴らしいと思います。
ファンが多いのでしょうね。超のつくベスト&ロングセラーです。
大変おもしろい本でした。
ぼくも青春記を書く予定です。

毎日新聞からインタビュー2020年08月02日 15時02分57秒

毎日新聞からインタビュー
ALS 嘱託殺人事件をめぐって毎日新聞からインタビューを受けました。

毎日新聞 .jp に掲載されています。有料記事です。

https://mainichi.jp/articles/20200802/k00/00m/040/011000c?fbclid=IwAR2cKiM4lr1g4fMsWSzbuqpvr4FiDcF2jDdrGtUqlLVdeMyGuKdNLlP-J2U

後編は3日(月)の14時頃に公開されます。
興味のある方はご覧になってください。

毎日新聞からインタビューその22020年08月03日 15時05分53秒

毎日新聞からインタビューその2
ALS 嘱託殺人事件をめぐる連続インタビューの2回目です。

有料記事ですが、興味のある方はご覧になってください。

https://mainichi.jp/articles/20200802/k00/00m/040/070000c?fbclid=IwAR2pgvccdN7hfVMVG2ZjCJ-WA_77sf1bqG8R5AeKZjIC5ecAZ3abPgPoBWU

クリックで拡大します。

開業後に発表された論文です2020年08月06日 20時03分17秒

Oncolytic viral therapy for neuroblastoma cells with Sindbis virus AR339 strain.
Takenouchi A, Saito K, Saito E, Saito T, Hishiki T, Matsunaga T, Isegawa N, Yoshida H, Ohnuma N, Shirasawa H.
Pediatr Surg Int. 2015 Dec;31(12):1151-9.

Reevaluation of trkA expression as a biological marker of neuroblastoma by high-sensitivity expression analysis--a study of 106 primary neuroblastomas treated in a single institute.
Hishiki T, Saito T, Terui K, Sato Y, Takenouchi A, Yahata E, Ono S, Nakagawara A, Kamijo T, Nakamura Y, Matsunaga T, Yoshida H.
J Pediatr Surg. 2010 Dec;45(12):2293-8.

Irinotecan for children with relapsed solid tumors.
Shitara T, Shimada A, Hanada R, Matsunaga T, Kawa K, Mugishima H, Sugimoto T, Mimaya J, Manabe A, Tsurusawa M, Tsuchida Y.
Pediatr Hematol Oncol. 2006 Mar;23(2):103-10.

Outcome of hepatoblastomas treated using the Japanese Study Group for Pediatric Liver Tumor (JPLT) protocol-2: report from the JPLT.
Hishiki T, Matsunaga T, Sasaki F, Yano M, Ida K, Horie H, Kondo S, Watanabe K, Oue T, Tajiri T, Kamimatsuse A, Ohnuma N, Hiyama E.
Pediatr Surg Int. 2011 Jan;27(1):1-8.

Reciprocal expression of CCAAT/enhancer binding proteins alpha and beta in hepatoblastomas and its prognostic significance.
Tomizawa M, Horie H, Yamamoto H, Matsunaga T, Sasaki F, Hashizume K, Hiyama E, Kaneko M, Suita S, Ando H, Hayashi Y, Ohnuma N, Nakagawara A.
Oncol Rep. 2007 Feb;17(2):341-4.

The methylation status of RASSF1A promoter predicts responsiveness to chemotherapy and eventual cure in hepatoblastoma patients.
Honda S, Haruta M, Sugawara W, Sasaki F, Ohira M, Matsunaga T, Yamaoka H, Horie H, Ohnuma N, Nakagawara A, Hiyama E, Todo S, Kaneko Y.
Int J Cancer. 2008 Sep 1;123(5):1117-25.

障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。: ソーシャルファームという希望(姫路 まさのり)2020年08月11日 22時36分24秒

障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。: ソーシャルファームという希望
障害者にとって労働は大変大きなテーマです。
企業には障害者を雇用することが義務づけられていますが、それは障害者から見れば非常に狭き門です。
では作業所はと言うと、月の工賃が1万円くらいだったりします。

障害者が労働し、地域に生きて、月に10万円以上の給与を得る。もちろん、そのためには利益を生み出す必要があります。
こうした会社のあり方をソーシャル・ファームと言います。

筆者の姫路まさのりさんは、そうした実例を丁寧に報告してくれています。そしてその行間からは、障害者を応援する熱いエールが伝わってきます。
障害が重く労働ができない人がいることも重々承知した上で言いますが、やはり人間は労働によって自己実現していく部分が大きいと思います。
だから障害者も働いた方がいいし、賃金を得た方がいい。
そのお金はぜひ、好きなことに使って欲しいと思います。

