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小児外科におけるパラダイム・シフト2013年05月24日 23時55分03秒

小児外科医として生きてきた25年の中で、パラダイム・シフトなどそうあるものではありません。

ぼくが専門としていた小児がんに関しては、分子レベルでの診断法が進歩しただけで、治療成績は四半世紀の間、ほぼ横ばいです。
外科手術に関しては、胆道閉鎖に関して生体肝移植が広くおこなわれるようになりましたが、これは別にパラダイム・シフトではありません。

専門的な話になりますが、「鎖肛」という先天奇形(生まれつき肛門がない)の手術法に関しては180度常識が変わるような術式の変更がありました。
その理由が、これまで考えられてきた「肛門周囲の筋肉の構造」の理解が間違っていたと言うのだから驚きます。
ぼくも新しい術式(Pena法)で手術をおこない、良好な術後成績を上げました。

解剖学というのは、16世紀に完成していたと思っていましたが、実はまだまだ未知の部分があるということかもしれません。
小児外科医のPena先生が発見した筋肉群は、解剖学を専門にする基礎医学の先生も知らないかもしれませんね。

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