なぜならば、好きなことを追い求めると、必ず仲間ができます。
仲間ができるということは、社会の中にネットワークを張るということです。それが自立じゃないでしょうか?
障害者は一人では生きられないし、また一人で生きてはいけません。
人とつながって、人に支えられることが本当の意味での自立です。

そういう意味で、ソーシャル・ファームは本当に希望だと思います。こういう希望が広がって行って、いつか当たり前になってくれれば素晴らしいと思います。
姫路さん、とても大切なことを書きましたね。
ぼくも自分の方法で障害のある子どもたちを応援していきたいと思います。

ケーキの切れない非行少年たち(宮口 幸治)2020年08月18日 22時04分16秒

ケーキの切れない非行少年たち
現在、大ベストセラー中の新書です。
うちの長女が読んだというので、ぼくも読んでみました。

「ケーキが切れない」というのは、話の「つかみ」の部分で、要するに非行少年の大半は、知的障害や発達障害、もしくは境界知能であるということが書かれています。
ま、身も蓋もない本ですね。
この本でも取り上げられていますが、以前に「獄窓記」という本がヒットしました。
(たしか)詐欺罪で服役した元民主党議員が書いた刑務所の中の話です。
そこでは、やはり知的な問題、認知の問題を持った服役者が多数いて、筆者はこうした人を罰してどういう意味があるのかと問題提起をしていました。

本書はその少年版という感じです。
巻末には著者が考えた認知能力を上げるトレーニング方法が提案されているのですが、それにしてもちょっと悲しくなる本でした。
そのトレーニングでどれだけ認知が向上したか、そちらに重きを置いて書いて欲しかったです。

発達障害なら2歳で、知的障害なら6歳で判断可能ですから、その段階で社会と医療と教育がこの子たちを支援すれば、非行に走ることなもないはずです。
そういう支援の部分を分厚くする提案をもっとして欲しかったと思います。
多くの読者は、発達障害(特に知的障害を伴う例)に対して、非常にネガティブな印象を持つと思います。

この本が、新潮ドキュメント賞の候補に上がっていることに少し違和感を覚えます。というか、新潮さんは自社から出した本を、この賞の候補にけっこう上げるんですよね。ちょっと?と思います。

コロナ後の世界を生きる――私たちの提言(村上 陽一郎・編)2020年08月26日 22時14分50秒

コロナ後の世界を生きる――私たちの提言
ものすごく期待して読みましたが、全体的にちょっと抽象的でした。
もっとも良かったのは、山口香(元柔道家)さんの文章。五輪をめぐるスポーツと政治の距離の論考が秀逸でした。
そのほかにも、今、欧州で起こっているグリーンリカバリーという概念とか、勉強になることがいくつかありました。

コロナ後の世界をどう生きるか?
ぼくが最も大事だと思うのは、政治とサイエンスの相互関係です。
政治家が科学に無知あってもしかたないと思います。であれば、政治家は科学を大事にして欲しいと思います。
安倍さんの言う「日本モデル」とか、麻生さんの言う「民度のレベルが違う」というのは、科学者から見れば意味不明です。
今、科学者が懸命にファクターXを探しているときに、政権にある人間が(第一波が)収束したのは自分たちの手柄みたいに言うのは、非常に危険だと思います。

大きな自然災害はこれからも起こるし、疫病のパンデミックもこれからも起こりうる。それにどう対応するかと言えば、方法は科学しかないわけです。
河川の氾濫があればすぐにダムを作れ!では、これからの社会は成り立っていかないでしょう。
政治家は科学に対してもっと謙虚になって、科学的な政治をやる必要があります。

コロナウイルスが終息したのち、政治は懸命に経済の復興に努めて、原状回復を目指すでしょう。
しかしそれでいいのか? これを機会に政治が何を目指すのか、根底からもう一度考え直してみる必要があるのではないでしょうか?
日本は一人あたりのGDPが低く、大学進学率も高くありません。つまり日本は貧しく、低学歴の国なんです。世界のイノベーションからは完全に遅れており、GAFAのような企業が生まれてくる土壌はありません。
ベンチャー企業が飛び抜けて出てくる社会構造でもなく、ユニコーン企業もほんのわずかです。

このままジリ貧を選ぶという選択もあるかもしれません。しかし本当にそれでいいのか?
いまの政治は、どういう国の形を目指すかというビジョンを示しません。憲法9条に自衛隊を明記するということや、「こんな人たちには負けない」ということにものすごいエネルギーを使います。
大事なことが抜け落ちていると言わざるをえません。
この30年で政治は停滞し、この20年で、私たちの祖国の社会構造はメチャクチャになりました。
コロナが去った後には、ただ現状を回復するのではなく、地球全体が抱えている問題を解決に向かって政治が動くこと、「物を作って消費して儲ける」から「人が生き延びることができる」社会へ変革して行って欲しいと願います。